アカツメクサー男子共の興味本位探検その3
あーグダグダ()
【アジトーエレベーター内】
「…ねぇ、やっぱり地下3階なんて行き先ボタン無いぜ…?」
3人はアジト内探検の為最上階に行こうと中央のエレベーターに乗り込んだ、先程話題に上がった地下3階の有りかを示すはずの行き先ボタン「B3」のボタンは存在していなかった。
「んー…じゃあやっぱり言い間違いなのかな…。」
「最上階のボタンが5階なんだけど、これ階段で上がるパターンかな。」
とディフとパウロスが考えを広げていると、フィヨが不思議そうに指を指してこういった、
「じゃあ5階まで行くか…。」
【5階ーエレベーター前】
3人は5階でエレベーターを降りた。エレベーターの横には2つ、下に続く階段と上に続く階段が祖前付けてあって、上へ続く階段からは少し光が見える。
「此処の上が屋上…。」
迷いなくパウロスが登っていく。その後ろを2人はついていくだけだ。
【アジトー屋上】
階段を上がれば、視界が開けた空間に出た。周りに見える木々を見れば風が吹き雪が深々と振っているようであるが、3人が居る空間は雪も風も無い。更に言えば頭上が丸く白くなっている。
中央には丸いテーブルと数個の椅子が備えられており、飲食ができそうだ。
「…あぁ!これドームになってるのか!」
頭上が白く雪が降っている、それに足元には木目が見え積もっていない。すなわち、此処には屋上なのに天井があるということ。
「…本当だ、透明な壁が此処に…。」
パウロスが端まで歩きその場で壁に触れた。外の冷たさが伝わってきて、結構な薄さの壁だと言うことも分かる。
「でもこれならいつでも此処で過ごせる訳だ。」
「…此処他になにか無いのかな。」
「…無いっぽい、戻ろう。」
【5階フロア】
3人は階段を降りて戻ってきた。5階には3つしか扉がなく、そのうち1つは木製ではなく金属製の扉だ。木製の扉は一つひとつに丁寧に彫刻が彫られている。
「…なんか一つだけ違うのがあるんだけど…物置かな?」
「じゃあそこ後回しにして別のところから…。」
と言いつつパウロスが木製の一つの扉を開くと、そこが物置らしかった。金属板やコード、箱が無造作に…いや少し雑に入れてある。
「げっ。此処が物置か。」
「材料室なのか…金属があるぜ?」
ディフがそう言って箱の中にあった小さな金属版の一つを手に取った。幾つか傷は付いているが新品のようだ。片手でギリギリ持てるほど、ものすごく重い。
「お…おもっ…。」
「ふむ…此処もあまり何も無いな…次だ。」
次の木製の扉、此方には先程の扉と比べて少し控えめだが大胆な装飾が施されている。中からはガタッと音がするのが聞こえた。
「…誰か居るのか?」
「さぁ?開けてみれば分かるだろ…。!?」
フィヨが扉を開けた、その途端に目の前にモノクロの服が現れ額に冷たい感触が伝わる。
ーKが銃を向けて立っていたのである。
「…誰の許可でこのフロアをうろついている。」
銃の安全装置は外れている様に見える、かなりきつい目つきでその前髪の後ろから睨みつけていた。帽子は被っておらず、くっせっけな金髪がはねている。
「だ、駄目だったか?」
「…危ないから入るな。いいな。」
Kの背後の壁には無数の黒いものと一番奥には作業机のようなものが見える。ディフには黒いものが多種多用な銃であることを瞬時に理解した。
「…っ銃じゃないか…!!」
「僕は此処で武器を作っているんだ、あまり入らないで欲しい。あと…。」
「…?」
「姉貴の部屋は絶対に入ろうとするな、冗談抜きで頭を貫かれるぞ。」
「「「え”。」」」
3人は耳を疑ったが、Kの表情に嘘をついているという事は読み取れなかった。
「…分かった、入らないようにしておくよ。」
「…それがいい。まぁ、鍵がかかっていると思うけどな…。」
【5階フロアー廊下】
「…鍵がかかってる。」
ディフが金属製の扉を開けようとするが、力一杯引こうとしても押そうとしても、ましてや横に滑らせようとしてもびくともしない。
「…此処がSの部屋だったりして…。」
3人の間に沈黙が漂った。しばらくして
「や、やめておこうか。いくら探検とは言え、女子の部屋は…。」
「そ、そうだな。下に降りようか。」
【危ねー…あとちょっとでやられるところだったねぇ。ほんと、危なっかしいんだからさ。ねえねえ、男子ばかりじゃなくて女子の様子も気にならないかい?】
おはこんばんにちは、CODE393です。
一旦男子パートは終わりです、長い(おい
なんだかんだで入りそうな気がしますがそれはまた今度。次回は女子組です()
ではまたこの世界でお会いいたしましょうね?