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新生ゼロの初任務

「ここが俺達のアジト、ゼダンか。」


ここは東京都の主要地域、北地区。日本の技術が集中し、他の地方の約6倍ほど科学技術が発達し、金が集まり食も集まる場所。もちろん高層ビルが無数に建ち並ぶ。そのなかで一際目立つビル、エンシェントイージスビルは国を守るために必要な事を全てこなしているビルだ。

そこの地下に、このゼダンは存在する。


「それにしても大きいですね…テニスコート2個分ぐらいあるんじゃないですか?」


「あるだろうな。ではまず、各自必要なものをここに書いてくれ。」


「なんでもいいのか!?」


「ああ。国が支給してくれる。好きなのを書け。ただし、任務に支障の出る事は止めてくれよ。」


「じゃあ、トレーニングルーム。それだけでいいわ。後自分の部屋。」


「勝士はそれだけで良いのか?ならばいいが。」


「じゃあ俺はゲーム部屋と漫画部屋と岩盤浴とでっかい風呂!」


「ゲーム機とか漫画は自分で買ってくれよ。そこまで国の税金を使う訳にはいかないからな。」


「りょうかーい!」


「私は研究室だな。それだけでいい。」


「わかった。後は…コウはどうする?」


「ふんっ…別に特に要らねえよ。強いて言うなら鉄2トンとプラスチック100キロとガラス10キロでいい。」


「まだ怒っているのか…わかった。では、これで決定だな。連絡してくる。」



そういいボスはゼダンから上に向かいエレベーターに乗って行った。


「いやー、ラッキーだな。」


「ゲームも漫画もオッケーなんて最高だ!」


「私もこれで心置きなく研究に専念できる。」


「オイコラてめぇら。俺はまだ一度もてめぇらから謝罪の言葉を聞いてねぇんだが。」


「は?謝る必要あるか?」


「コウがあそこにいたのが悪いんじゃん。」


「私は関係ない。」


「いい加減にしろくそ野郎共!まず勝士!俺を迎えに行くとかできねぇのか!?残念だがお前の危機を救ったんだからな!貸し借りなしだごらぁ!」


「あーもう!唾汚い!なんで俺が迎えにいくんだよ!意味わからん!つか走れよ!頑張れよ!諦めんなよ!」


「俺はてめぇらみたいに馬鹿げた能力じゃねえんだよ!800メートルあんな一瞬で行ける分けねぇだろ!つかジン!お前はちょっとはチームで行動すると言うことがわかんねぇか!?頭に何がつまってんだ!」


「俺も!?別にいいじゃん!仕事したんだし。」


「つか遅い!一番最初に飛び出してなんで終盤にやっと着いた?」


「……まよった」


「てめぇは幼稚園児か!意味わかんねぇよ!あと、君長誠也!お前が一番悪い!」


「なに!?私はただ国に従っただけだ!」


「なんで最重要指名手配犯のお前が国に従ってんだよ!」


「逃げることに飽きて出頭したら国のために働けなどと言われたのだ。私は知らん!」


「それこそ知るかぁぁぁぁ!」



このあとも、コウの意味のわからない説教(?)に1時間半ほど付き合わされ、アジトの工事が始まる頃には説教された3人はくたくただった。


「3人ともどうしたんだ?顔が青いようだが…」


「自業自得だ。」


「コウの説教か…。まあいい。仕事が入った。」


「殺しか!?」


今までぐったりしていたジンが急にその依頼に食いついた。


「残念だが違う。今回は特例中の特例、捕獲依頼だ。」


「それ俺らがやる必要あるか?」


「ああ。特例と言っただろ?対象がドラゴンだからな。」


「「「ドラゴン(だと)!?」」」


「ん?どうした、勝士。」


「まさか…そのドラゴンって赤くてちっちゃい火をはくドラゴンか…?」


「よくわかったな。まさにその通りだ。」


「そのドラゴン昨日見た。」


「それは本当か?」


「ああ。うちのベランダでゴソゴソしてた。」


「そうか…まあいい。とりあえず、初ミッションだ。気合い入れていけよ。」


「「「「了解!」」」」


そうして、俺達新生ゼロの初ミッションが始まった。


「では俺は情報収集するから、活動組は行ってこい。」


「私も残ろう。正直役に立てる自信がない。情報収集を手伝うとする。」


「わかった。じゃあ俺とジンとボスで探すから、出来るだけ早く頼む。」


そして活動組はビルから出て、俺は西西地区から西地区。ジンは南南地区から南地区。ボスは北北地区から北地区だ。


「じゃ、とりあえず西地区行ってくるわ。」


「ああ。大丈夫だとは思うが相手は狂暴だ。気を付けてな。」


「へいへーい。」


ドッと地面のコンクリートをえぐって俺は西地区に向かった。



…………


「きゃああああ!ドラゴンよぉっ!」


西地区につくと西地区有数のデパート、パーピース

が見えた。そしてパーピースの横で目標のドラゴンが暴れていた。昨日会ったときとは桁違いに大きくなっており、今では身長175の俺が結構見上げないと頭が見えないぐらいに巨大化していた。


「もしもしボス?目標見つけた。」


『なに!?まだ5分しか経ってないぞ?』


「取り敢えず見つけたからこっち来てくれ。俺の能力じゃ殺しちまう。」


『わかった。ジンにも伝えておく。』


「さて、軽く足止めさせてもらうぞドラゴン!」


携帯をポケットにしまい、俺は戦闘体制に入った。

すると俺の存在に気付き、なにか悩んでいる様子だ。


「グガ…?…ガアッ!グアアアア!!」


多分俺を思い出したのだろう。あの時ご飯をくれなかったからか、ドラゴンはさらに怒り始め、俺に突進してきた。


「ハアッ!」


俺はドラゴンの突進を真正面から受け止めた。だが流石ドラゴン。力が強すぎて止めるのに地面を8メートル程削りまくってやっと止まった。だが


「グルルル…ゴアアアア!」


炎をはいてきた。それは科学技術が大きく発達した日本が開発する火炎放射機さながらである。

だが俺は冷静にその炎を破壊していく。


「ゴアっ!?」


何故焼けないと言わんばかりに首をかしげるドラゴン。そのすきにドラゴンの顔面下までジャンプし、おもっきりドラゴンの顔を蹴りあげた。

はずだったが、ドラゴンはぶっ飛ばない。本気で蹴った。普通の人間が食らったら頭が無くなる程強く。そんな感じに考えると、裏拳の要領で尻尾を俺の脇腹に叩きつけた。


「がっ…はあ!」


そのまま高硬ビルに背中からぶちあたり、めり込んだ。肺の空気が抜け、咳き込む。骨が折れていないだけましだった。


「グアアアア!!」


チャンスと思ったのかドラゴンが口のなかに炎を溜め始めた。そして充分に溜め込んだのか体を反り、さあ今から炎をはきますよと言わんばかりの体制になったその瞬間


「うるさいぞ、トカゲモドキ。」


なにかの力で強制的に口を閉ざされ、口内で爆発したのか、ドラゴンの頬が急に膨らんだ。そして口が開かれ、まだ残っていたのかなんなのかまた大きな爆発が起こり、ドラゴンは倒れた。辺りは砂ぼこりにつつまれた。


「ゴバハァッ!グアアアア!」


人間で言うとあっつあつのおでんを口のなかに3個ぐらい入れられ口を閉ざされ吐き出すことも出来ない地獄を味わっている感じだろう。こんな鬼畜なことが出来るのは、まぁボスしかいない。


「能力が使えないといってもとんでもない身体能力があるんだ。避けろ。」


ガラガラとおとをたててめり込んだ体を無理やり引き剥がし、地面に着地した。


「急に来たんだよ。つかコイツ強いな。」


「だから言っただろう。油断するなと。まぁいい。目標たっせ…避けろ!」


「え?」


すると砂ぼこりを払いながら灼熱の火炎がこちらに向かってきた。だが恐れることはなかった。


「効くかよ。消し飛ばせ。」


俺がそういうと俺の中から火炎に向かって衝撃波のようなものが出てきて火炎にぶつかると、火炎がだんだん消えていき、さらには消えて無くなった。


「まさか…熱量や火炎なども破壊出来るとは…本当に反則的な能力だな。」


「まあな。だが、まだ目標は達成されてねえぞ。」


「ああ。来るぞ!」



「おらああああ!」


するとどこからか気合いのはいった声が聞こえると、ドラゴンは蹴り飛ばされ、2、300メートル程ぶっ飛び、高硬ビルに頭をぶつけ、動かなくなった。


「おせえよ、ジン。」


「知ってるか?ヒーローは遅れてやってくるもんなんだぜ?」


「いやただ迷ってただけだろ。」


「二人とも、ドラゴン回収してとっとと帰るぞ。」


「「了解」」


そして、ジンの驚異的な身体強化でドラゴンを担ぎ、俺達はエンシェントイージスビルに戻った。



……………





「おーい、義美ー。ドラゴン捕まえて来たそわー。」


俺達は20分かけ、エンシェントイージスビルに戻って来た。そして国防軍最高責任者、正中 義美に任務完了の報告に来ていた。


「おい最上勝士。貴様はいつになったら私に敬語を使うんだ。私はエンシェントイージスビル、EEB の最高責任者だぞ?」


現れたのはとても美人な女性で、浴衣を来て、髪をポニーテールにしている。


「もうそれ100回ぐらい聞いたから。そんなことよりドラゴン捕まえたんだけど。」


「ほう…その今ジンが担いでいるものがか。なんとも巨大だな。よし、証拠も見たし報酬を振り込んでおく。」


「ここに置いといていいか?」


「ああ、かまわん。」


ドスン!と重いおとをたて、ジンがドラゴンを地面に置いた。


「やっべー、重たかったー。じゃ、帰ろうぜー。ゲームしたい。」


「そうだな。また何かあったら呼んでくれ。」


「ああ。またドラゴンが暴れた時は貴様らに任せるとしよう。」


「いやいや、義美一人でどうにかなるだろ。」


「あ?何故私がそんなめんどくさいことをしなければならんのだ。いいからさっさと行け。」


「へいへーい。じゃあなー。」


そう言って俺達はゼダンに帰った。


「……もう少し私を女扱いしてほしいものだ。」


……………




「あー終わった終わった。」


「早かったな。俺達意味無かったな。探しまくっても目撃情報無しだったし。」


「あのあと8分ぐらいで見つけたからな」


「それで1時間って事は相手強かったのか?」


「まあまあだった。俺脇腹に一発食らったし。」


「なるほど…勝士君に一発当てるとは…それを見せてもらえるか?」


「多分義美に言ったら見せてくれるだろ。」


「ふふふ…いいサンプルが手に入る…私は少し外に出てくるよ」


そう言って誠也は早足でゼダンからEEBに向かった。


「なんだあいつ気持ち悪っ」


「あいつにとって研究は命なのだろう。では皆、今からここを工事するから外に出てくれ。3時間ぐらい。」


「3時間もっ!?何をするんだ!?」


「お前たちのへやを作るんだ。分かったら出ていけ。それともコウが創ってくれるのか?そっちのほうが助かるが…」


「こんなでかいところ一からはきつすぎるな…分かった。じゃ、俺達はどっかで時間でも潰しておく。」


「ああ。またあとでな」


「おう。」


そうして俺、コウ、ジンは外のどっかで時間を潰すことになった。


「とりあえずゲーセン来たけどさ、どうすんの?」


EEB から200メートル程の北地区一番のゲームセンターに来ていた。


「射撃訓練的なノリで銃ゲーでもするか!コウは見とけ!勝士とするから。」


「そーかよ。俺ベンチで寝とくから。」


「よっしゃ!やろうぜ勝士!」


「銃ゲーなら得意だぜ?しょうぶ…だ…」


目を奪われた。とは正にこの事だろう。何故こんな所に居るか分からないほど、神々しいというか、とても美しい、同年代ぐらいの美人が横を通った。


「ん?どうした勝士?おい勝士!」


「んあっ!?びっくりした…」


「どうしたんだよ。さっさとゲームやるぞ!」


「はいはい、分かった分かった。」


凄く気になったが、ジンがうるさいのでゲームに集中することにした。そうしてジンがゲームのコイン入れに200円を入れた。するとダダダダダ!と音が聞こえ、ムービーが流れ始めた。画面は60インチ程で、なかなか大きいので、とても迫力があった。場面はアメリカに化け物がいっぱいでてきてそれを退治すると言うなんともシンプルな内容だが、ムービーがド迫力すぎてそんなことは気にならなかった。


「映像が神がかってる…すっげぇ…」


ジンは凄くご満悦のようだ。そしてムービーが終わり、ゲームが始まった。


「…はっ!…敵はもらうぜぇ!」


「へっ…!おせぇよ!」


ダダダダダ!と音をたて、俺の銃が暴れまくる。数々のFPS ゲームを現世でしてきたので、次々に敵を倒していくが、流石はこの世界のゲームを極めた男、ジン。負けじと敵を倒しまくる。そしてしばらく集中していると一際でかく銃声がした。本当に間近に銃を向けられ撃たれているような音。そっと後ろを向くと


「なんだこれ…なんであの娘が殺されそうになってんだ?」


「おい勝士!何勝負やめてんだよ!」


「回りを見ろ!」


「はぁ?…なんだこれ…人がいねぇしガラスバリバリ……おい!人撃たれてるぞ!」


ん…?おかしい。あの娘を襲う奴ら…アメリカ製のスーツを着ている。全ての国家が鎖国状態の今、他国のスーツを着るやつなんていない。つまり、あいつらはアメリカの人間だ。そしてわざわざ日本まで来るということはアメリカが動かなければならない事態にあの娘が関わっているということ。それはつまり…


「ランクオーバー…!」


「なに!?あの女ランクオーバーなのか!?」


「まだわかんねえけどな。とりあえず助けるぞ!」


こうして俺達の人助けミッションが開始した。


「おらおら!やることが非人道的じゃねえか!?吹っ飛ばしてやるから待ってろ!」


やはり、本気で能力を使うと相手が木っ端微塵になるので軽く身体強化をかけ、次々に敵を倒していく。だが俺も負けじと敵を倒していくが、敵もなかなか強い。隠れながら定期的に場所を変え、まとまらず的確に俺達を狙ってくる。なのに、あの娘を狙う係もいる。

なかなかな手練れだ。



「おいおい、銃弾なんて効くわけねえだろ。ランクオーバーだぞ?」



俺がそう言うと相手が驚いた表情をして話始めた。でも何言ってるか全然わからん。


「とりあえず何言ってるか分かんないから帰れ。」


すると相手が起こった表情をして


「オボエトケヨ!ニポンジン!」


と、凄くカタコトな日本語で返され何処かへ行ってしまった。なにも言い返せず、ただただジンが笑っていた。というかおれも笑っていた。


「あのー…」


「あっ…忘れてた。…なに?」


「助けてくれてありがとう。相手が銃で来たからなにもできなくって…本当に助かったわ。」


「いや、全然良いけど。なんでアメリカに追われてたんだ?」


「そこまで知ってるの?もしかしてあなた…the breaker!?」


「えっ!?いや、あの…えっと…」


「そうなのね!?あなたになら話しても良いわ。私、ある組織に属しているの。名前はハンド。6人組よ。でね、ハンド全員でアメリカを襲撃したの。もちろん失敗に終わったわ。」


「だからか。ま、とりあえず気を付けろよ。じゃあな。」


そうしてジンと帰ろうとしたとき、その娘がいきなり俺の腕をつかんで止めてきた。


「こんなか弱い女の子をあなたはほっていくの?」


「いやでも」


「ほっていくの?」


「いや」


「いくの?」


「良かったら俺達と来るか?」


折れた。こんなに食い付く娘は初めてだ。


「あ、そうだ。名前は?」


「私の?私の名前は妃弧(ひこ)。よろしく。」


「俺は最上勝士。よろしくな。」


「俺はジン。よろしくー」


「「え?」」


「ごめん。入る隙が無くて。」


「なるほど。…あ、コウは?」


「まだ寝てるんじゃない?」


「まったく。コウー!とりあえず帰るぞー!」


「……………」


「返事がねえな。」


「俺ちょっと見てくるわ。」


そうしてジンがコウが寝ていたであろう場所に向かった。


「そういえばさ、妃弧の超能力ってなに?」


「Perfect guard。ランクオーバーよ。」


「やっぱりか。最近ランクオーバーがよく集まるな。」


「やっぱりって?」


「相手はアメリカの特殊部隊だ。なのに何故生き残れたのか。そんなの、ガード系のランクオーバーしかいないだろうなと思ってな。」


「ふぅん…勝士って賢いのね。」


「そうか?おっ…来たみたいだな。」


何故か知らないがジンがコウを背負って来た。


「どうしたんだ?コウまだ寝てんのか?」


「うん。そうみたい。とりあえず帰ろ。」


「ああ。じゃ、妃弧も行くぞ。」


「うん。…………作戦成功…ふふっ」


「なんかいったか?」


「ううん!なんでも!」


こうして俺達は妃弧を連れ、ゼダンへとむかった。



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