彼女と僕と(5)
明けて翌日。外ではお祭りは続いているものの、相変らず僕等はハーヴェイさんの住む地下にいた。
ハーヴェイさんの話ではアメリカが動いている様子はみれなかったが、一応警戒してそのまま彼の住まいにいることとなった。
結局その日アメリカがせめて来ることはなかった。
家に帰らないことについてはそれぞれ親に説明した。僕と三九二君は割りと素直に親と話が出来たけれども、正悟のほうはもめていたようだった。
そして、月曜日。ハーヴェイさんの住まいから僕等は登校した。
通学路。僕、正悟、三九二君、彩月さん。早々と登校する僕等だったけれども、それでも他に学校へ行く生徒は僕等の事を奇異な目で見ていた。
学校へ付くと、彩月さんだけ用事があると別の場所に向かっていった。どうやら職員室の方向だった。
「何だ? 彩月の奴? あずま、なんか聞いてる?」
「さぁ」
「呼び出しとか」
ねぇよ、と正悟は三九二君にいった。
ともあれ、何も思いつかなかった僕等はそのまま教室へ向かった。
そして、朝のホームルームの時間。その理由を知った。
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「はい、お早う。祭りはどうだったか。勉強に無理がないくらいに楽しんだか。それで、明けた月曜日直ぐで悪いがお前らに知らせることがある。彩月のことなんだが、いきなりだが親御さんの都合で今日でこの学校を転校することになった。まぁ、ほんの数ヶ月の間だったけれどそれぞれお別れをするように」
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