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救う、とは

あやめがこの世界線ではまだ生存している。

というか、愛上の言葉からして毎回ほぼ同じ人物が同じほぼ歴史を辿っているのだろう。


だから、厳密には同じではない。


そういえば、なぜあやめの記憶が戻っているのだろうか…


「あのさ」


と、丁度いいので隣にいるあやめに聞いてみようとすると


「ひゃい…!なんでしょうか…!!」


ひどく驚かれる。なんか違和感あるなぁ…


「記憶…ってさ。あやめが切り取ってたわけでしょ?」


「あー、うん。そうだね。」


「ならどうやってあやめの記憶が戻ったのかなぁ…と」


「えーと、ね。先に切り取っておいて…というか。死ぬ寸前に氷ちゃんの記憶と一緒に切り取って預けておいたの。それを、先に貰ったって感じ。」


「あー、そんなことも出来るのか…」


つくづく便利な能力だ。


「あ、それを言うなら私も気になるんだけど」


つららが小さく挙手しながら話してくる。


「私を凍らせてた氷。あれ、氷河が目覚めてすぐ溶けたみたいじゃん?それもどういうことかなーと」


確かに、不思議な点ではある。

俺自身が溶かせるなら前の世界線でやってるし、今いきなり俺が強くなったとも到底思えない。


「……わからない…」


自分のことながら情けない。

自分の能力もまだきちんと使えてないなんて。


「そっかぁ…まだまだわかんない事だらけだね」


「あのー、そろそろこっちに来て頂けますこと?」


愛上が心底嫌そうな顔でドアからこちらを覗いている。

そういえばこれからどうするかの話をするんだった。

さっさとドアの先に行くと、そこには懐かしい…というかさっき会ったばかりというか。

あの面々が全員揃っていた。


「さて、少々お時間かかりましたが。私達の最後の戦いはここから始まりますわ。」


愛上が語りだす。


「全ての記憶を持っているのは私だけ。その全てを伝える時間はもう残されてはおりません。」


全員が固唾を飲んで見守る中。

ふぅ、と一息置いて。

全員の顔を見渡しながら、愛上は続ける。


「その上で皆様に問います。救うとは、何を意味しますか?」


あまりにも漠然とした問いだった。

『こう』という明確な答えを出すのはとても難しいし、誰しも違う答えを出してしまうだろう。

何をどう答えるべきか。皆が迷っている中で


「はいは〜い。私は皆で美味しくご飯が食べれるようにしたいかな〜.」


冬野がさらりと答えてしまう。


「じゃあ、俺はのんびり余生を過ごせるようにするかな」


りでるが続く。


「ボクはもっといろんな発明をして世の中を笑顔でいっぱいにするのじゃ!」


「私は空の旅を楽しめるようにしたいかなー」


「私は一日中読書を楽しめるくらい平和な世界にしたいかな」


造、空綿、冬月も答える。


俺も答えを出そう。

そう思い立って口を開こうと思うが、言葉が浮かばない。

俺の思う救いは何なのだろうか。

考えてみればこの世界は異能によって自分の願いを実現することができて、それによる犯罪もあるけれどそれを取り締まる機関もあって。

今もこうして異能の力で世界を救おうとしている。

皆で手を取って戦えている。

これは十分に俺にとって幸せなのかもしれない。


…いや、世界の危機は全く幸せとは違うのだけれど。


「そう。私たちの中だけでも、救いの定義は違います。ですから、全員の納得のいく結果は得られないでしょう。」


俺を含め、まだ答えてない皆の言葉を待つ事なく愛上の言葉が紡がれる。


「それでも、誰かが納得いかなくとも。救いを成すその人が、成すべき事を成す。それは忘れずにお願いしますわ。」


「とはいえ、私とかは今回の計画上絶対に最後までは残れないからその候補には居ないんだけどね」


軽々と冬野が言ってのける。


「…それは、どういうこと?」


つららがすぐに反応するが、りでるから静止される。


「それについては、私からお話しします」


そっと前に出てくるのは冬月シオン。

俺たち以外は、皆何を話すのか分かってるようだった。

そして彼女は


「この、最後のループでは。私の異能を使ってこの世界を救います。」


と、あっさりと言い切ってしまった。


第二部ですが、主要キャラの元となった皆様がどんどこ消えております。悲しみで前が見えません。

花粉症のせいで涙も止まりません。

あと寒いです。


まだまだ続きますが、はちゃめちゃな長さにはしないつもりです。

オリジナルの作品も書きたいし!!

ってことでまた次回〜

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