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第十五話 ギリギリの戦線

 前から大勢の敵が迫ってくる。その迫力に怖気付きそうになるのをレイナは必死に堪える。弓兵が放った矢が敵部隊に直撃するが、数が減っているようには見えなかった。


「チッ、想像以上に多いな。弓兵は一旦下がり、近接武器を準備しろ!他の兵士は迎撃せよ!」


 敵の騎馬兵部隊が突撃し、その後ろから歩兵がなだれるように攻めてくる。


「敵を蹴散らせぇ!」


レイナは叫び、そのまま敵に向かっていく。味方もレイナに追従していく。


<天啓(てんけい) 豪斬撃(ごうぜんげき)>

 レイナは剣を天に向けるとそのまま目にも留まらぬ速さで打ち下ろす。前に斬撃が飛び目の前にいた敵達が散っていく。間髪いれずに技を繰り出す。

<風帝(ふうてい) 地垓斬(ちがいざん)>

地平線を斬るかのごとく横に一閃。周りにいた残りの敵を全て片付ける。


「す、すげぇ…。一瞬でこんだけ倒しちまうなんて…。」


「おい、感心してる暇なんてないぞ!俺らもレイナ将校に続くんだ!」


レイナの血気迫る戦いに味方の兵士達は勇気づきられていた。敵も怯まずに畳みかけ、あっという間に乱戦状態になった。


「クッ!もう一度技をお見舞いしたいが、この状態では味方も巻き込んでしまう…。」


四方八方から敵が襲い掛かる。それをレイナは受け止めながら、隙をついて斬りつける。


(本当にキリがない。味方も疲れが見えてきている…。撤退も視野に入れるか…。)


そう考えていた時、味方の兵士が駆け寄ってきた。


「レイナ将校!左のヤルマ将校の部隊が撤退しているとの情報が!リクセン将校の部隊が後を継ぐようです!」


「何!?まずいな…。ここで私の部隊まで撤退したら間違いなく崩れる…!耐えるしかない!」


 ヤルマ将校の部隊が撤退していることはイガリオにも伝えられていた。


「皆聞け!ヤルマ将校の部隊がこちらに撤退している。手当などの準備を進めておけ!」


それを聞いた兵士は慌ただしく動き出す。


「他の部隊の状況は分かるか?」


「レイナ将校の部隊はまだ余力がありますが、シリキ将校の部隊はいつ撤退を始めてもおかしくない状況です…!」


「そうか…。報告ありがとう。」


イガリオは砦での決戦を覚悟した。

 その頃レイナは何とか敵部隊の進攻を食い止めていた。


「はぁはぁ…。さすがに私も疲れてきたな…。」


そこに再び兵士が駆け寄ってきた。


「レイナ将校、シリキ将校の部隊も撤退しているようです…。」


「チッ、これで引くに引けなくなったようだな。ここからは撤退したらもう後を継ぐ部隊はいない。」


(ここが正念場だ…!)


レイナは体を奮い立たせた。











 

 

 


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