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青い瞳の探偵  作者: ふとざぇもん
2/5

最初の依頼!?

頭では

考えてること

字にできず

少女にとって学校は、監獄となんら変わりなかった。クラスに友は居らずいつも一人で本を読むだけ。テストの答案が帰ってくる日には嫉妬の嵐。こんなもののなにが楽しいのだろか。とわずか17歳の少女は考えていた。

「憂鬱ね…」

少女はため息をついて言った。

 授業の傍ら窓を覗くと、そこには鳥が三羽飛んでいた。それはまるで檻に閉じ込められている人間の前で自由に走り回る子どものようだった。

 少女はもう一度ため息をついて、黒板に目をやった。教師と目が合ったが、教師はすぐに目をそらした。

「帰りたいわ……」

 何故学校は存在するのか、日本に飛び級のシステムが存在しないのか。ということを考えているうちに授業が終わっていた。

 休憩中、教室の何人かの女子生徒が本を読む朝霞の元に来た。

「露美、お願い聞いてくんない?」

朝霞は、無駄だとわかっているものの、女子生徒に向かっていった。

「何?何故私に頼むの?」

「あんたあれでしょ?便利屋やってるんでしょ?」

「そんなものやってないわよ…」

女子生徒は驚いた顔で言った。

「え?そうなの?でもあの娘が言ってたわよ?」

「あの娘?」

「ほら、あの娘よ。錦晴に聞いたんだよ」

朝霞は錦晴(にしき はれ)の方を見た。昨日の事を彼女に言ったのだろうか。朝霞はまたつまらないことに巻き込まれるのかと、深いため息をついた。

「まぁ、彼女だけというのも不公平だし、聞くだけ聞いてあげるわ。やるかどうかはそのあとよ」

「露美ならやってくれると思ったよ」

「まだやるとは言ってないわ」

朝霞はあきれた声で言った。彼女の話を聞く限りは、「彼氏と別れたい」というものだった。

「こういうことは、本人同士で解決するものよ。第三者が介入してしまうと余計に拗れることになるわ。第一何が原因なの?」

朝霞の問いに彼女は少し躊躇って答えた。

「浮気よ」

「彼の浮気?」

「わ、私の浮気よ。悪い!?私はすべて彼の所為にして別れたいのよ」

朝霞は言った。

「別に、素直に他に好きな人ができたから別れたい。と言えばいいじゃないの」

「嫌よ。元はといえば彼が悪いんだもの」

「あら、一体何をされたの?暴力?お金?まさか彼の浮気とか?」

笑顔で朝霞は言った。

「彼が勉強とか部活ばかりで私と会ってくれないのよ」

「それなら、仕方ないじゃない。それは、あなたのワガママというものでしょう?」

朝霞がそういうと、女子生徒は朝霞を睨んだ。

「まぁいいわ。用は、あなたの罪をすべて、あなたの彼に擦り付けたいから協力しろ。ということかしら」

「その通り」

「でも、そんなこと私が協力すると思った?」

その問いに女子生徒は答えた。

「便利屋だろ?金なら払うからさ」

「相当な屑ね」

 朝霞は少し顔に笑みを浮かべて言った。

「なんとでも言えば?じゃっ、別れさせてくれればお金渡すから」

もう一度、朝霞は微笑むと彼氏の個人情報のメモを置いて女子生徒は満足そうに帰っていった。

「やるとは言っていないのだけれど、まっ、手間が省けたと言うものね」

朝霞はもう一度窓の外に目をやった。

「バカな人……」

朝霞は小さな声で呟いた。そこには、すでに鳥の姿はなかった。






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