6
私が物心付いたとき、大体……そうですね、五、六歳の頃でしょうか。
その頃から、私はあの小さな部屋で生活していました。
覚えているのは、優しそうな顔をした男の人が、私に色々教えてくれたって言うこと。
聞けば、これは私が特別な子だからこうやって誰もいない部屋に入れられてるんだ、君は特別なんだよ。
と何度も言われ、それに加えて村の子から何をされたってやり返しちゃいけないこととか、村の人の言うことは絶対に守るんだよ、とこれまた何度も何度も言われていたのです。
だから、疑わないし、今だってそれを信じて生きています。
でも、どうしてでしょうか。時々それが正しいのかな、やりたくないなと感じてしまいます。
辛くて辛くてたまらなくなって、どこか遠くににげたくなってしまうけど、私なんかに逃げられる場所など、到底思い付かないし、たとえ逃げたとしても、きっとすぐに連れ返され、今よりも辛いのが増えるだけなんだと、そう思うのです。
私は、どこかおかしいのでしょうか?悪いのでしょうか?
どなたか、教えていただけませんか…?
∞∞∞∞∞
剣が振り下ろされ、キヨラの腕が落ちる。
苦痛に顔をゆがませた彼女の顔が、クロハの位置からでもしっかりと目視できて、生々しいこの光景は誰から見てもきつい物があった。
「何故キヨラは泣かないんですか?そして、何も叫ばないんです」
「…そんなの、彼女が今までそう教育されてきたからに決まってるじゃないスか」
「水の呪い子ならば痛みに声を上げる権利もないと…」
そればかりか、村人たちはそれを見てキヨラの不憫さに何も言わずにむしろ盛り上がり始める。
「………狂ってる」
「…それは、俺も思いますよ」
そして、刃物で斬られたり刺されたり、石をぶつけられて満身創痍になって、ようやくキヨラが船から落とされる。彼女は浮かんでくることはなかった。水浸しになった衛兵が大衆へお辞儀して、それで終わりのようだった。
「…これで終わりですよ、クロハサン」
とイクリが隣へ顔を移したとき、そこにクロハの姿はなかった。
「へっ?」
∞∞∞∞∞
場所はキヨラの宅付近。そのドアのすぐ横の川からキヨラが息を切らしながら川から上半身だけ岸に上がる。意識はあるようだったが、とてつもなく疲弊しているので、目をゆっくりと閉じて体が回復するのを待つことにした。
だが、そのままキヨラは寝てしまう。実際、寝た方が回復は早い。
しばらくして、草を踏む音が近づいてきた。それは、灰色のコート、黒髪黒眼の少年…クロハであった。彼女を見たとき、彼は一瞬少しだけ悲しそうな顔をして、彼女の傍にしゃがんで肩に触れようとしたときであった。
「待て!」
青年らしき人物がクロハの行動を止めようと叫ぶ。それを聞いてクロハはぱっとそちらへ振り向いた。その声には聞き覚えがある。真面目で堅そうな性格の人物の声…。
「ムラサメさん…」
「イクリからコールが来たと思ったらルンペンが単独行動を行ったというじゃないか。慌ててあちこちを探し、もしかしてと思いここに来てみたら、案の定ここにいる」
「あなたも、彼女のことは嫌いですか?」
「イクリから聞いた。穢れ流しを見たそうだな。だが、一つ言っておこう。彼女を嫌いか好きかで分けることは決して正しくはない、ということだ」
「それは、彼等がキヨラのことを好きか嫌いかで判断していない、ということですか?」
その質問に、ムラサメは肯定した。
「あいつらは彼女を単なる祭の人柱のように考えている。だから、彼女を嫌いではないし、むしろ必要としている。その証拠に、彼女は決して殺されはしないし、村から追い出されることもない」
「ただ、殺さない程度には虐待する、と…?」
「確かに、他の村から来た方々には酷いものだと、むごいものだと思われることだろう。しかし、それは我が祖先、シグレの時から始まっているのだ」
クロハは眉をひそめた。
「あなたは村で虐待される対象となる呪い子が自分の祖先だと言うことに不満を持っていたりしないんですか?」
「……何を言ってるんです」
今までさした表情を見せなかったムラサメがクロハを睨みつけた。
「それがなければ、私はここに立っていない。あの立場のせいで辛い思いをした彼の気持ちを少しでも汲み取ってあげたい。少し、お節介かもしれないですがね。せめて、そのつらさを知っている私が呪い子の傍につき、その辛さを最小限にしたちのです」
「あれが、最小限……?」
今度はクロハがムラサメへ睨み返す。
「もしも私でなかったら、監視用のカメラは二桁は超えるだろうし、人員も相当派遣され、常に彼女は無意味な虐待を受けることだったろう。現に34代前の少年は住む場所すら与えられず、ろくな食べ物も食べられずに、常に生きるか死ぬかの瀬戸際だったそうだ……。なぜ、我々と変わらぬ彼等がこんなにも…」
そこでムラサメはハッとして軽く自分で頬を叩いた。
「すまない。気にしないでくれ。さて、クロハ殿、戻りましょうか。先輩が待っていらっしゃる」
「……はい」
∞∞∞∞∞
「ひとつ、質問をいいでしょうか」
クロハはムラサメに尋ねる。彼は素っ気なく、いいですよ、と返事を返した。
「ムラサメさんはシミズさんのことを随分慕っているようにお見受けしますが、それはなぜでしょう?イクリさんに聞いてもわからない、とおっしゃっていたので」
「………」
「答えたくなければ……」
「いや。いい」
ムラサメは軽く首を振る。
「私は今から六年前にあそこに就職した。元々水の呪い子に関わる仕事なんて、通常では汚れ仕事のように感じる奴等が多かったから、就職に困ることは微塵もなかったけど、私は水の呪い子の苦しみを少しでも緩和しようとするために入ったわけだから、もしも水の呪い子を痛めつけて虐待するような、そんな人たちの集団だったならば、私は今ここにはいない」
「と、いうことは、あそこの場所は……」
「ああ。みんなして私と同じような考えをしていた。その中で、今私のやっている仕事…つまりはキヨラを連れて行ったり、制裁を加えねばならない仕事をしていたのが、シミズ先輩だった。あの方は、罰を加えるときは本気でやる。その行為を見ていて、私ははじめ、この人とはきっとうまくやっていけないし、話したくもない、そう思ってた。実際、仕事をする部屋は違ったから、話すこともなかった。でも、ある日のことだった。丁度、先輩に出す書類が出てきて、渋々とその部屋に入ったら、先輩は椅子に座らずに立ちながらデスクワークをしていた。思わず呆然と見入ってしまったら、通りすがった人が教えてくれたのだ。シミズは『キヨラに罰を与えるんだったら、自らも同じように苦しまないとキヨラに申し訳ない』って言っていつもあんなことをしているんだよ、と」
ムラサメは優しく微笑んだ。
「そのとき、私はなんて誤解をしていたんだと自分を恥じた。それからだ。私が、志願して先輩の元についたのは」
ムラサメは表情を元に戻し、クロハをちらりと見る。
「クロハ殿。あなたがキヨラの、私たちの敵でないと信用してのことだが、シミズ先輩の名前のことだ。イクリのことだから、この村のことについて得意そうにベラベラと喋っただろうが、その中に、名前のことに関してのことはあったろうか」
「ええ。水に関した漢字が入っていて、その漢字を一族代々引き継いでいる、ってやつですよね?」
ムラサメは苦笑いをして頬を少し掻いた。やはりな、と小さく呟いたのが聞こえた。
「シミズ先輩の名を、あのバカは紫水と言っただろうが、本当はそうじゃない。仕事でも私用でも先輩は紫水と書いているだろうが、私は知ってしまった。先輩の本当の名は……」
∞∞∞∞∞
痛い。苦しい。辛い。悲しい。寂しい。もう、嫌…。
私は真っ白な空間で膝を抱えて座っていた。
「やあ、キヨラ!初めまして、かな?」
明るい、トーンの高い少年の声。私は顔も上げずに尋ねる。
あなたは、誰?
「ボク?ボクのことはきっとそのうち分かる日が来るから、そのことよりも、話すべきことがあって今ボクはここにいるんだよ」
話すことなんて無い。私には何も話せない。帰ってください。
「まぁそう邪険にしないでよ。キヨラはボクと話したくないかもしれないけど、ボクは君と話したいんだ。だから、顔を上げてごらん」
そう言って私の頭をそっとなでた。そこで、私はゆっくりと顔を上げていく。もう、全てがどうでもよかった。
でも、目の前にいる少年の姿をみて、私は何も言葉が出なかった。
「どう?驚いたかい?」
その少年は長い前髪が右目を隠し、服が私とそっくりなものに、短いズボンをはいている。でも、私が驚いたのはそこじゃなかった。彼の髪は、真っ白で、瞳は綺麗な青だった。
…あなたも、水の呪い子?
「ピンポンピンポン大正解ー!ただ、ボクは他の子たちとはちょーっと違うんだよねぇ」
違う?
「そう。ボクはシグレ、なんていっても分かんないかなぁ?ボクは君たち水の呪い子のいっちばーん最初だよ」
シグレ、さん……?
「君は、この村から出る気は無いかい?」
それは、逃亡幇助をしてくれる、というの?遠慮します。どうせ私には行く場所なんてないから。
「暗いなぁ…。クロハというルンペンが来ただろう?彼について行けばいい」
あの人は、ダメ。だって、きっと迷惑をかけてしまう。
「面白いことを言うね?もうとっくにアイツに迷惑なんてかかっているさ。それに、君にはやってもらわなきゃいけないことがあるんだ。そのために、アイツを利用し、君をこの村という楔から解き放ってあげよう」
シグレさんは、なんのためにそんなことを…?
「それは…、おや、時間だ。君のその質問には、明日絶対に答えてあげよう。だから、もう少し待っててね……」
待って!行かないで!
彼はどんどん薄くなっていき、最後には消えてしまった。
はっと目が覚めたとき、私は家の前の川岸にもたれ掛かるようにして寝ていた。もう、朝になっていた。
「…さっきまでのは、夢?それとも……」
「おはようございます」
「ひっ!!」
ばっと振り返ると、そこにはきょとんとした顔でキヨラを見るクロハがいた。
「何にそんなに怯えているんです?」
「い、いえ…。別になんでもありません…。そ、それよりも、なぜこんなところに?」
「少し、話したいことがありましてね」
クロハはキヨラの前に手を差し出す。キヨラは少し頬を赤くしながら、その手を取って水から這い出た。
「あなたに、僕の旅に同行して頂きたいのです」
その言葉を聞いた瞬間、キヨラはクロハの手を払って怯えたような顔で彼の顔を見た。
「クロハさんも、そんなことを…?」
「“も”、とは?僕の他にもそんなことを言った人が?」
キヨラは胸を両手でぐっと抑えて後退りする。
「私は、私はっ……。この村を出れない…。シグレさん…」
俯くキヨラにクロハは身を乗り出すように聞く。
「シグレ?どういうことです。なぜ彼の名が…」
『ボクはね、復讐をしたいんだよ』
それは、紛れもないキヨラの声。だが、明らかに違う、まるで別の人格のようだった。
『はじめましてだ、クロハ。君に感謝しなくちゃいけないね、キヨラには後一歩、なにかきっかけが必要だったけど、君がそれを彼女に与えてくれた』
顔を上げたキヨラの左目は暗い青がぐるぐると渦巻いていた。明らかに、キヨラとは別の人格が顔を見せている。
「あなたは……」
『そう!君なら分かるよね、なんてったってフェアニヒトゥングの契約者で同族なんだから』
ニコッとキヨラの顔で笑ったが、クロハはなんのことかと彼女の顔を見つめた。すると、彼女は今度は不思議そうに首を傾げる。
『ありゃ?もしや聞いてない?まぁいいや。どうせボクには関係ないからね。話すべき時が来たなら彼自身が話す』
「フェアニヒトゥングは、僕が契約した破壊の精霊…。それを同族といった、つまりあなたも精霊だ。そして、キヨラと契約をしているとするなら、あなたは水の精霊ヴァッサーですね」
しばらくぽかんとクロハをみていたキヨラの姿をした誰かはすぐにおかしそうに笑い出した。
『素晴らしい洞察力だね!御名答、ボクは水の精霊ヴァッサー、そして、この村の人間はシグレと呼ぶ』
「やはり、そうですか。僕の予想はすべて当たっていたようですね」
建物の裏や森の茂みなどから衛兵たちがぞろぞろと出てき始めた。その中には、ムラサメも、イクリも、シミズもいる。
シグレは眉をひそめた。
『これは、どういうことだい?』
「昨日、僕が彼らに言ったんです」
∞∞∞∞∞
「あの、みなさんに話したいことがあるので聞いていただけないでしょうか?」
夕食を食べている最中に、クロハがシミズ、ムラサメ、イクリへきく。シミズは少しほかの二人の方をちらりと見てから、クロハへスプーンを皿の上に置きながら言った。
「なんだろうか?」
「キヨラが、近いうち…明日にでも村へ危害を加えに行くかもしれません」
ムラサメとイクリが食事をする手を止める。
「どういうことだ?」
「僕は破壊の村からやってきました」
「何を言うかと思えば…。それは印を見れば誰でも分かる」
ムラサメが少し乱暴にスプーンをテーブルに押し付ける。
「破壊の村にも破壊の精霊がいて、村人たちはそれを恐れながら暮らしている。水の村も水の精霊がいて、村人たちは過去を恐れながら暮らしている。そのヴァッサーは、水の呪い子に力を与えている、そうですよね?」
「ああ、そうなっている」
「しかし、精霊は人へ力を譲る際、自らをその人間に憑依する必要があることを知っていますか?」
三人の表情がぴしり、と固まる。その中で、シミズが震える声で呟いた。
「つまり、キヨラも…?」
「おそらくは、そうでしょう。そしてそれはシグレの頃から……。だとしたら、精霊としてはとてつもない侮辱を受けていることになります」
「だとしたら、なぜ今まで彼は復讐をしなかった?いくらでも機会はあったはずだろう?」
「今までの呪い子でしなかった、のではなく出来なかったとしたら?多分、その理由としては……」
「そんなことは今はどうでもいい。もしも精霊が村を滅ぼすような真似をするならば、村は跡形もなく消えることになるぞ」
「なら、俺らはどうすりゃいいんスか。精霊ッスよ?とても太刀打ちなんて出来ないッス」
「おそらくシグレは自分の力全てを使ってても村を滅ぼそうとするでしょう」
「そうなったら、キヨラは…彼女はどうなる?」
シミズの頬に冷や汗がつたう。
「それは…。死ぬ、可能性もあります。僕はそれを止めるため、この話をしました」
三人の表情が引き締まる。シミズが椅子の音を立てて立ち上がった。
「みんなを呼んでこよう」
∞∞∞∞∞
「あなたはこれからあちらへ行って復讐を始めるのでしょう?ならば、それを止める必要がある」
『なる程…。君らはボクの復讐を止める気なんだ。でもね、この村は滅ぶべきなんだよ?それをボクたちは心底望んでいる』
「“ボクたち”?まさか…」
『そのまさかだよ。ボクはシグレだけじゃない、今までの水の呪い子全ての恨みを抱えているのさ!』
キヨラの体から大勢の水の呪い子たちが溢れ出すように見え隠れする。大人の男性や女性だけでなく、少年少女もいる。
『この復讐は終わらせないといけない。それは彼らの、ボクの、そしてキヨラの復讐さ』
シグレは高笑いをしながら後ろへ躊躇なく倒れ込み川へ入水する。
「まずい!」
ムラサメが声をあらげたのが聞こえたが、それは間に合わなかった。
たちまちシグレはいなくなってしまい、残されたクロハたちはその場で立ち尽くしてしまった。
「間に、合わなかったのか……」
「このままだとこの村がなくなってしまうッス!何か手はないんスか!?」
「とにかく、キヨラ…シグレを追いましょう」
∞∞∞∞∞
ボクは水の精霊だ。この村を幸せにするために、守るために、ときには強くするために生まれてきた。
でも、遠くから見守るだけでは、きっと彼らの気持ちを理解することは出来ないと人の姿を借りてこの村を見守ることにした。
そこで選んだのは、“雨”の一族…経済的に裕福で、村人たちからの信頼も厚く、頭の切れる優秀な一族だ。
だから、その日からボクの名前は時雨として生きることになった。
それからは、この村に伝わる昔話と同じ。ただ、それは雨が止まなくなった、という所までの話だ。
∽∽∽∽∽
「これは……」
ボクは家の外に出て降り続ける雨を浴びる。
「これで三日になるな、この雨は。この地域にも異変が近づいているというのか」
一旦湖の水を確認してこないことには何も始まらない。流石のボクでも、この状況を理解するには判断材料が少なすぎる。
そう思って家の敷地内から飛び出して水路へ飛び込んだ。
∽∽∽∽∽
島から少し離れたところで湖から顔を出す。湖の水は、いつもよりも比較的ぬるかった。
「やっぱり、日照りが来る前兆だ。このままだと明後日か…。それを防ぐには日照りがすぎるまでの間ボクがこの村に雨を降らすしかない」
力をかなり失うだろう。でも、ボクが創った村だ。守る理由がある。
∽∽∽∽∽
家に帰ると、“シグレ”の母が心配そうに駆け寄った。
「大丈夫?風邪引いてない?心配させないで…」
「ごめんね、母さん。ちょっと外の様子を見てきただけだよ。何でもない」
彼女の名前は氷雨。彼女は常にボクに優しい。優しいだけでなく、人をしかることの出来る人として優れた母だ。
「ボクはこれから部屋に籠もるから、あとで夕食を運んでください」
ヒサメのそばを離れて自室へ歩く。夕食の香りが廊下にも充満していて、それはビーフシチューのまろやかな香り。ボクの好物だ。それをヒサメは分かってる。
天気についての異状は心配だったけど、何とかなるさと楽観的に考え、少し気分を良くしながら鼻歌を歌って自室のドアを開く。
これからおそらく10日以上は雨乞いをする必要がある。この姿にまだなれていないから力加減が分からずに手加減が出来なくなってしまうだろう。村人たちには少し我慢してもらうしかない。必要があればきちんと話す。彼らは分かってくれるはずだから。
そのときは、そう思っていたんだ。
∽∽∽∽∽
それから、11日がたって、雨はこれで二週間降り続いたことになる。日照りを防ぐにはあとせめて一週間…。どう考えても長い。
これは、村人たちに訳を話す必要があるな…。
「朝食を食べて、雨乞いをしてから彼らに話に行こう」
朝食のプレートをドアの前に置いてドアを閉めると、そこを背に向けて床に膝をついて胸の前で手を組み祈りを捧げる。
「 Ich gebe Gebet des Wassers 」
祝詞を口にすると、その言葉は具現化されてボクの体を覆い始める。
そして、祝詞の続きを言おうとしたときだった。
声が、出なかった。
そろそろクライマックになりますね。
望みとしては次で終わりです。
もっともっと入れたい話というか、裏設定とかを絡ませたかったのですが、自分の力に限界を感じて入れないことを決意しました。
特に、イクリとシミズのふたりはかなり話を省きました。すまん!
それに、最後シグレが祝詞だと言った言葉ですが、あれをみれば、分かる人には分かっちゃうと思いますけどある外国語です。造語ではありません。
調べたい人は調べてもかまいませんが、世界観を壊したくない人は調べないことをお勧めします。
この作品が全て終わったら、まるまる一本をあとがきとして書くつもりなので、そこにこの作品のほぼ全てを書くつもりです。なので、それを待つか、はたまた今知ってしまうか、判断を委ねます。
また長らくお待たせすることになると思いますが、それを待っていただけると幸いです。