The シリーズ
俺が敗北してからまる3日。やっとEEB の瓦礫処理が終わった。
本当にまる3日。動きっぱなしだった。皆手伝ってくれたのは助かった。途中、ジンが瓦礫で遊んでその瓦礫がコウの頭に当たって出血多量で死にかけたが、無事に終わることになった。
そして俺達ゼロは今、新たなミッションをこなしている。
定番の、落とし物を探すこと。政府の上の位の奴らしいが、管理ができないなら持つな。死ね。と思いながら2時間が経過した。こんなに時間がかかるのは
「婚約指輪落として無くすってどんだけのバカなんだよ…殺してやる。」
「おい勝士。頼むからそうゆう発言は止めてくれ。依頼主は国のトップだぞ。」
「コウ…お前さ、正直殺したいだろ?婚約指輪無くすんだぞ?それを国のリーサルウェポンの俺達に探せだ?マトモな頭してればそんな考えは出てこねえよ。殺そ。」
「俺さんせー。もうめんどいしゲームしたい。」
「私もそう思うな。研究がある。」
「何がリーサルウェポンだ。マトモなヤツがいねえじゃねえか。ボスはどっか行ったし。」
「は?ボス今イギリスと対談中だろ?聞いてないのか?」
「は?なんだと?他は?」
「聞いたー」
「聞いた。」
「…帰る。」
そうして、ハブられた事実を知ったコウは一人、EEB へと足を運んだ。
「んじゃ、おれらも帰ろうぜ。どうせいても変わんねえし…あ?…皆、先帰っててくれ。俺用事思いだした。」
「おー、じゃ、できるだけ早くな。行こうぜ誠也。」
ジンは分かってくれたのか、誠也を連れてたぶんEEBへと向かった。
「…さて、誰だ?」
妙な気配。それは目元に濃いくまが出ている男だった。髪の毛は白にほんの少しだけ水色がかっていて、ツンツンしていて、前髪が異常に長い。こんなやつ日本にはいないだろう。
「気がついてたんだ。僕、ロシアのThe シリーズ、The absolute zero。日本のThe シリーズのThe breaker に伝言だよ。明日イギリスに来てだって。p.m. 7までには来てだって。じゃ、バイバイ。」
「お…おい!The シリーズってなんだ?まずイギリスって…もう用意しねえといけな
「The シリーズは君。僕も。各国にいるよ。でも一人だけ。で、The シリーズの人間だけで会議するの。次質問したら絶対零度の地獄だから。」
言葉を被せて好きに喋った挙げ句180℃回転して歩いていってしまった。その場に一人置き去りにされたので
「……………EEB 戻るか。ボスに電話しよ。」
EEB に帰るしか道はなかった。
……………………
……………………
「もしもし、ボス?」
EEB に戻った俺は早速ボスにThe シリーズやらイギリスやらの話を聞くことにした。
『勝士か。どうした?』
「The シリーズってなんだ?」
『The シリーズを知っているってことはセンチ、The absolute zero から話は聞いたようだな。』
「あいつセンチって言うのか。聞いたぜ。で、The シリーズって?」
『まあ言うなれば、超能力の頂点だ。一番強い。ランクオーバーよりもだ。』
「そのThe シリーズに俺が入ってるのか。そのThe シリーズどうしでの話し合いがあるらしいが良いのか?」
『国どうし…ということか?…本当は国的には許せることではないんだが…強すぎるがためにすべての戦力を捧げて戦うと勝てるかもしれんがなんせ犠牲が山のようにできるからな。縛れないんだ。』
「はは…マジかよ。そんなやつらが6人か。行きたくねえな。」
『言っておくが勝士も入っているからな。…ん?ああ。分かった。すまんな勝士。用事ができた。検討を祈る。』
ブチッという音をたて、通話が切れた。どうやら化け物の集まりに参加しなければならないらしい。
「…用意するか。皆にも言わねえとな。」
EEB の大広場で電話していたので取り敢えずゼダンにいくことにした。
………………
………………
「と、言うわけで、明日からイギリス行くんでよろしく。」
「行ってらーお土産よろしくー」
「おーう」
「分かった。」
「いや、何で?とかないの?」
「はあ?イギリスに行くんだろ?」
「ああ。」
「気を付けてな。」
「いや、返事とかじゃなくて、理由とか…ああ、お前らに普通を要求しても意味ないか。」
「いやいや、何も聞かないのが普通だろ。」
「あっちの世界では…いや、何でもない。」
「そういやさ、勝士って異世界から来たんだっけ?どうだった?ゲームある?」
「もちろんあったぜ。神ゲーがいっぱいな。そんで、向こうは国の数がヤバかった。194ヵ国もあったからな。ロシアが領土的には一番でかかった。軍事的にはアメリカだったけど。」
「そうなのか。ここでは事実上各国平等だからな。あ、勝士って友達いたのか?」
「果てしなく失礼な質問だが、一人だけ、親友というのがいたな。まあ友達はそこそこいた方だとは思うけど。」
「名前、聞いていいか?」
「は?別にアイツ死んだわけじゃねえしいいけど、名前は東山 魚雲。変な名前だろ。この名前に惹かれて話しかけたらすんげえ面白かったんだ。たぶん8年ぐらい一緒にいたかな。」
「長いねー。寂しくはないの?」
「そうだな…ま、なんかまた会いそうな感じするし、寂しくないな。」
「ほお。では────」
そこから、三人の果てしない質問の雨に精神的にも肉体的にも疲れた俺はそのまま寝てしまった。
…………………
…………………
『プルルル、プルルル、プルルル』
携帯が…鳴ってるな。誰だよ…取り敢えず取るか。
「はーい。勝士ですけど。」
『おいこら勝士。もう8時だぞ。』
「は?まだあさの5時…え?」
『まさか…時差を考えてなかったのか?』
「今すぐ行く!」
俺はそのままあらかじめ用意しておいた荷物を持って全力で走り出した。
……………………
……………………
「ハァッ…ハァッ…オェ…。考えたらEEB にジェット機あんじゃん…。空港行っても予約してないから無理だおとかキモいやつに言われたし…クソッ。」
全力で8キロほどを往復し、吐きそうになりながらEEB の中に入った。取り敢えず義美を探すことにしたが、やけにバタバタしている。
「あ、なあなあ。義美知らねえか?」
「え?…ヒィッ!The …breaker …!」
OLみたいな人に話しかけたら凄くびびられたな。なんか傷付く
「驚かせたか?取り敢えず義美どこにいるか知ってる?」
「すみません…義美様は今おられません。私に言ってくれれば…」
「そっか。ジェット機出して。イギリス行きな。」
「あ、はい。分かりました。トウさんが運転しますね。」
そこからは早かった。この世界はやはり、元いた世界とは科学技術が違い過ぎた。日本からイギリスの空港まで1時半くらいしかかからなかった。そこから、指定されたビル、Tiramisuに向かった。
…………………
…………………
「あっ…ボス!」
Tiramisu につくと、入口の前にボスが待っててくれていた。空港から片道10分ぐらいだったのだが、外国の慣れない雰囲気に攻撃されていたので、知り合いを見つけた喜びで胸が熱くなってしまった。
「遅すぎるぞ。勝士。だが中国とドイツも来ていない状況だ。そんなに緊張しなくていいぞ。さあ、こっちだ。」
ボスがそういうと、入口の重厚な扉がひらき、中が見えた。だが、人が、誰一人いない。至るところに綺麗な装飾品が施され、テーブルやソファー、テレビもあるな。バランスよく並べられているが、人が…いない。
「人がいないのが不思議か。これが、The シリーズの影響力だ。ここはイギリスはもちろん、世界にも一目おかれているほどの5つ星ホテル。それがこの様だ。すぐに会えるぞ。3階の大広間だ。」
そこからは無言だった。こんなにも影響力のある、力のあるものたちの集い。自分が行っていいのか。まず釣り合うのか。怖い。つか帰りたい。などなどの負の感情が押し寄せてくる。
「着いたぞ。」
もう…か。大丈夫か?俺。
デカイ扉が開くと、そこにはいかにも高そうな椅子に座っている4人の男達がいた。
「ん?やあ。The breaker。随分遅かったね。初対面で3時間遅れとは日本人じゃないみたいだ。」
「遅れてすまなかった。」
「ふぅ、やっとまともそうな人が来たな…。遅れてきたことを気にする必要はない。俺なんかより断然出来た人間だ。初めまして。俺はフランスのThe シリーズ、The tornado 。よろしく。」
「挨拶しておきましょうか。私はアメリカのThe シリーズ、The fire です。以後、お見知りおきを。」
「僕はイギリスのThe シリーズ、The thunder 。The breaker か…強そうだね。」
「あらためて。僕はロシアのThe シリーズ、The absolute zero 。よろしくね。」
「俺は日本のThe シリーズ、The breaker だ。よろしく。それで…ドイツと中国は…」
「いつもの事ですよ。あのお二人は特殊でして、光と闇なんですよ。遅れてくるか、来ないか。今回はどっちですかね。」
「あの二人は問題児だよ。気性も荒いし。すぐ殺すって言うし。ま、生まれが酷いもんね。仕方ないよね。」
「あ、来た。これは…中国かな。早っ…もうそこまで」
バン!と大きい音を立て、扉が開いた。開けたであろうそこにたつ人物は、身長190センチメートル程はある体と、長い髪。くくってあるな。あ…右手を上げた。
「久しぶりだな、お前ら。お、お前がThe breaker か。闘え。」
「降参します。」
「なめてんのか。闘え。拒否権は無い。」
「わかったよ…」
「よし…いくぞ!」
「降参します。」
目の前まで迫った中国のThe シリーズは俺の言葉を聞いてピタリと止まった。
「死ね。」
あ、拳が、目の前に…
「手応えが…あんまねえな」
殴られた。鼻血が止まらねえ。強いな…たぶん、炎羅より。だが、殴られたんだ。黙ってるわけにはいかねえ。
「お、やっぱ起きるか。本気で殴ったが…肉体は断然お前の方が強いな。ま、超能力使えばこっちのもんだ。」
ズズズズと、気持ちの悪い、気味が悪い、蟲のようなものが足に這ってきた感触。ゾゾゾと鳥肌全身にたち、危険を察知し元いた場所から離れると、足場が黒く、どす黒く浸食されていた。
「これは…」
「The darkness…俺はこの力で中国のマフィアどもを壊滅の危機まで追い込んだ。真意は勿論闇。全く日が射さねえ暗黒へと引きずり込んでやる。ははは。」
「なんとも悪役くせえ台詞だなおい。足下、見ろよ。」
「あ?」
中国のThe シリーズが足下を見た瞬間、床が抜け、そのまま下の階へと落ちていった。
「土産だ。」
落ちた場所に天井を崩してそのまま岩雪崩れのようにして落とした。死んではいないだろう。というか、死なれたら困るし、死ぬわけがない。だって
「オラ!」
後ろにいた中国のThe シリーズを裏拳の要領で殴り付けた。手応えは上々。鼻、折れたかもな。
「イッテェ…クソッ…溶かす…!」
「やっ…やめろ!ここ全部腐らせる気か!」
「腐らせる?…どうゆうことだ?」
「こうゆうことだよThe breaker!」
そう叫ぶと中国のThe シリーズの周りがどんどん軟らかく?なってゆき、紫とか黒とか、腐ってる。しかも臭い。マジでもげる。止めさせるか。
「危なそうだから眠ってろよ。」
"破壊"を纏った腕で中国のTheシリーズを殴ろうとした。だが、違和感。これはなんだ。なんなんだ。これは…闇か。
「あ…」
「素人が。」
殴られ────────
「おいおいまぁた、お遊びか?」
ない?
「ぐっはぁ!」
中国のTheシリーズの苦痛のうめき声が聞こえる。助けた?俺を?いや…そんなはずは…
「おい、起きろよ新入り。」
「あ、ああ。ありがと。」
手をさしのべてきたので素直に甘えたが、なんか怖いな。
「気軽にさわってんじゃねえよ。」
「うっ!?」
横腹をっ!蹴られた…!なんなんだあいつは…
「いつ来たんだい、The Saint 。」
「あー?おいおいthunder がわかるだろ?」
「ごめん…闘いに夢中になってたんだ。」
「声ちっせえよかす。にしても、日本の超能力者はホントにくそばっかだなおい。あと中国も。ゴミだなぁ。へっへへへ。おら、息してっか?かすどもよぉ。…あ?」
「「調子に乗んな。」」
中国のThe シリーズと被ったが、新しいヤツだ。ドイツだろう。ドイツのThe シリーズの顔を殴り付けた。
「いってえ…なあ!」
「来いよ。おら、かすドイツ。」
「てめぇは引っ込んでろ。俺がやる。」
3人の間で其々の"力"が渦巻く。
「はぁ…いい加減にしないか、君達。」
急に、俺の周りが分厚い氷の壁で塞がれた。これは…ロシアか。なんかさぶくて頭冷えたな。
「頭が冷えた?これで冷えなかったら全身氷付けだけどね。」
「あ、ああ。…大丈夫だ。」
そう言うと周りにあった氷の壁は急速に溶けた。
「良かった。あの二人は気絶させないと止まらないしね。君は優秀だよ。
ま、あの二人は生まれが悪いからね。特にThe saintなんか社会に必要な物をなに一つ持ってないよ。」
「そうなのか。てか、気絶のさせかたエグいな。死ぬんじゃねえか?」
「ふふ。The シリーズだよ?死ぬわけがないよ。あの程度で。The シリーズの特徴のひとつが内蔵の強さだよ。たぶん常人の3倍は強いはず。」
「確かに…。何度かトラックに轢かれたけど内蔵に異常は1回もなかったな。
後、身体能力だよな?」
「うん。The breakerは身体能力についてはこの中で2位だね。1位はThe saint だよ。あんな小柄でね。
しかも超能力の方も異常だよ。
まるで人をころすためだけの能力。超能力名に対して悪魔だよ。」
「もう会いたくないな。」
「無理だね。The シリーズ同士は惹かれ合う。凄いよ。運命ってやつなんだ。僕達は家族なんだ。」
「家族…ねえ。ははっ。家族か。いい響きだ。にしても腹減ったな。」
「そうだね。本当は食事会だったからね。たくさんあるよ。料理。コックだけは残ってるから、出来立てで食べれるよ。」
「ならいただくわ。皆は?」
「Saint とDarknessは寝てるから俺達だけで食べよ。すぐに起きるさ。」
「そうですね。私もお腹がすきましたし。」
「それじゃ、頼むね。皆コースで良いよね?お酒飲む人は…皆飲むよね。」
「お、サンキュ。俺めちゃくちゃ飲むから。」
「The breaker は大酒飲みか。飲みくらべしようぜ。日本人って酒強いっけ?」
「私はあまり強くないと聞きましたが…あ、来ましたね。これはコニャックですか。The breaker 。注ぎましょう。」
「サンキュ。コニャックか…初めて飲むな。…うん。微妙。うまくも不味くもない。やっぱ焼酎だな。ある?」
「あるぜ。うおっと!なんだ!?」
いきなりThe tornadoの目の前を皿が横切った。
「俺の分はどうしたーーー!」
雄叫び。The darkness だ。目が覚めたらしい。
「あるだろうが!ちゃんと見ろ!」
「あるんだったら俺の前においとけっ!」
「地面に這いつくばってるお前の前にか?」
「…殺す。」
「まぁまぁ、darkness 。ちょっと黙ろうか。ヒヒッ。勿論俺の分はあるよな?」
「席空いてるから座りなよ。二人とも。」
「ここの飯めちゃくちゃうめえぞ。」
「お前新入りのくせに俺より先に食ってんじゃねえよ。」
俺に悪態つきながら空いてる席に二人が座った。
これで、全員席についた。なら、あれだな。
「じゃ、乾杯しようぜ。」
と、提案した。浅はかか?いや、良いだろう。家族なんだしな。
「良いね。The breaker、見所あるぜ。ま、カスだがよ。」
「はっ。うっせえよかすドイツ。それじゃ、乾杯!」
「「「「「カンパーイ!」」」」」
そこからは、あまり覚えていない。とりあえず、酒飲みまくって、はしゃぎまくったのだけは記憶にある。
楽しかった。新しい友人が出来た感じで、しかも、“家族”らしい。また、やすらげる場を見つけた。
良かった──────
『プルルルルルルルプルルルルルルルプルルルルルルル』
「うるさい!…うえっ…飲みすぎたか。つか、誰だよ…。コウか…ちっ。もしもし?」
「勝士!緊急事態だ!ボスが…殺されかけた!犯人はわかんねえ。だが、かなりやり手だ。ちょうどギリギリ死なねえっていう傷だった。やべえぞ。こっちに帰ってくる途中、気を付けろ。」
ブチ、と電話が切れる音がした。ボスが死にかけるなんてな…。
「なんだ…これ。」
朝日が射してる。ということは夜は明けたようだ。
昨日The シリーズの会談が行われた会場は、無惨にもぼろぼろになっていて、明らかに争った形跡。
窓ガラスに銃弾の跡。
「他の奴等は…。心配ねえか。強いし。
なら、用もねえし日本に帰るか。」
と言って窓ガラスから飛び降りた。
下には人だかりができてる。こっちを見てんのか?
いや…違っ
「見つけたぜ。The breaker 。よく生きてたな。
ま、死ねよ。」
「炎…羅!」
空中で横からタックル…肋骨何本かイッたな。
「豪炎」
地面に着地。その瞬間、俺の目の前が爆ぜた。
「ぐあっ!」
そのまま吹っ飛んだ。体制を整え…
「炎迅」
「終焉っ…!」
高速で放たれた炎の矢。破壊を纏いつつ、逃げる。
今闘える状態じゃない。
「逃がすとでも思うのかよ?炎陣!」
俺から5メートル前に、分厚い炎の壁。いや、前だけじゃねえ。囲まれてる。
「ふぅ、何で生きてんだよ。ゴキブリか?ランクオーバー。」
「ふぅ、何で空とんでんだよ。ゴキブリか?ランクS。」
「質問に質問で返すやつがあるかよかす。
つか、空も翔べねえのか。
相変わらず、能力の真意をミジンコ程も理解してねえな。」
「The darkness も言ってたな。真意って何だよ。」
「説明すんのがムズいんだよ。
まあ強いていうなら…生まれてきた意味か。」
「へえ。なら、お前の真意は何だよ。」
「俺以外の人類を燃えカスにすることだ。」
「真面目な話だ。」
「お前ホント何様だよ。
俺の真意は日常生活におけるなかなかに必要なもんだ。生憎、俺には無いがな。」
「意味がわかんねえわ。にしても、お前って俺のこと殺す気無いだろ。」
「ああ。ハンドは日本を守るために組織されたんだ。お前を殺す理由なんかねえよ。
推測だが、試したかったんじゃねえか?
トップ共がよ。」
「なら、EEB をあんだけ派手にぶっ壊さなくても良かったんじゃね。」
「……あれな、テロリストが来てたんだよ。」
「ホントかよ。いや、絶対嘘だろ。揚がっちまったんじゃねえのか?」
「なんでわかんだよ。登場シーンは大事だろ?派手にやんねえと気がすまねえ質でな。」
「そうかよ。つかよ、殺す気無いならなんで来たんだよ。」
「お前の護衛だ。」
「ついさっき誰かさんに殺されかけたんだがな。」
「まあそう言うなよ。他のThe シリーズも狙われた様だな。」
「あんな化け物共狙ってどうすんだよ。とりあえず寝たい。二日酔いなんだよ。」
「知るかよそんなこと。ま、俺も眠いし帰るか。
っていうと攻撃されんのがオチなんだよな。」
「だな。」
上から岩石。
嬉しくねえよ、ホント。
「俺逃げるわ。殺しとけよ。」
「俺任せかよ!燃えカスにしろよ!」
破壊を纏いながら逃げる。
どこから攻撃されてるのかが分からないので、とりあえず逃げる。
「どこにいるかわかるか?」
「上見とけ。」
岩石しかねえ。
だが、妙だ。いきなり空中に現れる。
「テレポートか?」
「だろうな。らちがあかねえし、死んだふりするか。俺出来ねえけどよ、お前できんだろ。」
「いや、無茶ぶりすぎだろ。出来るけど。」
「じゃあやれよ。」
やり方は簡単だ。岩石に潰された様に見せる。
岩石に自分が入れる位の穴を開ける。
そのまま岩石が落ちたら、俺が潰された様に見える。完璧だ。
「上手くやれよ。」
そういって炎羅は自分だけ炎を噴射させて飛んでいってしまった。
「全く。やるか。」
ドスンッ!地響きがなる。
回りが一気に暗くなる。どうやら成功したようだ。
さて、来てくれるかな。
「あれぇー…意外とあっさり…。
殺すなって言われてたのにな…。ま、死体回収したらいっか。」
テレポート、するのか。
岩石をどける瞬間、それがチャンスだ。
「よいしょ。」
ん?…よいしょ?
フッ。
「わざわざありがと。」
「え?」
メキ。鼻の折れる感覚。結構飛んだな。
「さて、誰の差し金だこら。
ちょっとでも動いてみろ。首、消えるぞ。」
「鼻が…鼻が…うぅ…」
「喋ることも許さねえ。動くな。」
「お、捕らえたか。…もしもし、妃弧。捕らえた。
20代前半だな。…分かった。ゼフだな。
…おら、お前。名前はゼフか。」
「答えないと鼻なくなんぞ。」
ブンブンブンブンとちぎれそうなぐらい首をふる。
ゼフか。名前と顔が全然合ってねえな
「名前と顔が全然合ってねえな。お前。」
同じ事考えてたよ。気持ち悪。
「The breaker。こいつの超能力の発動条件はわかるか。」
「かすかだが…よいしょって聞こえた。
もしかしたらよいしょって…」
「よいしょ。」
フッ。
「「あ。」」
…ガムテープ無かったもんな。仕方無いよな。
「あ、もしもし、妃弧。すまん、逃がした。…いや、ホントすまん。でもよ、いい情報ゲットしたぜ。
能力の発動条件はよいしょ。って言ったらテレポート出来る。……ああ。分かった。」
「どうするよ。」
「とりあえず日本に戻るか。」
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………………………………
「イギリスはどうだった、勝士。」
日本の空港に着き、昼飯に弁当を買っていると、後ろから聞きなれた声がした。
我らがチームゼロのリーダーの声…
「ボス!?え!?」
「コウが何かしら言ったようだな。
あの世話焼きの事は信じなくて良いぞ。」
俺はその言葉で全て悟った。
「注意させるためにあんな嘘ついたのかよ。
マジでただの世話焼きだな。
あんなカス注意しなくても勝てるっつーの。」
「誰がカスだよ。燃やすぞこら。」
「喧嘩はよせ。で、勝士。どうだった。」
「んー…なんというか、凄いにつきるな。
違うんだよ。何かが。普通じゃなかった。」
「俺もそう思うよ。」