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REMEMBERーWorld Memorialー  作者: CODE393⇒紫晶 朔実
第Xx+1章ー瞳に見えるモノ
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ワレモコウー雪に紛れて

さぁ、動き出しますよ。

 Sと男子が1階に戻っていたその頃。

【下界ーEarth森林】

ー…そっちに居たぞ!逃がすな!

 人間の声が音一つしなかった森の木々の間に響くのが聞こえる。この前Sとルナが交戦したモノとは違うようだが、何かを追っているようだ。

「はぁ…はぁ…!」

 と、草むらの向こうからザザッと音を立てて茶色のスーツを紅く染め、腕をもう片方の手で握りつぶすように抑えた白髪の少年が息を切らして現れた。

「此処で捕まるわけには…っ!」

 体力の限界か、はたまた怪我でふらついていたのか、木の根に足を引っ掛け転んでしまった。一旦木の陰に隠れ、立ち上がろうとするがうまく立ち上がれないようだ。すると、

ー…おい、此処で何をしている。

 少年がジタバタとしていると隠れている木の向こう側から別の男の声が聞こえてきた。

ーか、幹部殿!ご無沙汰しておりました!

ーお勤めご苦労…それで、此処で何をしている。

ーはっ。怪しい奴を目撃したので捕らえようと…。

ー…仕事で無いのならば帰って別の仕事をしろ。僕が探しておこう。

ー有り難きお言葉…失礼致します!

 そう聞こえるとザカザカと離れていく複数の足音と、此方に近づいてくる足音が聞こえてくる。

「…ひっ…。」

 少年は怯えた顔でその場に縮こまって震えている、そうしている内にその足音は真横まで近づいてきた。

「…おやおや、どうしたそんなに怯えて。」

 少年は恐る恐る顔をあげた、その顔には頭から血がダラダラと流れ垂れている。よくこれであれだけ走れたものである。

「わっ…早く治療しないと駄目じゃないか…?」

 その人…Kはその少年の顔の血を拭おうと手を差し出した、が。少年は無言で怯えきってしまい、触れさせてくれない。

「ううむ、どうしたものか…何かあったのかい。」

 Kはできるだけ優しく穏やかに少年に話しかけた。少年は口をつぐんだまま、じっとその虚ろな涙が溢れ出しそうな瞳でKを見つめた。

「僕が怖いかい。」

「…。」

 そう言うと少年はそのまま小さく頷いた。少しだけ、腕を握っていた手が緩んでいる。

「少し血を拭わせてくれ、見えにくいだろう。」

 Kはそう言って拭ってあげた、今回は少年も拒まず大人しくしていた。Kは顔の傷を確認した後に、腕に大きな傷があるのを見つけた。

「…撃たれたのか。」

 Kは拳銃を扱うため、傷の具合でどんな銃の弾による傷か判別できる、猟銃部類の大きさであった。少し触れると、少年は痛みを感じたの逃げるように身体をよじった。

「あ、すまない…歩けるか?すぐ近くに僕の家がある。」

 Kの言葉を聞くと少年は顔をあげたが首を横に振った、足はもう疲労が溜まって動かないようだ。

「わかった、少し痛むかもしれないが…僕の弟に見てもらう他ないからな…。」_


【Earthーアジト・1階リビング】

「…はぁ…。」

「おかえりー…あれ、お疲れ?」

 Sと男子3人組は玄関近くのリビングに戻ってきた。ソファーにはルナが座っていた。

「あぁ、装置が作動しかかった。」

 全員ソファーに座り、少しの静寂があったかと思うと。

「姉さんん、兄貴そろそろ帰ってくるよぉ。」

 Aがリビングの扉からひょっこり現れ、そう言った。

「いつものことだろう、それがどうしたんだ?」

「…怪我人背負って帰るぅ、ってさぁ。」

「怪我人?」

 そう話していると、玄関が乱暴に開けられる音がした。Kが帰ってきた合図だ。

「あぁ…もぉ、もうちょっと静かに開けてって何度も言ってるのにぃ…。」

と、パタパタとAが小走りで向かった、その直後。

ー…何この子ぉ!?はぁ、早く連れて行ってぇ!!早くぅ!

ー駄目だ、あまり動かすと傷に触る、医者が忘れてどうするんだ。

ー…んん、先に行って準備してるから出来るだけ早くねぇ!

とはっきり聞こえた。Aが驚く位だ、危険な状態なのかもしれない。

「一体誰だ…?」

「後で見に行けばいい、今行ってもAに怒られる。」


【白髪の少年_一体何者なのか…。】

おはこんばんにちは、CODE393です。

いよいよ、物語本番。逃げ込んできた少年の正体は一体…?そして傷だらけの理由とは。

(今回よりオリソニを擬人化してお送り致します。)

ではまた、この世界でお会いいたしましょう。

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