俺のショートショート
1
私が厩舎の壁に寄りかかり、たばこを吸っていると一匹の馬が近づいてきた。馬は私が吸うたばこの煙を嗅いで花をひくひくさせている。吸ってみる?私は馬の口元にタバコの吸い口を近づけてみた。馬は舌先で吸い口をぺろぺろなめている。口の構造上吸うことはできないのかもしれない。
私と馬とを遠目で見ていた老人が私たちに聞こえるように大きな声で言った。ダメだよお嬢さん!馬にそんなことさせちゃ。病気になったらどうするんだ!
馬はおじいさんに聞こえるようにと、大きな声で返事をした。うるせい、じじい!家に帰りやがれ!
それだけ言うと、馬は自分の居場所へと帰っていった。
2
もともとは肉食であるライオンに私たちのお手製のサラダを幾日か続けて食べてもらうことになった。もとはと言えば、貨物車同士の事故で私たちの町まであらゆる種類の肉が届かなくなったせいだった。
ライオンはまずそうにサラダを食べている。顔をゆがめていった。お嬢さん、こう何日もサラダばかりだと体にこたえますな。たてがみだって抜けてくるし、力も入らない。いっそこのまま飢えてしまった方がましじゃないかってね。
ごめんなさいね、私たちは答える。町に肉が入ってこなくなって。みんなも困っているんだけど。どうにもならなくて。
だったら、私が見てきましょうか?女の人ばかりでは、なかなか町を出て様子を見に行くなんてできないでしょう?
なんでそんな簡単なことが、思いつかなかったのかしら?だったら、お願い。様子を見に行ってくれない?
檻から出されたライオンは、勿論私たちを含め町の人全員に向かってきたのだ。




