リンドウー紫薔薇
【戦闘開始ー第一ターン】
No.393ー『プログラムのまにまに』
ーERROR時専用行動能力。あるモノに打ち込まれたプログラムのみで判断し行動する。感情はあるが慈悲は無い。副作用として両手の指が伸び刃物の様に鋭くなる。刺殺可能。
ー『オーバーヒート』
ーS専用体質。超稼働、超思考により回線の発熱が上昇、冷静、的確な判断が難しくなる。
スルトー『禁句「そして誰も居なくなった」』
ースルト専用能力。あるカードの発動効果によりその場にいる敵を手段は問わず全員、もしくは満足が行くまで殺す。この能力は他の能力と兼用可能。
ー『狂乱「フランドール=レーヴァテイン」』
ー事前発動能力効果。狂気属性最強魔法、『狂帝杖【レーヴァテイン】』を召喚。それと共に『無謀な狂いし紅狐 ディフォクシア=スルト=スカーレット』に精神を支配され、狂気のままに暴れまわる。
[敵のターン]
少年は先程懐から取り出したクナイを2人に向けて扇形にまず10本投げた。そして飛び上がると空中でまた10本、床に落ちると共に体制を変えながら10本、10本、10本…見える限りでも40本は紫の灯火に照らされながらまっすぐ飛んできてるだろう。
回避(防御)
393→成功
スルト→自動成功
393はそのままにしていた手の盾を掲げクナイの襲撃を防いだ、クナイが数本指と指の間に刺さり上下に微かに震えている。
スルトはじっとその投げる様子を見ていたがクナイが近くまで来ると少しステップを踏んで全て避けた、その目つきには機嫌が悪いのがわかり易いほどに映っていたが避け終わった後に顔を上げれば、何か企んでいるかの様に頬を釣り上げた。
「…どうだ!…って、えぇ…。」
少年は自信満々にドヤ顔だったが、あれだけ投げても殆ど刺さらない相手に少し肩を落としたようだ。クナイは床に転がっているか床のタイルの間に刺さり、微かに紫色に染まっている。
[スルトのターン]
ーカード発動・禁戒「故意の冥路」
何処からか取り出したカードをふっと消したかと思えば、次の瞬間には福の後ろに立っていた。
回避(距離を取る)不意打ちあり
??→失敗
「…ッ!!」
ハッと後を振り返った時にはもう遅い。赤い瞳の残像を描いて、彼はレーヴァテインを振り上げ即座に福の腹に振り下ろした。縦一の字に胴体が離れる。
それと同時に「黒いモノ」が飛び散り、また元に戻ってしまった。
「…っは…!こっわ…『また殺られる所だった』じゃん…!」
少年はスルトの前でそのまま斬られた筈の腹をかばうように抑えて怖怖とそう呟いた。
彼はレーヴァテインを振り切ったまま、もう片方の手で少し縮こまる少年の頭を鷲掴みし思いっきり壁に投げつけた。ガラガラと壁が崩れる音がするが、壁自体が分厚いのか穴と見られるものは見当たらない。少年は瓦礫が当たると痛そうに起き上がった。頭が痛いかのように頭を押さえる…否、自身が付けているエレスチャルのイヤリングを握っているようだ。
「これでも壊れねェのかよォ…!」
唸るようにスルトはそう言い放った。
[393のターン]
「…!」
ー自動発動・「解明解析」
393のその瞳には、少年がイヤリングを痛そうに守るように握っているのが見えた。先程の攻撃の反応を見る限り、自分の攻撃もあのように斬ると効果はないことを察した。
「…ディフォクシア=スルト=スカーレット!身を攻撃しても効果は無いようです!イヤリングを狙ってみてください!」
393がその場でキーキーとノイズが混じった音でそう叫ぶと、スルトは小さく反応した。
少年は既に立ち上がり、そのイヤリングを隠すようにクナイを持って身構えている。確かに、守るように隠しているようだ。
[自動緊急行動ースルトのターン]
ー「鮮血の十字架」
393がそのイヤリングに攻撃してみようと試み、動いた瞬間。スルトは何かのカードをほっぽりだして一気に少年との間合いを詰めた。
「!!」
少年は393に注意を向けていたので、スルトがはっきりと目の前に来るまで全く気が付かなかったらしい。はっと息を呑んでイヤリングを守りながら硬直している。
彼は立っていた。にこやかな笑顔で。しかし目を開いて紅い瞳が見えた瞬間にその表情は狂気を醸し出す。
その時から瞬きをした瞬間に、既にそのレーヴァテインはまた横一閃に振り切られていた。
顔を横に真っ二つ…では無く、イヤリングだけパックリと割れてその足元の瓦礫へ落ちてゆく。
ー…戦闘終了、敵兵戦闘不可能
【シャンデリアの紫の炎は未だ燃え続けていたが、二つに分かれたエレスチャルは流星の様に瓦礫の上を跳ね、落ちてゆく。少年はそのまま黒く消えてしまった…。】
おはこんばんにちは、CODE393です。
はあああこの2人はチート過ぎます…!結構展開悩んだのですが、何故かこうなった、どうしてこうなった()
しかしこれでわかったはずです、相手がどんなものだったのか…。
次回はK組行きます、では。
またこの世界でお会いいたしましょう。