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第八話 "剣聖審議会"の真相 1

 翌日、アルメシア城を出発する時、エレキ王などが見送りをしてくれた。

 帰りの道中も危険な場面などはなく、三日後無事ウェルズヒア城へ帰還した。城では大臣や使用人などがお迎えした。


「お帰りなさいませサマリード王。お疲れでしょうからゆっくりお部屋でお休みください。」


昔からサマリード王の身の回りの世話をしており、一番信頼されていると言われている執事長のタリマが出迎える。


「おぉタリマか。流石準備がいいな。早速だが休むとするか。今回護衛を担った者達ご苦労だった。そなた達もゆっくり休むがよい。」


そしてサマリード王は自室へ向かった。


「皆の者、今回の任務を無事終えたことは皆の協力があったからだ。感謝を申し上げる。サマリード王もさっき言われたが今日はゆっくり休んでくれ。今回の任務はこれで終了だ。ご苦労様。」


 レイナがそう言うと各自部屋へ戻った。部屋に入るといきなりリゼルが俺のほうに向かってきた。


「おいアスト!お前国王の護衛任務をやってたんだって!?」


「リゼル落ち着いてよ。アスト君まだ戻ってきたばっかりなんだから。」


「お前どっからそのこと聞いたんだよ。」


「どこってもうほとんどの人は知ってるぜ。今日になっていきなりサマリード王を迎える準備をさせられたんだからな。」


「そうそうイガリオ総司令官が今回の秘密?の任務を説明していきなり準備をしろって言うんだもん。びっくりしたよ。」


「そうだったのか。」


(そうだ、イガリオ総司令官に話をしなきゃな。)


「やっぱお前ってすげぇんだな。選ばれし精鋭として任務を任されるなんてな。どんな感じだったんだ?色々教えてくれよ。」


「ごめん。ちょっと行くとこあるから。」


「え?どこ行くんだよ。」


「イガリオ総司令官のとこ。」


「どうしてイガリオ総司令官にところに?」


「ちょっと任務の話しをしてくるだけだから。」


俺は適当に誤魔化し、イガリオの部屋へ向かった。

 部屋の前に着き、ドアをノックする。


「ん?誰だ?」


「アストです。少しお話しがしたいのですが、お時間よろしいですか?」


「アスト君か。いいよ、入って。」


「失礼します。」


部屋へ入る。相変わらず部屋は散らかっていた。俺はイガリオの机の前に行くとレイナから聞いたことを話し始めた。


「イガリオ総司令官、"剣聖審議会"についてお聞きしたいことがあります。」


「"剣聖審議会"?どうしてそんなことを聞くんだい?」


「一年前の"剣聖審議会"の時、レイナ将校が議題に上がりましたよね?」


そう言った瞬間イガリオの顔が曇った。


「あぁ、確かにレイナが『剣聖』にふさわしいかどうか話し合ったよ。」


「そうですか。ではなぜレイナ将校が『剣聖』に選ばれなかったのか教えていただけますか?」


「残念だが、内容については教えることはできない。それが決まりだ。」


この返答は予想済みだった。俺は構わず話を続けた。


「レイナ将校が本当に『剣聖』の実力がないと判断されたんですか?」


「アスト君なぜそんなに一年前の"剣聖審議会"について聞いてくるんだい?」


「話をそらさないでください。本当に実力不足だと判断したんですか?」


自然と語尾が強くなっていた。


「アスト君まさかレイナから何か聞いたかい?」


イガリオは全てを察したようだった。


「…はい。レイナ将校から一年前の審議会のことを聞きました。」


「ふっ、そうか。レイナもやはり分かっていたんだな。一年前の審議会の内容を。」


 イガリオもレイナの態度の異変に気がついていたようだった。イガリオは諦めたような表情をした。


「話してもらえますか、一年前の"剣聖審議会"のこと。」


「いまさら話さないなんて言わないさ。ただ、この話は他言無用だ。その条件は守ってもらう。」


「分かりました。」


 そう答えるとイガリオはおもむろに話し始めた。


 

長くなったので二話に分けることにしました。

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