表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

【1:1:0/10】ヒトデナシちゃんは知っている

ジャンル:ラブコメ


あらすじ:社畜のユウマは今とっても休みたい。そして如何に自分が休みたいのかアイカに愚痴りたい。でも人の愚痴なんて聞いても楽しくないし、どうせどうでもいいような理由だと知ってるし。なので愚痴は聞きません。アイカはユウマの愚痴を聞きませんと決めました。


キャラクター:

【◇ユウマ】社畜彼氏。会社にもイジメられ、彼女にもイジメられ、傍から見てるとそういう趣味にも見えるけど、曰くそうではないらしい。いたってノーマルなんだそうな。たぶん違う

【◆アイカ】ユウマへのイジワルに全力を尽くす彼女。でもそれは好きの裏返し。だってちゃんと色々知ってるし。誰よりユウマのこと知ってるし。いろいろ、仕込んでるし。そういう人。

◇:あー……

◆:どしたの?

◇:休みたい

◆:休めば?

◇:社畜舐めてる?

◆:それはむしろ企業が法律を舐めてるんだよ

◇:話が大きくなった……

◆:日本の未来から最終的に人類の行く末まで話そうね

◇:嫌だよ、何だよその無駄に壮大な流れ

◆:宇宙人、どうやったら倒せるかな?

◇:人類の行く末、そんな感じなの? 戦う前提なの?

◆:宇宙戦争なんて、したくはないんだけどね……

◇:どの立場からのコメントだよ

◆:まぁその頃には私死んでるだろうけどさ

◇:とりあえず死んだ後の話より今の話をしよう

◆:えー、だって面白くないよ?

◇:仮にも彼氏の愚痴を面白くないで切らないでくれる?

◆:彼氏の愚痴、聞きたくないな?

◇:可愛く全てを否定しないで?

◆:私、可愛い?

◇:都合いいところだけ拾うな?

◆:もしかして、仮にも彼女に向かって可愛くないと仰る?

◇:わりと平均的な顔立ちだなと思ってる

◆:そこ普通は、可愛いに決まってるだろとか言うところじゃないの?

◇:俺は好き

◆:それで誤魔化せると思ってるならスクラロースより甘いと言わざるを得ないね!

◇:そこはチョコとかマシュマロとか、分かりやすいの出せよ、何だよスクラロース

◆:砂糖の何倍も甘い人工甘味料! らしいよ

◇:曖昧だな

◆:だって私、人工甘味料博士じゃないしさ

◇:そんなピンポイントな博士いてたまるか

◆:いるかもしれないじゃん。人工甘味料ソムリエとか

◇:いったいどの場面で活躍するんだよ、そのソムリエ

◆:ディナーの最後のデザートと共に現れていろいろ教えてくれるんだよ

◇:その講義をデートで聞かされて楽しめるか? 人工甘味料の話、本当に楽しいか?

◆:彼氏の愚痴よりはきっと楽しいよ!

◇:頑なに否定するね!?

◆:まぁ聞くんだけどさ

◇:この話の流れで愚痴話そうと思う奴は相当に鋼の心臓だよ

◆:ちょっとしたアイスブレイクだよ

◇:ハートがブレイクしてるんだけど

◆:そんな……ブラック企業なんてものがあるから……大好きな彼氏の心が死んじゃった……

◇:止めを刺したのはお前だし、さり気ない大好きで誤魔化せると思ってるならスクラロースより甘いからな

◆:お、早速使ってきたね?

◇:スクラロースがどれくらい甘いのかさっぱり分かってないけどな!

◆:良いんだよ、こんなのは雰囲気だから

◇:そういうものか

◆:そういうものだよ

◇:ところで最初の話なんだけどさ

◆:鋼の心臓だね!

◇:もう嫌だ!

◆:冗談だよ

◇:冗談では済まない!

◆:じゃあ何なら済むの

◇:誠意を見せてもらう必要がある

◆:今夜、ね

◇:……それは……もしかして……

◆:続きはWEBで

◇:それがWEBなのは不味いだろ!?

◆:ふふ……真実を知る覚悟はあるかな……?

◇:ないよ、見たくないよ、目を閉じるよ

◆:ところで何を想像してるの?

◇:絶対どこかで梯子外されると思ってたよ

◆:期待に応えることができて嬉しいな

◇:裏切ってくれよ、こんな期待!

◆:自分から裏切られることを望むなんて……

◇:言葉尻だけ取らないで?

◆:とったのは頭の方だけどね

◇:え? ん、あぁそういうことか

◆:ダメだなー、常にアンテナ尖らせて会話してかないと。置いてっちゃうよ?

◇:アンテナは張り巡らせろ、尖らせるんじゃないよ、危ないな。後、こんな日常会話に神経尖らせないといけない世界嫌だわ

◆:仕事と私、どっちが嫌なのよ!

◇:普通その勢いで詰問するのはどっちが大事なのだし、圧倒的に仕事の方が嫌ですけど!?

◆:つまり私のことは好きだと

◇:どうしてそうなった

◆:だって、仕事の方が圧倒的に嫌って

◇:そこで自分は好かれてるんだなって解釈できる奴は相当ポジティブだよ

◆:私じゃん

◇:お前だな

◆:間違ってないじゃん

◇:あれ?

◆:もー、馬鹿で間抜けでどうしようもないなぁ

◇:普通そこはバカだなぁくらいで止まるんだよ。罵倒が多いんだよ

◆:嬉しいかと思って

◇:何、俺はそういう性癖の人に見られてるの? ちょっといろいろと悩みが増えるんだけど?

◆:わざわざブラック企業で働いてるくらいだから……

◇:別に性癖満たすためにブラック企業で働いてるわけじゃないからな!?

◆:意味不明な罵倒されるためじゃなかったの!?

◇:俺が罵倒されて喜んでるの見たことあるか!?

◆:でも私のこと好きじゃんか

◇:好きだけど

◆:けちょんけちょんにされてるのに

◇:それとこれとは話が違う

◆:あ、なるほど

◇:分かってくれた?

◆:美少女からじゃないとダメってことだね

◇:何を理解したの? あと自分でよく美少女って言えたな?

◆:彼女のことを美少女と思えないと?

◇:同じようなくだりをさっきやったところなんだよ、しつこいよ

◆:仏だって三回は我慢するのに……

◇:むしろ仏がそれだけなんだから、欲にまみれた一般人は一回で怒ってもいいだろうが

◆:もー、天国いけないよ?

◇:天国へのハードル高いな、おい

◆:あ、なるほど

◇:別に好き好んで地獄に行こうとしてるわけじゃないし、地獄を楽しみにする性癖でもないからな!

◆:何でバレたの!?

◇:ここまでの流れで予想付くわ!

◆:成長、したんだね……大きくなって……

◇:母親か!

◆:父親だよ!

◇:彼女であってくれ!

◆:結婚の意思はないと、そういうことですか

◇:それはお前、しかるべき順序に従ってだな

◆:順序とか順番とか、ルールとかマナーとか……たまにはそんなものより自分の心に従ってみなよ

◇:キュンッ……とはならないんだよ

◆:それはもう死んでるからだよ。ときめく心臓すらもうないんだよ

◇:勝手に殺すな

◆:勝手に死んじゃったんじゃんか。私に心撃ち抜かれて、さ

◇:何なの、どういうキャラなの。どういう世界なの。後ときめかないって言ってるんだよ、何ならちょっとウザいのよ、人の話聞けよ

◆:人の話ちゃんと聞ける人間だったらそもそも最初から優しく愚痴聞いてくれるよ!

◇:聞いてくれよ!

◆:だってどうせ新作ゲーム出るからとか、新作アニメが始まるからとか、新刊出るからとかだし

◇:もしかしたらもの凄い悩んで限界を迎えてる可能性だってあるだろ!

◆:ないよ

◇:職場で苛められてるとか!

◆:ないね! 最近はお局さんにも気に入られて快適みたいだね!

◇:うっかりすごいミスしたとか!

◆:最近のミスは小さいのしかないよ! お酒の席で弄られる良いネタになったね!

◇:何でどれもこれも知ってるんだよ!?

◆:それはあれだよ。知らない方が良いこともあるんだよ?

◇:怖すぎるんだけど

◆:まぁとにかく、ユウマより私の方がユウマの限界理解してるし。私よりユウマに詳しい人、いるの?

◇:何のためらいもないな

◆:彼女だし

◇:彼女すごいな

◆:彼女はすごいんだよ

◇:俺の思ってる彼女ってそんな万能な称号じゃないんだけど

◆:じゃあ、私だし

◇:お前すごいな

◆:私はすごいんだよ

◇:ちょっとは謙遜しろ?

◆:だってすごいし

◇:否定はしないけど

◆:じゃあすごい私からひとつ

◇:何?

◆:別にゲームも良いけど、私のことも構ってね

◇:ん? それは勿論だけど

◆:じゃあ良し

◇:……ん?

◆:どうかした?

◇:俺、ゲームなんて一言も……

◆:ところで人類の行く末だけど

◇:誤魔化されないからな!?

◆:愛の力は偉大だね!

◇:無理だ! 無理があるから!

◆:ちょっとした科学的テレパシーだよ

◇:いったい俺に何を仕込んだお前!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ