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効果てきめんの母の優しさ

作者: 蒼のパンダ

母は私にとって、最強の人物。

小学校までは母が怖くて仕方がなかった。

食事の際は正座。

食事中のトイレも怒られ、茶碗の持ち方や、箸の使い方

三角食べや姿勢など。



ある時、どうしても欲しいガンケシ(ガンダムの消しゴム)が

近くの駄菓子屋の前に新しく発売された。

欲しくても

『100円ちょうだい』

などとは、怖くて言えなかった。

そんなある日、台所に百円玉が5枚ほど

置かれていた。

わが父親は小銭をポケットにジャラジャラと入れていた。

きっと、オトンの余り金に違いない。

そう思った私はその5枚をパクった。


その日の夜、就寝時間となり、

2階の布団で寝ようとしている時、

『台所にあった500円、知らんか?』

と、怒りオーラ6割ほどの大声で質問された。

小学生の私は必死に嘘をついて

『知らないー』

そう答えた。

母は追及することもなく

怒りを収めたが、あの時の状況を今思えば、

母は気づいていた。と、思う。

どういう思惑で追及されなかったのかはわからない。

ただ、どのジャンルかわからない優しさの一つだと思う。

まったく追及されないことで

こちらが罪悪感に支配されていたのは

今でも覚えている。



同様のこともあった。

ある日、学校にやたら行きたくない時があった。

いじめられてるわけでも

宿題やってないわけでもなく

当時の子供の単なるわがままだった。(小学生)

朝起きて、母親におなかが痛いー。

動けないー。

『じゃー、学校休む??』

私は頷くと、母は学校へ電話し、

その日は学校を休むことになった。

うれしいはずが、ここもまた

何も言わずに信じてくれた母親への

罪悪感に覆われてひたすら申し訳ないと思った。



信じる者は救われる。

違う雰囲気の『猪突猛進』

いや、『猪突猛信』

意図的なのか無意識なのか

母の真意はわからないが、

少なくとも、私には効果でてきめんだった。

母に嘘つくのはやめよう。

人様にうそをつくのはやめよう。

人様には信じることからはじめよう。

そんな母の優しさの伝承の仕方だったのだと

今は特に思う。


人間関係を築くためには

騙され覚悟で信じることから始める。

小さいころから母は

フィーリングで教えてくれていたように思う。

私の母は偉大です。













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