表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ラジオから死者の声が聞こえる

作者: 衣谷強
掲載日:2022/08/13

『夏のホラー2022』投稿作品です。


タイトル通りです。

でも【怖さ度1】です。

思ってたのとちょっと違う恐怖をお楽しみください。

 お盆。

 地獄の釜の蓋が開き、あの世とこの世の境が曖昧になる季節。

 そんな時には不思議な事が起こるようで……。


 ジ……、ジジ……。


「? 何でラジオが?」


 電源を入れていないはずのラジオから、ノイズが流れ出す。

 それは兆し。


「あなた、どうしたの?」

「いや、ラジオがおかしいんだ」

「え?」

「電源が入ってないのに、ノイズが出てるんだ」

「壊れたのかしら。電池抜いてみたら?」

「そうだな」


 スイッチを切っても、電池を抜いても、その恐怖から逃れる事はできない……。


「な、何で電池を抜いてもノイズが……!?」

「やだ気持ち悪い……!」


 そしてそこから流れてくるのは……。


『……る……』

「ひっ……!」

「! この声……!」


 ……死者の声……。


まさる……』

「ばーちゃん!?」

「お婆様!」

『元気にやっとるかい? あんたは夏になるといーっつもスイカの食べ過ぎで腹さ壊してなぁ。毎っ年同じ事するで、ばーちゃん心配で心配で……』

「あなた、そんなにスイカ好きなの?」

「や、やめろよばーちゃん! 何年前の話だよ!」

里砂りささんに迷惑かけてねぇか? おめはやきもち焼きだかんべ、やれ男と出かけるな、やれ目立たねぇ服着ろだの、ひっち面倒臭ぇ事言ってねえか?』

「やめろって!」

「それであなた、私がミニスカート履くとちょっと不機嫌になるんだ……。ふふっ」

「いや、それはその、何と言うか……」

『おらの喪が明けるまでとかかってぇ事言ってねぇで、とっとと子どもこさえろや。嫁さんいるのに風呂場で一人だなんてなっさけねぇ事』

「わー! わー! わー!」

「そ、そうだったんだ……。全然平気な顔してるから、私って魅力ないのかなとか思ってたけど……」

「ち、違うんだ里砂、これは……」

『えぇから仲良うするんだぞー。来年のお盆には孫の顔見せてくれやー』

「ば、ばーちゃん! ……音が、止まった……」

「……あなた」

「な、何だったんだろうな今の! あはははは!」

「……ねぇ。あなたがお婆様に結婚式を見せたいって、仕事も準備も頑張った事、尊敬してる」

「え、あ、う、あ、ありがとう……」

「だから一周忌まで子どもは待とうって気持ちも納得してた。……ううん、納得してるつもりだった」

「え、あの、里砂さん? 何で近づいて……?」

「でも、お婆様もああ言ってた事だし、ね……?」

「う、うん……」


 死者から声が聞こえる恐怖……。

 そして知られたくなかった事を明かされる恐怖……。

 あなたのお宅のラジオが突然鳴り出したら、それは……。

読了ありがとうございます。


死者の言葉が過去を暴き、これからの生活を一変させる。

ホラーですね(にっこり)。


笑ってもらえましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 御先祖様が此の世にいらっしゃる御盆にピッタリな、ハートフルな御話ですね。 8月15日の今に拝読させて頂く事が出来て、実によかったです。 ふと気づいたのですが、今回の事がキッカケで若夫婦に第…
[良い点] ホラーだけどホラーじゃないw それもまた良し。 お盆にふさわしいお話しですね。 いいなぁ。私も大好きなお祖母ちゃんや、優しかったお義父さんの声が聞こえてきてほしいです。 [一言] 偶然で…
[一言] 寝室ではなくて、お風呂で……ですか(にっこり 見られてたと思うと……もぅ!(´・ω・`) 二人が子宝に恵まれますように!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ