サクラー男子共の興味本位の探検その4
連日とうこーう!(おい
【子供部屋(?)に入った男子3人、声の主を探していると…。】
「…。」
唖然とした顔で棒立ちのフィヨが見つめているのは、薄黄色の子犬の獣人と薄紫の子猫の獣人が自分の赤いマントをいじって遊んでいる所である。
「ふぃ、フィヨ…やっぱり此処なにk…え?」
ディフは先程不意に尻尾に触れられたこともあり血の気がひいた顔色だったが、フィヨの目線の先の目を向けると同じく唖然とした顔でその子供達を見ていた。
「うーん…居なくねえ?何処に子供なんて居るんだよぉ…って、2人共見つけてるんだったら見つめてないで言ってくれよ…どうしたんだよ、おい。」
パウロスが呆然としている2人に話しかけたが、あまりにも耳に入っていないようなので背中をどついた。「おぉう!?」とディフは気が付いたが、フィヨはそのまましゃがんで子供達を見つめているようだ。
「こいつ…ケルベロスなのか…?」
そうつぶやくフィヨだが、見つめている子犬の獣人に3つも顔は無いし、首輪も無ければあの圧迫感も無い。強いて言えば、子供特有の純粋さと可愛らしさが感じ取れる位だ。
「ケルベロス…?」
「ケルベロスって、死角がない地獄の門番って奴だろ?それがどうしたんだい?」
「…あ、いや、さっきの気配は一体って…。」
ふと目線を戻すと、子犬の獣人と目線が合った。キラキラとしたその純粋な瞳の奥になにか…暗い雰囲気のものが漂っている。子供のようだが、唯の子供の雰囲気ではない。子猫の獣人は相変わらず子犬の獣人の背中に隠れている。
「…どうした。」
フィヨがそう話しかけて触れようと手を伸ばした瞬間、2人共ビー玉に弾かれたかのように飛び上がって奥のカゴの中に引っ込んでしまった。そこから目と耳を出して此方を伺っている。
「て、てきかぁ!?」
「ちぇきかぁ…?」
どうやら驚かせてしまったようだ、拙い話し方だが会話はできるようだ。
「す、すまない…敵では…無いと思う。」
「思うって…。」
「ごしゅじんさまのなかま…?」
「ご主人様?」
3人はご主人様という言葉が気になった。するとパウロスが
「ご主人ってどんな人だ?」
「ながいあおかみのーせのたかいおねーさん!すごくやさしいんだよ!」
「…きゃおにきじゅありゅにょ…。」
「あ、あとね!かおにきずがあるの!」
子猫の方はうまく話せないようで聞き取りにくいが、子犬のほうが繰り返してくれるので問題はないようだ。
「「「…あー…。」」」
「ごしゅじんさま、しってる?」
「あぁ、知ってるぞ、さっき話してきたんだ。」
「じゃあてきじゃないね!」
そう言いながら軽やかにかごから降りてきた、くるりと振り返って、
「みぃ!このひとたちだいじょうぶだよ!」
「…?」
「ごしゅじんさまがいってたわるいひとじゃないよ、だいじょうぶ!」
子犬は袖が長すぎて手が見えていない腕をバンザイしてその余分なそれをぶんぶん振った。すると、
「くりあにぃ、みぃもおりりゅ…。」
そういって2人はまたちょこちょこ歩きながら近づいてきた、3人はまた警戒されないように座って待っていた。
「君達はいつも此処に居るのかい?」
「ううん、きょうはごしゅじんさまがぐあいわるいから、あそべないからここであそんでたの。」
「…なんて呼べばいい?」
「クリアはクリア、『ケロベロス・クリア』だよ!…ほら、みぃも。」
「『キャット・みぃ』…。」
クリアとみぃと名乗った2人は話よりも気になることがあるようで、3人の顔以外のところを見ている。
ふとそちらを見てみるといつの間にかみぃが移動してきていた。ちょこちょこと動き回り、マントやら翼やら帽子(?)やら尻尾が気になるようだ。
みぃがディフの尻尾に触れようとした時、ディフはふいっと尻尾を動かして避けた。
「みゃっ…!?」
また触れようとその萌え袖の小さな手を伸ばしたがささっとまたかわされてしまった、どうやらディフは遊んでいるようだ。
「みゃ!?…にぃぃ!」
「ほら捕まえてご覧?」
フィヨとパウロスはその様子を見ていたがクリアは思わず、
「ずるい!クリアもやる!」
と、飛び込んでいった。
【相変わらず猫好きだな。この子達の正体はまた次の機会にな。】
おはこんばんにちはー。CODE393です。
遂に4階に突入した男子3人。うちの子が出番少ないのは仕様()
ほのぼのが前半ですから思いっきりギャグ仕様で行きますよぉ、後半は覚悟しておいてください。
ではまたこの世界でお会いいたしましょう♪