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REMEMBERーWorld Memorialー  作者: CODE393⇒紫晶 朔実
第Xx+1章ー瞳に見えるモノ
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ユリーモノクロと宝石

 一行は、ルビ王子の勧めに甘えて城の一部屋に泊めてもらうことにした。

ー「あの通路だけは修復が必要だと思えるが…ほら、此方は全くの無傷なのだ、火事もあったのに…」

 本当に無傷。火事があったと先程も聞いたが何処を見てもそう思えない。壁に飾られている盾と剣はピッカピカに磨かれていて、下に引かれている青い絨毯も綺麗にシワ無く敷かれている。


ー「…はぁ…」

 部屋に案内されたあと、パウロスはそのまま疲れたと言わんばかりに備え付けのベッドにバフンッと座り込んだ。グッと敷ふとんが押し込まれて跳ね返った。

 一人の部屋は静かだった。隣は女子達の部屋だが一人の足音以外全く聞こえてきやしなかった。本来一人ずつの部屋なのだが、ルナが心配だからSの隣についていると言って聞かなかった為だ。

 そのまま布団に倒れ込み、仰向けになってぼんやりとしていた。王間に入った時に火傷をしてしまったらしい袖で覆われていない肘が痛んだ。

「このままでも治るだろう…」


 ー真っ暗な部屋。灯りをつけていないその中で、赤い瞳が薄っすら見えていた。耳を伏せて、ルナがベッドに肘をついてしゃがんでいた。ベッドではSが布団に顔を隠して枕に頭をつけていて、ルナのもふもふな尻尾は寂しそうに下がっている。

「また…守れなかったな…。」

 くぅーん…と声を漏らして、Sの少し汚れた髪を撫でた。血でギトギトになった髪はまとまってまた元の位置に戻った。


 ーこの部屋は2つベッドがあった。片方のベッドにはKが窓に向かって座っていて、もう片方にはAと眠りについているディフが居た。

 数分して、Aが姉の様子を見てくるとぱたぱた走っていった。

「…あ、あぁ。わかった」

 Aが出ていくのを見送ると、Kは窓に向かって座っていたのをベッドとベッドの間に足をおろした。足を組んで座り、視界にディフの寝顔をいれた。

 彼は少々汚れていたり、血しぶきだったり、少し火傷を負っているとかというだけで、別に大きな怪我はしていない様子だった。

「貴様は…一体何者だ…?」

 紅い瞳に映した銀色は寝返る事無く静かに眠る。


【Earth…アジト内】

「ー……」

 目を開けてみれば少し薄暗い天井がぼんやりと見える。久しぶりのふんわりとした感覚の上に寝ころがっている。ぼーっとしていても、目のピントは合わない。

 彼は手探りで自分の眼鏡を探すだろう。すぐ横の引き出しの上に乗っていた。もふっとしたものが手に触れた。

「…ん?」

 眼鏡をかければピントが合うだろう、はっきりとまわりが見えるようになったが、全てがモノクロに見える。もふもふの正体は自分の服に見えるが、服の形、首飾りは同じものの橙色や黄色は見受けられず、濃さの違う灰色に全て見えてしまう。

 ただ一つ、首飾りの紅い宝石はそのまま赤く見えた。

「ハロー、ハロー…お目覚めかい?」

「っ!」

 隣のベッドのその先の窓に、解き放たれたカーテンがなびく窓枠に此方に向かって座るモノが居た。

 そのモノだけ、色がついて…否、後ろの木に実った宝石も色鮮やかに輝いているだろう。月の上がらぬ夜は外からの逆光も無く、只々目の前に青が映えるだけである。

「おおっと、動かないほうがいいと思うよ。服装もそれじゃ動きにくいだろうしさ。」

 はっと服を見れば、我々の世界での入院服の様な真っ白な服装だった。丈は長いが、あまり自由は利かなそうだ。両腕には包帯が巻かれていた。

 もう一度その者を見る。真っ青な服装に身を包み、上着のチャックは上まであげていない。黒髪がカーテンと共になびき、頭上に咲いていると思われる青い薔薇の花びらと葉をも風はなびかせる。薄っすら見える瞳は、あざ笑うかのようにも、警戒するようにも見受けられる。

 片手で抱え込むように持っている棒は…目線で辿ってみると途中で刃が見えるだろう、全体は窓枠の外に出ていて見えないが、恐らく『そのモノ』より大きい鎌だ。

 その手前には…その手前のベッドには誰も寝ては居ない。『ただ紫色の宝石に灰色の物が飾りとしてくくりつけられた首飾り』とその奥には血に濡れた銃の置かれた少し高めの丸いすが見えた。

「…どうして此処にいる、何故お前と…まわりの宝石やらしか色がついていないんだ。」

「また孫の顔が見たくてさ…あとついでに貴様に忠告しに来たのさ。」

 ディフの質問に全て答えずに、少女はそう答えた。とても年上には見えず、にっこりと浮かべた笑顔は若々しい。

 ペロッと舌なめずりをして、また口を開いた。目は笑っていない。

「俺は巷じゃ『死神』って呼ばれてるのさ。」

「…。」

「大丈夫さ、すぐ戻る。今狩ってもなにもならないし…」

「じゃあどうして」

「言っただろ?忠告さ。また油断していたら死ぬからね。」

 その瞬間その少女から笑顔が消えた。目に光がなくなり、瞳が見えなくなる。下を向いたのだろう、その横でパチンッと指を鳴らした。

 ぼやっと視界がフェードアウトを起こして暗くなっていく。

「…あっ…」

「自分の力を過信して油断することがない様に。異世界のモノだからと言って、死なないだなんて保証誰が言った…」


【夢か現か、それは未だ見分けが付かなかった】

おはこんばんにちは、CODE393です。

今回はなんだか不穏な空気…とかまぁ伏線とか。(毎回伏線だらけじゃねえか

とにかく次回はもう少し進むと思います。

ではまたこの世界でお会い致しましょう。

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