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副作用  作者:
再会編
2/4

episode2.暗闇の人

 瞬きをすると才子ちゃんがコンビニへ入っていき、蝉時雨さん何もなかったかのように白い制服を纏っていた。


(あれ…見間違え…?でも、音も…して…)


 蝉時雨さんが口を開いた瞬間、言葉を遮るように銃声が鳴り響き蝉時雨さんを真っ赤に染める。


(さっきと同じ景色……夢…なのかな)


 どれくらいそこに立ち尽くして居たのだろう、銃声に気が付いた誰かが警察に通報したのか、警察官が駆けつけてきた。蝉時雨さんは既に息を引き取っており、私と才子ちゃんは事情聴取を受けることになった。解放される頃には空はすっかり闇に染まっていて、私達はそれぞれ親に向かいに来て貰い帰宅することになった。




 車で家に向かっていると重い空気の中、お父さんが口を開く。

「りな、大丈夫か…?」


「うん、大丈夫だよ…」


 スマホが鳴り、私は静かにスマホを取り出し、確認する。


(才子ちゃんからメールだ…)


『警察官の人に言ってた景色が巻き戻ったってどういうことだったの?警察官の人は混乱してたからだと思ってたみたいだけど…』


 (自分自身でもあれが本当だったのかわからないけど…時間が巻き戻ったみたいで…そういえば、あのとき変な感じがして…)


『私にも本当にあったのかわからないけど、まるで時間が巻き戻ったみたいで…それにその発砲の少し前に変な感覚があったの』


『その変な感覚は発砲の前にあったの?』


『うん…』


『それは副作用じゃないかな?』


『副作用?』

(なんのことかな…)


『この町にある噂、特殊な能力の話…知らない?』


『聞いたことはあるけど、本当の話なの…?』


『そうとでも考えないと説明が付かないんじゃないかな…もしそうだとすれば、りなちゃんの能力は未来視ってところじゃないかな』


『そんなことあるのかな…それと才子ちゃん、大丈夫?』


『何のことかな…?』


『蝉時雨さんが居なくなっちゃったから…』


『とても残念だよ…』




 家に到着し、お母さんが夕食を作って待っていた。


「りな、おかえり…ご飯出来てるよ」


「お母さん、ごめんね…食欲が無くて」


 私はそう言うと階段を上り、自分の部屋で電気を点けないまま座り込む。


(もし本当に未来が視えていたんだとしたら、何かを変えられたのかな…私のせいで蝉時雨さんは…)


 何度も何度も自責を繰り返していると、突然視界が真っ暗になり、聞いたことのない声が聞こえてくる。


「ごめんね、私が見ていたのに…サナは悪くないよ、大丈夫だから…」


(今のは何だったの…)




 色んな事が重なり、何度も何度も思考が巡り、何度も何度も自責を繰り返す。何度かお母さんとお父さんが声を掛けてくれていたが私は丸1日そのままで居た。少し頭がまとまり、お父さんとお母さんに心配を掛けないようにと扉を開け、リビングに降りようとした。


(そういえば…静か過ぎるような)


「お母さん…?」


 私がリビングを覗き込むと、そこにはテーブルに倒れ込むようにイスに腰掛けているお父さんとお母さんが居た。

主な登場人物

・田中りな

・真戸才子

・蝉時雨深咲

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