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敗北

「全員逃げろ!死ぬぞ!」


ジンがEEB で働いている職員たちに呼び掛けている。今、EEB は燃えている。それは全て…おれのせいだ。こんなことになったのは今から2時間前


……………



「たっだいまー!もう工事終わった?」


「まだあと1時間半ぐらいだが。」


「えー、マジかー。コウ、速攻で終わらしてよ。」


「終わったあと俺死んじまうだろうが。」


「待て、勝士、隣にいる女は誰だ。」


「妃弧…いや、この子ランクオーバなんだ。で、命を狙われてるわけ。」


「誰にだ?」


「アメリカだ。」


そういった瞬間、ボス、コウがそれぞれ能力を使い、ボスは妃弧をパイロキネシスで持ち上げ、コウは一瞬でデザートイーグルを創り、それを妃弧に向けた。


「勝士、そいつはスパイだ。」


「…根拠は?」


「実はだな、今、アメリカと日本は影である協定を結んだ。その内容は互いの国に侵入せず 、全く関わらない事だ。分かるか?日本にアメリカ人がいること事態が不可解なんだ。」


「そうか。やっぱりな。」


「やはり勝士もおかしいとおもっていたか。」


「ああ。彼女がい言うに、 能力はperfect guard だ。なら、アメリカの特殊部隊なんて苦にならねえはずだ。しかも、彼女はすぐに、俺がthe breakerだと分かった。怪しすぎる。」


「へぇ、あんたたち、結構賢いじゃない。特に勝士。あなたは怖いわ。いずれ、近いうちに私達の敵になる。だから…ここで死んで。」


するといきなり、ボスのパイロキネシスがきれたのか、妃弧が地面に着地した。その瞬間コウが足を狙って妃弧にDE を撃った。だが、ランクオーバーの超能力、perfect guard で防がれる。


「炎羅!」


妃弧がそう叫ぶと、ゼダンの上にあるEEB からとんでもなく大きい爆発音が聞こえた。


「じゃ、死んでもらうわよ。コウ!」


ゼロのメンバーはポカンとした。そして同時に思った。


((((勝士(俺)が狙いじゃないのか!?))))


だがそんなことを考えている暇はない。即刻銃弾を防げる超能力の持ち主の俺とボスが動き、コウの前に立ちふさがった。それを詠んでいたのか、銃口をコウからジンに一瞬で合わせた。


「なに!?」


「まず一人!」


そう言い、撃った。


「ランクオーバー、なめてんの?」


ダァン!と大きい音が聞こえた。そしてそのまま撃った場所の向こう側からカン!という乾いた音が聞こえた。


「えっ…!?」


妃弧は相当驚いている様だ。口があんぐりしている。


「なんでそんなに驚いてんの?銃弾ぐらいよけれるよ。ま、女の子だけど、気絶しといて。」


3メートル程離れていた場所から本当に、本当に一瞬で妃弧に近付き、鳩尾を殴った。


「カハッ…」


気絶したのか、そのまま倒れ、動かなくなった。


「ナイスだ、ジン。でも何でperfect guard発動しなかったんだ?」


「どうやら生物からの直接攻撃は効くらしいな。だがそれ以外の攻撃すべて絶対に、そして永遠に防げるらしい。欠点が格闘だから、格闘系をひたすら極めたらしい。流石にジンには勝てないが。」


「あのさ、ボス。俺怖えよ。何でそこまで知ってんの?ビックリするよ。」


「仕方ないだろ。情報収集が俺の役目だ。」


「ま、良いけど。とりあえず上いった方がよくね?多分火事になってるぜ?」


「いや、上には誠也いる。大丈夫なはず…」


ボスがいい終える前に、ゼダンからEEB に繋がるエレベーターの扉が爆発し、中から爆炎があふれでてきた。


「ははっ。負けたらしいな。」


「こりゃ、死刑だな!ちょっと殺してくる!」


「待て!ジン!敵は…!」


爆炎の中から人影が見えたと思うと、走っていったジンが吹っ飛ばされた。


「いってぇ…なんだぁ…?」


すごい勢いで吹っ飛ばされたので、身体強化をしていなかった体が痛むのか、相当顔が歪んでいる。


「ランクオーバーってのは、なにもランクS強い訳じゃあねえ。詳しくは計れねぇんだ。つまり、ランクS のトップクラスに君臨する俺は…お前らより強え。」


「あえて聞くぜ…お前は誰だ?」


「俺は【ハンド】のリーダー、梶神奈(かしかな) 炎羅(えんら)。EEB を壊しに来た…The 悪人だ。」


「そうか。さっきお前は俺達より強えと言ったな。いいぜ。勝負だ。お前ら、上いってろ。ここは俺がやる。」


「勝士にしては珍しいな。わかった。お前たちら行くぞ。」


そうして俺以外のゼロのメンバーはエレベーターから各能力を使い、上に行った。


「良かったのか?普通に行かして。」


「ああ。俺達の目的はお前の殺害だ。妃弧は失敗したようだが。」


「なるほどな。じゃ、始めようか。」


俺は炎羅に向け、走り出した。すると下に大きな影が見えた。俺を10人ぐらい一気に飲み込めれるような大きさだ。俺は本気で地面を蹴り、横にジャンプした。


「ほお、外したか。」


するとさっきまで俺がいた場所はどでかい火炎に包まれ、コンクリートが焦げ付き、小さなクレーターができていた。


「嘗めんな。死ね。」


そのまま一瞬で炎羅に近づき腹を殴ろうとしたが、炎羅が、拳がいく場所に肘を置いた。そのままおもっきり肘を殴り付けてしまった。もう死ぬほどいたい。


「格闘なら勝てるとでも?バーカ。お前は能力を使わねえと俺とは勝負にもならねぇよ。」


「はぁ…強いやつは苦手だ。…殺さねぇといけねぇからな。消え失せろ。」



破壊の波動。俺はそうよんでいる。すべてを破壊する力の波動だ。波動は蜃気楼のようになっていて見えにくいしとてつもなく早い。炎羅は死んだだろう。


「その程度か。【炎断】」


炎羅がそう言うと炎羅の少し前の地面からマグマのように焔が吹き出し、破壊の波動を防いだ。


「ランクSのトップってのは伊達じゃねえらしい。これを防がれたのはボス以来だ。」


「何様だ?なんだよ、その自信に満ち溢れている顔は。…ムカつくな。死ね。【豪炎】」


先程の上から落ちてきた焔だろうか。それが5つほど形成され高速で向かってきた。


「無駄」


同じように破壊の力を形成し、5つにあてる。すると跡形もなく焔は消えてなくなった。


「はぁ、らちがあかねえ。終わらせる。【炎帝】」


「破滅を導け。」


馬鹿みたいにデカイ焔と最大出力の破壊の波動がぶつかる。【炎帝】と言われたものを急速に破壊していくが、でかすぎる。これは…間に合わない。だが


「【終焉】」


最近練習していた破壊の力を具現化し放つ技。コントロールが死ぬほど難しいがなんとかうまくいったようだ。


そのまま【炎帝】を突き破り、炎羅に【終焉】が向かっていった。

俺の勝ちだ。


「スキだらけだ。そんなんじゃ、一生俺には勝てねぇよ。ま、終わりだ。」


後ろが熱い。迫って来てるのだろう。

負けたのか。皆に申し訳が立たない。そんな思いが渦巻いたまま、俺はそのまま意識を手放した。



…………………



「…さし………まさ…」


なんか…聞こえんな。なんだこれ。死ぬほど眠い。でも起きねえと。呼んでる。俺を。誰かが!あのときみたいなのはもうっ…


「勝士!」


「はいっ!」


「なんだ?変な声だして。とりあえず起きろ。お前が負けるなんてな。【ハンド】か…。目的はなんだ?」


大きな声で呼ばれ飛び起きると目の前にコウがいた。そしてなにかブツブツ言ってる。


「コウ、状況は?察するに俺はボコボコにされたらしいが。」


「ああ。何故か帰った。だが大打撃を受けた。EEB が4割破壊されたからな。これは義美がぶちギレるぞ。」


「今回の件は俺がすべて悪い。死刑でも文句は言わねえよ。」


「お前を殺すわけねえだろ。お前にはキッチリ働いて貰うからな。」


「ははっ…手厳しいな。」



「おい勝士大丈夫か?」


するとボスが喋りかけてきた。怒っている様子もなく、心配しているようだ。


「ああ。なあボス、俺は」


「今回の件は俺達にも非がある。全員で殺れば良かったんだ。俺達がお前にすべて押し付けたんだ。自分を責めることはない。」


「……有り難う。」


ボスが言っていることは間違いない。だが、何故か自分が腹立たしい。悔しいんだ。それに負けたのは俺だ。俺が負けなければ…いや、せっかくボスたちが背負ってくれたんだ。このくらい持ち上げて前に進まねえと。置いてかれちまう。



「することあるか?」


「やることはひとつだ。瓦礫のやまを片付けるぞ。」

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