異世界との出会い
時間があるので、まず最初に少し自己紹介をさせてもらおう。
俺はどこにでもいる普通の高校生、武田雄二。
もうすぐ卒業式を迎えようとしている高校3年生だ。
つまり青春学園生活を終えようとしている。
しかし、俺は今まで女子と話すなんてこととはなかった。
華やかなラブライフを送ることなく、悲しい青春を送っていたのだ。
そんな事は絶対に許されない。
これからの人生で何が必要か、そんなものは言うまでもない。彼女だ。
彼女さえいれば、多少仕事が辛くたってハッピーライフだ。
実を言うと、今は告白しようと屋上で待っているところだ。
彼女になる予定の女の子の名前は相田優希、クラス1とは言わないが3番目くらいの美人だ。
勘違いしないで欲しいんだが決して妥協したわけじゃない。
彼女は表情が豊かなところが見ていて可愛いんだ。
話した事はないが、俺の心の奥で絶対に成功すると思っている。
しかしながら、雨が降りそうだ。
屋上で雨の中で告白なんてとても劇的ではあるが、普通に考えたら「なんで雨に濡れなきゃならないの」ってなるに違いない。
早く来てくれないかな。
ガチャリと屋上の扉が開く音がする。
来た!!
「あ……武田くん、話って……?」
「あのさ、俺たちさあんまり話した事ないけどさ、相田さんのこと好きなんだ、俺と、、付き合って欲しいんだ」
「え……?」
彼女は少し困った表情と驚きの表情を浮かべる。
「返事は?」
俺は悠々たる態度で聞いた。
「え、え、ええと、い、いいよ?」
戸惑いながらも彼女は答えた。
「え!?いいの!!やったぁ!!」
俺は我を忘れて喜んだ。
その刹那、
雨が降り、信じられないほど大きな雷が落ちた。
俺はそこで意識を失った。
目覚めた時には、屋上に俺はいた。
「どこだ……ここ?」
「相田さん!!」
俺はさっきの告白を思い出し、相田さんを探す、だが、近くに見当たらない。
まずは状況を整理しよう。
告白して、そしたら雨が降って雷が落ちたんだ。
そうだ、雷だ。
雷が落ちて意識を失うっていうのは分かる。
しかし、全く別の場所にいるっていうのはおかしい。
俺は少し歩いて、色々確認しようと思った。
なんだこれは……
屋上から降りようとしたが、階段がない!
俺はもう一度よく辺りを見回してみる。
そこには箒に乗って飛んでいる人間がいた。