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REMEMBERーWorld Memorialー  作者: CODE393⇒紫晶 朔実
第Xx+2章ー龍の習わし
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メランポジウムードタバタアジト

 こちらはまだ朝という時間帯ではない。窓の外は昼と変わらない暗さで、まるで『太陽も月もない世界で生きてるよう』だ。

 Kはその窓のそばの丸いすに座って珈琲を飲みながら書類を読んでいた。横には仰向けで静かに寝る姉がいる、その向こうのベッドにはうなされて寝返りを打っている赤角がぼんやりと見える。唯一動いている瞳の下には少し隈が出来ていた。

「……今回はいつ起きてくれるのやら…。」

 眠たそうな細目で資料を読んでいるが、はぁ…っと息を吐き捨ててまた姉の方を見ていた。起きる気配も動く気配すらない。Aが『起こす行為』をしなければずっとこうかも知れない。

 と。さっきまでうなされていたせいか、ガツンとベッドから誰かが落っこちた。

「あーあー…。」

 Kはその書類をガサガサ言わせてながらその方向に行った。ふらっとして姉が寝ているベッドの足に自分の脚をぶつけてしまった。

「うぬっ…ディフ兄貴、大丈夫…?」

「………」

 光の入らぬ治療室の影に…紅い瞳が写った。

「!?」

 一拍遅れて、Kがおののくように腰をあげた。しかし次見た時には綺麗な金色…いや橙にも見える瞳が此方を見ていた。

「あ…兄貴…?」

「んん?呼んだ…彼奴は!?」

 ふと呼びかけに答えようとした彼だったが、何かを思い出したかのようにベッドに乗り上げ窓を見た。

 そこに見えたのは『あの夢と少し違った』風景だった。手前のベッドにはSが寝ていて、窓はしまっているし、少し見える丸椅子は銃はおろか何も置かれていない。色も元に戻っていた。

「どうしたというんです?」

「いや…ありゃ夢だったのか…?」

「でもタイミングよk…良いとは言えないか、落ちてましたし」

 足元を見たら掛け布団が踏まれていた、幸い靴は脱いでいたから足跡は付かなかったものの、もし履いていたらAに怒られていたことだろう。

「何か食べます?」

「あぁ。そうしようかな…」


【数時間後】

「お邪魔しまーす!S起きたか?」

「母さん…お邪魔します。」

 ルナと月華がアジトに訪れた。近くのリビングから、クリアとみぃがひょっこり顔を出した。

「こんにちわんっ!」

 クリアがわっと突進していった。ルナが受け止めると

「たかいたかーい!どうだお前は元気ないい子かー?」

「いいこー!」

と遊び始めた。月華はその横で呆れたような顔をして、奥に進んでいった。診療室まで行くとAがなにか作業をしていた。

「A君おはよう。Sさん起きた?」

「…ううんん、全然ん。」

「そう…なにか手伝うことはない?」

 月華がそう尋ねることも束の間、Aはぱたぱたとスリッパを鳴らして奥に行ってしまった。

「あぁ…行っちゃった、忙しいんだな…。」

 月華はそのまま見送ろうかなとも思ったが、あまりにも忙しそうだったから自分で手伝うことにした。


「ひぃぃ…終わったぁ…。」

「お疲れ様A君、大変そうだったね、何かあったの?」

「いやぁ…いつもの後かたずけだよぉ…。」

「今回やけにドタバタしてなかった?」

「うぅ…。」


 今日も宝石の森は静かだ。ただ千年樹の中にあるアジトに関しては非常に騒がしかった。

 先日の騒動もあってか、大人しくなるまでに夜の時間帯までかかった。明るさも暗さも変わらないこの空間では足元は壁から生えている光る球体のみが頼りだ。さらに暗い場所は宝石のランタンを持っていたほうがいいのだろう…。


 夜の時間帯に宝石の森を歩くものがいた。フィヨだ。サクサクと千年樹から離れていく。

「…昼と暗さはさほど変わらないのだな。空は灰色に見えているのに。」

 そう。空を見上げれば、灰色の雲にどんより覆われていて、太陽はおろか星すら見えなかった。

「ふむ…故郷の本で読んだ地上とは全く異なる、どういうことだろうか。」

 そう歩いていると…。


「ん?」


【そこには着物の角の生えた不思議な女性が驚いた顔でこちらを見ていた】

おはこんばんにちは。CODE393です。

久しぶりの更新です、最近色々立て込んでて遅れました。

さて今回からほのぼの回ですよ、お楽しみに。

ではまたこの世界でお会い致しましょう。

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