道に迷う少年
なんとなくできた代物( ・∇・)
これは困った
少年はそう言いたげに
顔をしかめた
少年は迷ってしまったのだ
この道を
道というものは
この世には
いくらでもある
安易なものなのだが
少年が留まる
この道は
そんなものではない
少年の為に作り出された
特別製だ
だからだろう
ここには少年しかいない
そんな場で少年は
迷ってしまった
この道は
見渡す限り
真っ直ぐに進む
奇妙で安直な道だ
前に進むか
後ろに戻るか
この二択しかないのに
少年は
迷ってしまったのだ
少年はよく迷子になる
別に正しいというものが
わからない訳ではない
思慮分別がつかない訳でもない
ただただ誰かに
いや道自体に
ここを真っ直ぐ行くのだとか
あそこを通ってあちらへ行くのだ
と囁き呟かれていると
生来の負けん気からなのか
その道に指し示された道の
明後日の方向にいつも行くのだ
この事から少年は
迷子と愛称付けられていた
だが実際は
少年が真の意味で
迷ったことはなかった
いつも道が言う
真逆へと進めばよかったのだから
迷うはずがなかった
なのに少年が迷い悩むのは
一重に少年の
目の前にある
白く奇妙な看板のせいだろう
看板にはこうある
前へ進め
もしくは
後ろへ行け
と
あるだけだった
これには少年も
困ったのだ
この道は
前へ行くか
後ろへ行くかしかない
一歩道なのだ
元来優柔不断な少年は
どちらへ行くか
決められず
困っていたのだ
そう
迷っていたのだ
そんな折り
少年に
冷たき風が
吹きかかった
少年の肌を
冷たい手で一撫でし
冷たき風は
前行く道を北とすれば
ちょうど北東の方角へと
行ってしまった
少年は何を考えたのか
北東の方角を向き
何度か
うんうんと唸りながら
突然
振り返り
南西へと
走り去っていったのだった
少年の肌を未だ撫でる
その風はなんだったのかは
わからないが
少年は王道を進まず
邪道へと行った
道なき道を見つけた少年は
見つけた道をつき進むのか
はたまた
この大きな大きな
一本道に舞い戻るのか
わかったものではないと
今更ながら
わかるのだった
つづかない( ̄ー ̄)