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REMEMBERーWorld Memorialー  作者: CODE393⇒紫晶 朔実
第Xx+3章ー主の帰りを待ったモノ
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レッドチューリップー待つモノ

2018/10/18 更新

「でもさぁ、神僕たちって主の言う事しか聞かないよねぇ。」

 AがSとディフの間に入り込んで言った。

「じゃぁ一発主の所に行けば一気に伝わるんじゃないのか。」

「いや…今会うことは困難だ。存在がないからな。」

 Kが目を伏せた。

「とにかく、今回は長旅になる。来たい奴だけ来い、今日の夜前には出発する。」


 出発の夜手前、夕暮れ時。Kの呼びかけにより同僚の特殊部隊も一緒にほぼ全員リビングに居た。Hは自分の武器らしい不思議な形をした物を磨いている。華はソファーで短剣のジャグリングをずっとやっていて、見ていると少し恐ろしい。

 そうしているうちに、Sが誰かを連れてリビングに入ってきた。飴の飾りを付けたエプロンの女性だ。

「じゃぁ留守番をよりしく頼むよ。」

「りょーかい!任せてねぇ。」

 なにやら親しいようだ。

「誰だいそいつは。」

「ん?そいつじゃないのよ?ちゃんとチェッピーって名前があるんだから。」

 ゆらりと前に垂れたアホ毛が揺れる。

「魔法使いのロリポップだ。前からの知り合いでな、ここを任せるために連れてきただけだ。」

「はぁい、これ!回復薬ね!」

 そう言いながらチェッピーは何かをみんなに一つずつ手渡した。

「…ペロペロキャンディー?」

「うん。」

 手にあるのは皆真っ赤な棒キャンディ。大きさは可食部位が手に乗るサイズほどで持ち手も丁度いいサイズだ。これが回復薬の意味がわかっていないモノも居る。気休め程度かとも思えた。

「まぁお前らは持っておいたほうが良いかもな。」

 そう言ってSは自分のをKに渡して、自分の荷物を取りに行ってしまった。

 その直後。

 轟音と共に視界全体が自分と一緒に揺れ動いた。我々の世界の地震のようなものだ。この世界では今までに見なかった、外からの光に一人を除いて全員が驚く。

 その頃Sは、屋上に居た。彼女はその光の正体をその目でじっと見ていた。その光は南の端から炎柱が天に向かって轟々と立ち上がって光を放っていたのである。その炎は紅くはなかった。真っ黒の今にも瘴気を吐き出しそうな不吉な黒。光がこちらに来ているのが不思議なくらい、それは黒かった。

「…もう時間だな。」

 そういって彼女は立ち去った。


「…どうしたお前らそんなに窓にしがみついて。炎ならもう消えたぞ。」

「いやいやいやいやいや!おかしぃだろあんなの!?なんだよあれ!」

「落ち着け。出発の合図だ、準備は済んでいるか?」

 窓際に全員集合した居た為か、表情を見れば答えは分かることだった。

「でもこんな遅くに移動するのか。」

「明るさは変わらないからな。リズムが崩れるのは申し訳ないが、少し我慢してくれ。行こう。」


「いってらっしゃーい。ちゃんと生きて帰ってきてね?幽霊とか嫌だからねー?」

 玄関先でチェッピーが手を振って見送ってくれた。少し言葉があれに思えるが。

「算段によっちゃ失敗も可能性としてはあるんだ、あまりそう言う事は言わないでくれよ。」

「一番さくちゃんが言っちゃいけないこと言った気がするけど?」

 くすくすと彼女は笑っている。やれやれとSはため息をついた。

 先ほどの光は消えて、周りはただただ宝石が実りほのかに光を放っているだけ。でも彼らはふとその光が此処に来た時よりも強くなっているのを感じ取るだろう。雪は未だ深々と降る、肌寒い冬。

 その中を進む一行。乗り物に乗る気配はなさそうだ。

 暫く進んでいると、先頭のSが立ち止まる。その前を見てみれば白い狼が居る。

「こんばんわ、ブランカ。」

 Sはそっとその狼の頭を撫でる。

「狼居たのか!」

 ルナがとてもうれしそうに近づくが、ブランカと呼ばれた狼は退いてしまう。

「…ごめんよ?」

「まぁまぁ、今回は道案内頼めるかな。」

「道案内…?」

 

【ブランカは言葉をわかっているかのように、大きく頷いて前を駆けていった。】


おはこんばんにちは朔で御座います。

やっと出発しました。どこかでこの名前聞いたことある…って方もいらっしゃると思いますが。ある物語の登場人物が元ネタです。有名ですよ。

ではまたこの世界でお会いいたしましょうー。

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