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第十一話 作戦会議 1

 まだ空が薄暗い時間に俺は起きた。俺は周りの地形を覚えるため、砦の外にでた。

 このカリアナ砦はカリアナの街から約300メートル先の少し小高い地点に作られており、カリアナ砦のさらに先には標高の低い山々が連なっている。山を超えたら敵国であるコルズ皇国の領地だ。


(ここのカリアナ砦を突破されたら一瞬にしてカリアナの街は占拠されてしまうな。)


 更に周りを探索していると、うっすらと人の姿が見えた。誰か気になり近づいてみると、その人も俺のことに気づいたらしく、後ろを向いた。


「レイナ将校ですか?」


「ア、アストか。どうしたんだこんな朝早くから。」


「少し周りの状況を確認しようと思いまして。レイナ将校はどうしたんですか?」


「私か?私はただあまり眠れなかっただけだ。」


「そうですか。」


 そのまま砦に戻ろうとした時、不意にレイナから予想外のことを言われた。


「なぁアスト、その、この前はありがとう。イガリオ総司令官から謝罪されたよ。すまなかったって。まさか、イガリオ総司令官に話しに行くとは思ってなかったよ。」


「謝罪?謝罪されたんですか?ていうかなんでその話をレイナ将校が知ってるんですか!?」


「へ?な、なんでってイガリオ総司令官がお前と話した後に私を呼び出して謝罪したいって…その時にアストが色々話してくれたと言っていたが…」


 そこまで言ったところでレイナもこの状況を察したようだった。


(マジかよ…イガリオ総司令官そんなことを話したのかよ!俺がレイナ将校のことを気にかけてたことがバレたじゃねーか!恥ずかしくなってきた…)


「い、いやまぁ、ちょっと自分もその時頭にきてたというか、純粋に気になったというか?」


 自分でもわかるくらいうろたえていた。


「そ、そうか!いや、ありがたいよ本当に。」


「じゃぁ俺はもう戻ります!また後で!」


 返事も聞かず、すぐに砦へと戻った。

 砦に着いた時にはすでに日が昇り、ほとんどの兵士が起きていた。朝食を摂ると、作戦会議が始まった。作戦会議にはイガリオ総司令官を始め、将校、大隊長など重要な役職の人達が集められた。


「ではこれから作戦会議を始める。まず最初に敵軍の進軍速度だが、予想より速い。今現在、敵軍は山の向こう側にあるエンリ城に集まっているという情報がきた。この情報通りなら三日後には戦が始まるだろう。」


(もうそこまで進軍していたのか。)


「敵の数だが、大体1万二千人ほどだ。予想よりは少なかったが、こちらの数は約7千人ほどであり、不利な状況にかわりはない。」


「ではどのような作戦でいくのですか?」


 イガリオの隣にいた男が質問した。


「さっきも言ったが、こちらは不利な状況だ。正面から向かっていっても勝ち目は薄い。そのため短期決戦に持ち込む。」


「ど、どのように?」


「敵大将がいる部隊に奇襲をしかけ、素早く敵大将の首をとる。」


 周りがざわつく。


「無茶です!一体どうやって敵大将がいるところまで進軍するつもりですか!?それに砦の守りが薄くなれば簡単に突破されてしまいます!」


「奇襲部隊は三百人ほどで動いてもらう。」


さらに周りがざわつく。


「そして敵に奇襲部隊を気付かれないように他の部隊は正面から普通に戦ってもらう。部隊編成は前線に三つの部隊、その後ろに二つの部隊を待機させる。できるだけ敵にあくまで正面で戦う姿勢をみせつけるんだ。」


 いつのまにかこの場にいる全員が静かに今回の作戦を聞いていた。



 

また長くなったので二話に分けます

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