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REMEMBERーWorld Memorialー  作者: CODE393⇒紫晶 朔実
第Xx+1章ー瞳に見えるモノ
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アガパンサスー闇の主

暇だったから…熱でも小説位いいでしょ?ね?()

【戦闘終了の直後のK達はー】

 Kが琥珀のネックレスの石を撃ち抜いた。その途端に

ー少女はたちまち黒くなり、ドロドロに溶けて跡形もなく消えてしまった…。


 …残ったのは撃ち抜いたはずの琥珀石飾りのネックレスと黄色い薔薇が床に一輪咲いた。その薔薇は黒い瘴気を少しまとった後に黄色い炎に照らされて輝いていた。

「終わった…のか…。」

 Kは撃った後少し反動があるため動けなかったが、戦闘が終了したことを確認するとその銃の口を下ろした。ルナはそのままそこに咲いた薔薇を警戒し、フィヨは本を開いていつでも攻撃できるように構えている。

 Aはその『人ならざるモノ』が『まるで闇のように』黒くドロドロと溶け消えてしまう様子を見てびっくりしたのか後線に一緒にいたパウロスの上着の裾を掴み後ろに隠れて様子を見ている。

 パウロスは、唖然とする様子も怯える様子もなく、無意識にAを守るように手を彼の肩に回しながらその薔薇の前に刺さったままの自分のナイフを見ていた。

 パウロスが居る場所から少女だったモノが居た地点までは、そもそもの話、常人では足元にすら届かないであろう距離だった。Kでも狙撃を悩むほどこの部屋は広く離れていたのである。

ーどうしてこんなに飛んだんだろうか…やっぱり…。

と、ずっと何かを考えていたー


【数日前ーEarth・アジト地下】

 あのカランという少年が現れ、治療として少しの間居てもらうことが決まった日から2日経ったあの日。

 パウロスはまた、一人で気まぐれにアジト内を探検していた。

 実はこの数日前に男子3人で探検した時に、一つだけ見ていない部屋があることに気がついたのだ…ディフとフィヨがSに連れて行かれたあの『鏡の間』と呼ばれる謎の場所である。場所は地下2階、あの倉庫とは別の廊下に出られれば行けると、フィヨから聞いた。一応ディフにも行き方を聞いたのだが、あまりに突然であまり覚えていないらしかった。

 なにも知らない場所に向かうということは難しいことではない、建物(?)の中ならばなおさら簡単である。パウロスはエレベーターでこっそりと降り、倉庫とは違う方向に伸びた廊下に足を踏み入れた。淡く青い宝石の明かりに照らされ足元も最初の方はよく見えたが、段々と明かりは少なくなり扉が見えた頃には気がつけば明かりが一切なかった。

「…此処が…鏡の間の…?」

 パウロスがその扉に触れようと手を伸ばした瞬間に、いや、触れる前に扉はひとりでに開いた。綺麗に傷ひとつない鏡が先が見えない道の両端にずらっと並んでいる。


【アジト地下二階ー鏡の間】

「入れと言われているようじゃねえか…。」

 大きく開いた扉の先にパウロスはいよいよ足を踏み入れた、数歩歩いて完全に入った瞬間に後で扉が閉まる音がした。

「…完全に閉じ込められたのか?誰か居るのか…。」

 パウロスは男子の中でも身長が高い方ではあるが、鏡はそれ以上に大きかった。パウロスの姿そのままが鏡に綺麗に鮮明に映っていた。少々髪と服装を整え、またゆっくりと歩き出した。

ー…パウロスは口以外の顔半分を赤と青で半分ずつ着色した布で隠している。その布は通常目がある所に黒い線が入り、それを境に下が赤、上部分が青に分かれている。視野は一般に比べ狭いが右が振り返らないと見えないだけであまり不便でも無いようだ。

 後で結んだ髪をすこし揺らして、パウロスは進んでいく。今の所は不思議としてなにもないのだ。と

「…?」

 ふと左の鏡に目線を向ければ自分と違う姿が映っているのに気がつくだろう。布で隠していない左目を瞑りその左目から頬を通り顎まで赤い痣のようなものが滲み出し、布の黒い線が中央で分かれ、その中から白目が黒い黄色い瞳がギョロリと覗いている。

 今はこの姿であることはありえないことは彼はわかっていた、今は『あの力を使っていないから』この姿になることは無いのである。それくらい彼にはすぐに理解できた。

 すっと、右手で鏡に触れてみる。鏡の奥に居る『もう独りの彼』はその黒い目を細めて同じ場所に左手で手を置いた。鏡の前の彼はニッコリと微笑んだが、もうひとりはずっと表情を変えず寡黙だ。

 またあるき出して鏡の境を超えると、元に戻った。あの一枚だけ、違う姿が映るようだと思い込んだ。


 …どれ位歩いてきたことだろう。時計もない薄暗いこの空間を前の終わりも後の扉も見えない廊下をパウロスは闇雲に歩いていた。どこまで続いているかもわからない。

 鏡の道が終わっている。

 と言うよりはその鏡の奥は本当に真っ暗だ、なにも見えない…いや何かがうごめいている。

「……あっ…。」

 彼はなにか居るのかと一歩足を出して背伸びして奥を見ようとした。するとその一歩だした右足に何かがスルスルと何かがまとわりつく感触がした。その一瞬で「やばいかもしれない」と言葉が頭をよぎった。

ーようこそ…闇の一歩手前へ…。

 そんな声が聞こえた。空耳じゃない。確実に、確実に前から聞こえてきた…!

「誰だ…!俺の足を掴んでるんならさっさと離せよ!」

ーおおっと…駄目だよ此処で叫んじゃ…上に聞こえちゃうからね…。

 足を見れば黒いものがツルのように絡みついて身動きが取れない、そうしていると奥の『闇』から今度は口を塞ぐようにまとわりついてきた。温度はない、とても冷たく生き物じゃない。

「ッ!ーー!!」

 かろうじて鼻は塞がれず、手も自由に動かせる。殺すつもりは無い様子だった。目を見開けば目の前には白い鱗の青い瞳を持った大きな龍が闇の奥から此方を見ていた。そして

ーお前は此処で彼奴等と戦うには弱すぎるだろう…穢れぬ程度にその力と共に強化してやろう…。


【ちょっと横暴だけどこれくらいしか出来ないんだなぁ…。】

おはこんばんにちは、絶賛低体温のCODE393です。

今回はパウロス君主役で出そうと思ったんですが…超長くなったので一旦切らせていただいた、すみませんでしたァァァァ()

次回はまたあのチート組なので続きは待ってください…そう言えばカラン君、何してるんでしょうね?ふふ…。

では…またこの世界でお会いいたしましょう。

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