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メカな彼女とノーマルな僕  作者: 日陰 四隅
43/60

彼女と僕と(4)

投稿日から丸4日。作者あることに気付く。

俺、アップするほう間違えてた!

 そして、その後。


「枕投げしよーぜ!」


 妙なテンションの三九二君が唐突に切り出した。


 場所は先ほどの和室。さっきと違うのは旅館みたいに布団が三つ並んでいること。……というかこの布団は元からあったのだろうか。


 後、シュールだったのはあのチャペックが布団を敷いていたことだ。銀色の身体でガチャガチャと音を立て、しっかり皺まで伸ばして。イメージがつかない人はアイ○ンマンが布団を敷いていたと思ってくれたほうが分かりやすい。もっとも、中の人が敷いていたほうが絵的には面白かもしれないけど。


 お風呂、何故か岩とか檜とか、ローマ風とかサウナとか誰が使うのってくらい充実した、をもらって和室でのんびりしていたところだった。


 和室には僕と正悟と三九二君と彩月さんの四人がいた。


「なんだ、その修学旅行中の学生みたいなテンションは」


 呆れた声で正悟が言った。


「ええ、別にいいじゃん。学生っていう点じゃあ間違ってねーぜ」


 不満そうに三九二君。


「お気楽なのね、三九二君って」


 彩月さんも呆れて言った。


「貴方、現状分かってるの?」


 言われて、おう、と三九二君は言った。


「良く知らない俺たちとは関係ないいざこざに巻き込まれて、そんでもってアメリカ人に追われていて、そして今現在世界で一番安全なところにいるんだろう。そしたら、やることといったら枕投げしかないだろう」


 どうしてそれがイコールになるのかは不明だった。


 ただ、彼の言葉に二人は少なからず驚いていた。


「……馬鹿なのに中々的確な事を言う」


 正悟が思わず溢した。


「なぁ、俺の言うとおりだろう。だからやろうぜ」


 そういって彼は枕を持っていた。


「それとこれとは別だろう。大体、付き合ってられない」


 そういって正悟は、あほらしい、といって三九二君から顔を背けた。


 直後、枕が正悟に向かって飛んでくる。枕は正悟の後頭部に当たり、布団の上に落ちた。


 振り返って三九二君を見た。彼は正悟を指差し笑っていた。


 正悟は口元を引き攣らせていたが、餓鬼、と呟くとまた元に戻った。再び、今度は二連続で枕が宙を舞う。


 勢い良く正悟が振り返った。三九二君はお腹を抱えて正悟を指して嗤っていた。


 引き攣った笑みを浮かべた正悟が枕を握る。あーあ。


「……上等だこの野郎」


 喉から搾り出すような声で正悟は言うと、そのまま立ち上がって掴んでいた枕を三九二君にぶん投げた。


 彼は飛んできた枕を身体を前のめりにさせるだけで避けて見せた。


「あははは、ノーコン野郎。そんなの当たるかよ」


 そういって落ちた枕を掴んで投げ返した。それを捕る正悟。


「クソ野郎がそうそう何度も当たるか、クソッタレ!」


 そういて捕った枕を投げ返した。しかし、三九二君もそれを捕る。


「そんなへっぽこ当たるッ」


 といったところで立て続けに飛んで来た枕が三九二君の顔面に命中した。それを見て正悟は中指を立てた。


「ざまーみろ!」


 悪い笑みを浮かべて正悟が言った。それを見た三九二君が青筋を立てて応戦を開始した。


「うぉらぁぁぁッ、死ねェェェッ!」


「くたばれこの野郎ッ!」


 飛び交う枕。浴びせ合う罵声。


 なんとなく三九二君はそんな感じだけど、いつもクールぶっている正悟も実は熱しやすい。思いの外怒っぽいし、案外子どもっぽい。こんな感じに簡単な挑発に乗ってしまうのだから。まぁ、中学生っていったらこんなものだ。


 よっぽど差がない限り、自分は周りの誰よりも優れていると思っている。自分だけは特別だ。そのくせ、妙に友達を作りたがる。一人は不安だからだ。


 結局僕等はまだまだ子どもなんだ。


 そんな二人の様子を見て、壁に寄りかかっていた彩月さんは笑っていた。


「二人とも凄く子どもっぽい」


 まったく同じ感想。


「そりゃ僕等は子どもだもの」


 それもそうね、彩月さん。その点をいえばきっと君も僕も違いはない。


「あずまぁ、お前も手伝え!」


 不意に正悟がいってきた。


「ええ、僕!? 僕はそういうの苦手だし」


 ごらんの通り運動とか得意じゃない。


「ははは、一人増えようが二人増えようが同じことよ」


 仁王立ちで両手に枕を持った三九二君がふははは、と笑う。


 いってろ、と犬歯を剥き出しに食って掛かる正悟。どうやら、やや三九二君のほうが優勢らしい。


 と、そこで。


「それじゃあ、私も混ざろうかしら」


 今まで壁に寄りかかっていた彩月さんが、肩を廻しながら参加宣言。加わるチームは僕、正悟チーム。


「ちょ、ま、それは卑怯!」


 一転、焦る三九二君。正悟は指差しで大笑い。


 彩月さんは落ちていた枕を拾いぶん投げる。正悟の投げた枕の2倍くらいの速度で飛ぶ。もはやライナーと化した枕は的確に三九二君の足を狙い、彼は必死でジャンプして避けた。


 合わせて正悟と僕も枕を投げるが、三九二君が器用に避ける。


 そして、たまった枕を一斉に三九二君が投げ返す。


 彩月さん、正悟は綺麗にキャッチし、僕は顔面に食らった。


 勢いあまって後ろに倒れる。


「うっしゃ、一人倒した!」


「あずまがやられた!」


「越智君、貴方の無念は晴らすわ」


「いや、それは止めて!」


 わいわいきゃっきゃとみんな。そして、僕はさかさまの世界で扉が開くのを見た。


「お、なんか面白いことやっているね君達。よし、私も混ざろう」


 そういってラフな格好のハーヴェイさんが現れた。手には枕を6つも抱えて。


「いい年こいてハーヴェイ。貴方が混じるわけ?」


 珍しくハーヴェイさんに笑っていった彩月さん。


「別にいいだろう、楽しそうだし。さぁ、三対一は卑怯だ。助力するぞ、少年!」


 そういって枕6つ抱えたまま三九二君の隣に行く。


 こうして子ども4人と子どもみたいな大人を一人交えた枕投げ大会が始まった。


 ひたすら応戦する彩月さんと正悟と三九二君。


 混じるが対して戦力になっていない僕とハーヴェイさん。


 監督役がいれば誰かしらが止めに入るんだろうが、ノーブレーキで僕等は加熱する。


 気付けば部屋の隅っこにはいつの間にかチャペックも座っている。


 本当に修学旅行みたいな一夜を僕は等楽しんだ。

なれないことはしないもんだね。いや、本当。



どうでもいい話。

BSであった某俳優の映画の説明。


ナレーション「絶対教授に見えないS.S先生の、マフィアの倒し方教えます」


つかこの人、ウィキにロシア語名の名前の表記まで増えたんだ。FBIでKGB? 


ちなみに某俳優のヒント。










戦艦ミズーリでコック

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