表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
気怠い鬱金香  作者: 鈴原 紫蘭
1/10

始まり


〇登場人物〇


神楽坂カグラザカ 琴音コトネ

本作品の主人公

式神を用いてあらゆる霊と対峙する式神使い

性格は極度の面倒臭がり

転がり込んだ廃神社の掃除やその他雑用は

基本、式神任せ

霊力は睡眠で補うのでいつも眠い


鹿毛カモ オボロ

白藤神社の女神主

母を失い、天涯孤独となった琴音を育てた

琴音の膨大な霊力に気付いた唯一の人間

力の使い方や知識を叩き込んだ。


・春野 くいな《ハルノ クイナ》

白藤神社の巫女

琴音の幼馴染、三姉妹の長女

面倒見が良く優しい性格

一人でふらふらとその日暮らしをする

琴音の身を案じて毎日廃神社に

手作りの食事を届ける。


・春野 ひばり《ハルノ ヒバリ》

白藤神社の巫女、三姉妹の次女

男勝りな性格

極度の男嫌いでよく男相手に喧嘩している。

彼女目的で参拝しに来る女性ファンが多い。


・春野 すずめ《ハルノ スズメ》

白藤神社の巫女、三姉妹の末っ子

内気な性格で友達はあまり居ない。

動物が好きでよく遊んでいるが

実はどれも動物霊、本人は気付いていない。


芦屋アシヤ 清秋セイシュウ

朧に弟子入りしようとしたが

徹底的に拒否されてしまい

朧の気を引く為に琴音のお目付け役をする。

ひばりの視界に入るだけでボコボコにされるので

なかなか朧に近付けない。


☆式神たち☆


星姫ホシヒメ

見た目は十歳前後女の子

廃神社のお掃除担当

戦闘向きではない。

琴音の事を「琴音様」と呼ぶ


月姫ツキヒメ

見た目は十歳前後の女の子

廃神社の雑用担当

戦いたがるが戦闘向きではない。

琴音の事を「琴音様」と呼ぶ


青葉アオバ

木を司る神

基本的にテンションがとても高いので

琴音は使いたがらないが琴音の事が大好き

琴音の事を「お嬢」と呼ぶ


秋葉アキハ

火を司る神

式神のくせにヘビースモーカー

指先から出した火でタバコに火をつけるので

青葉には「着火マン」といじられる。

琴音の事を「琴音」と呼ぶ


氷華ヒョウカ

水を司る女神

主である琴音に馴れ馴れしい

青葉と秋葉が嫌い

琴音の事を「主様」と呼ぶ


夕影ユウカゲ

金を司る女神

パチスロ好きな老婆

琴音が呼んでもないのに現れては

勝手にパチンコ屋に行っている

氷華曰く琴音の眠気の要因のひとつ

琴音の事を「嬢ちゃん」と呼ぶ


雲路クモジ

土を司る神

紳士的な初老の男性

自由奔放な琴音の式神たちを見て

琴音の霊力の消耗を案じており

戦闘時、いつも力加減をしているが

本気を出せば雲路に勝てる式神は居ない。

琴音の事を「主殿」と呼ぶ



私の母は、そこそこ有名な霊媒師だった。


低級霊、動物霊、厄介な怨霊まで

苦しんでる人の為なら どんな霊だって祓ってきた。


私は、そんな母の事を誇りに思っていたんだ。


とっても、大好きだったんだ。


だけど私は、そんな大好きな母に


捨てられた…。


私が小学一年生になったばかりの頃


とても強かった母は心を壊した。



私の母は、自分に憑いた悪霊を祓う事が出来なかったんだ。


そりゃそうさ


『アレ』は、当時幼かった私にも見えていた。


頭から墨汁を被ったような

真っ黒くて長い長い髪の毛の塊

その髪の毛の隙間からチラチラ見える

真っ赤な一つの目玉


あんなのを「悪霊」なんて表現するのは

ちょっと違う気もするが

幼かった私には『アレ』が何なのかなんて

知るはずもなかったんだ。


最初に『アレ』が現れた時は

まだ埃くらいの小さな黒い塊だった。


それが、母が除霊を行えば行う程

どんどんデカくなっていったんだ。

まるで、母の霊力を吸って育つ

ダニみたいだった。

いや、吸っていたのは霊力だけじゃない

生気まで吸い取っていた。


そいつがデカく育って

母がそいつに飲み込まれそうになった頃


母は私の元から去ったんだ。


母には『アレ』が見えていなかった。

どんな強い霊でも見えてたのに


私は母を助けたくて、知り合いの霊媒師に

『アレ』を祓ってくれってたのんださ


でも、誰にも見えていなかったんだ。


『アレ』は、どういう訳か

私にしか見えていなかったんだ。


見える私にしか『アレ』を祓う事は

出来なかっただろう


でも幼い私に、そんな力なんて


無かった


私はただ、弱っていく母を


母を飲み込もうとする『アレ』を


ただ、見ている事しか


出来なかったんだ。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ