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アリアを

はっきり言って、舞台の勉強をしたことがなく、唯一知っている言葉はこけら落としのみですが,,,勉強しながら仕上げます。

1980年。

日本でオペラを流行らしたいという気持ちから立てられたのがこのオペラハウス。

建築費にも莫大なお金をかけ、土地に人件費に全てにかけた。

このオペラハウスのこけら落とし公演で、オペラハウスにとって初めての舞台で初めての主役は舞台に倒れた。“あなたは私から 逃げ出せない どんな不安に駆け巡らされても 約束が 過去のものだったとしても あなたを逃がさない どこへ駆けたとしても 後ろを振り返れば 私がいるように 炎の焼ける匂い あなたの後ろから 追い掛ける 私の恨みで”

あれから20年。

このアリアを歌いたがる役者は現れず、とうとうこの劇はオペラハウスで完璧に上演されることはなかった。

恋人を捨て、遠いところへ逃げてしまった男を追い掛ける歌。

20年前、オペラハウスのこけら落とし公演でこのアリアを歌った舞台女優は歌の中盤で倒れた。しばらくしてオペラハウスは崩れるように客も減り、15年前にはオペラでなくミュージカルを公演し何事もなく復帰をしていったが、生誕20年となった今年は20年前から封印されていた、“リターン・ザ・ゲスト”を上演させたいという声が高まって来た。

反対の声もあったが頑固な若手演出家、金居シュウジの案とオペラハウスのスタッフ達からの要望で公演されることになったが、役者達には不安があった。

リターン・ザ・ゲストの主役は、病気で倒れたのではなく、他殺で倒れたという噂が今でも根強く残っているからだ。もちろん誰も主役にはなりたがらない。

主役どころか舞台にも立ちたくないという役者が多い。

オペラハウスにとって期待の若手役者、ハルも主役として候補に上がっているが、心の中ではその役には着きたくない。

それでも断ってしまえば二度と役者として仕事が来なくなるのは辛い。

ハルの迷いとは裏腹に話合いと時間だけが過ぎていく。

若手役者達は何も知らない。

どうして20年前、このアリアで彼女は倒れてしまったんだろう。

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