初めての友達
「露美さん、お願いがあるんだけど」
赤く染まった教室に少女が二人。一人は髪が短めで平均より少し大きな少女、もう一人は白い髪が腰まで伸びて、固めには柄物の眼帯を着けていた。
白い髪の少女は呆れた声で言った。
「何回も言うけれど、私は便利屋じゃないわ。噂を鵜呑みにしないで頂戴」
もう一人の少女は、泣きそうな顔で言った。
「でも、もしあなたに見捨てられたら私……」
彼女はクラスでいじめられていた。もう一人の少女はいじめられている。というよりも浮いていた。彼女の場合、気味が悪いと言って誰も近寄ってこないのだ。
「私もあなたみたいになりたい…」
髪の白い少女はもう一人の少女を見つめて言った。
「じゃあ、仮にあなたを助けたとして、見返りはあるのかしら」
「見返り?」
「そうよ。見返りの意味わかる?」
少女は子どものように反論した
「それくらい知ってるよ。そうだね、お金を渡せば引き受けてくれるの?」
「見返りというのは、お金だけじゃないのよ?」
呆れたように話を続ける。
「そうね、私にないものがいいわ…友達、とか?」
教室に差し込む光もだんだんと赤みを増していた。教室の二人は、静かに握手を交わした。
できるなら
漫画を描きたい
ホトトギス