33「招かれた6人」
前回までのあらすじ
マイケルは自由の意味を知ったが、ボスを倒す覚悟はまだなかった。そんな中、ゾンビの活動が穏やかになる。
無線機をしまおうとしたマイケルに、もう一度無が繋がる。
「自由の意味を知ったようだな」
「ボス!何故だ、何故俺を自由にさせたい!」
「私は区役所に居る。安心しろ、罠は仕掛けない。楽に殺しちゃつまらんだろう」
「ボス!質問に答えてくれ!」
無線機からはボスの声は聞こえなかった。
「…行くか」
マイケルは無線機をしまい、息を漏らすように言った。
マイケル達は車に乗り、移動を始めた。
曇天の中走る車を、ゾンビはもう見向きもしない。
「本当に襲ってこないんだな」
「ああ、ショッピングでもしているかのようだ」
マイケルは車を止め、降りた。
「どうした?」
マイケルはハンドガンを撃ち、ゾンビを倒す。
そして黒い端末を操作する。
やがて上空にヘリが飛んできて、そこから白い箱が落ちてくる。
白い箱はマイケルの右側の道路に落ちた。
その白い箱の中には白い手袋、スポイトと試験管、弾薬が入っていた。
弾薬を箱から出し地面に置き、マイケルは白い手袋をはめる。
倒れたゾンビの血をスポイトから試験管に移し、コルクで蓋をする。
そして箱の中に手袋とスポイト、試験管を入れる。
端末を操作すると、箱は上空でホバリングしていたヘリに吸い込まれるように上がった。
マイケルは弾薬を拾い、車に戻る。
車に乗ると、アマンダに無線を繋げる。
「アマンダ、そっちにゾンビの血を送った。何か分かったら教えてくれ」
「ええ、分かってる」
マイケルは無線を切ると、ハンドルを握り、再び走り始めた。
区役所。
コンクリート作られた四角い建物。
さほど大きくはない。
「行くしか無いのか」
「決意はなくとも。今は行くしかないだろ。マイケル」
助手席に居るマルコはマイケルの肩を叩く。
マイケル達は車を降りる。
「ここにボスがいるんですか」
「ああ、用意は良いか?気を付けろ。もしかしたら罠があるかもしれない」
マイケルはドアを開け、銃を構える。
「あの、僕はどうすれば?」
「お前さんは真ん中くらいに居ろ」
マルコはハンセインを突き飛ばす。
マイケルに無線が繋がる。
「来たようだな」
「ボス!」
「私は最上階にいる。お前1人で来い」
無線はそれで切られた。
「聞いてたな。ボスの元には俺1人だそうだ」
マイケル達は引き続き建物内を進む。
そして最上階。
そこには大きな扉の前に、5人の軍人が居た。
「マイケルよ、来い」
ボスはそう言うと、その扉の向こうに行った。
マイケルは4人を警戒しながらボスの後を行く。
マイケルが扉の向こうへ進むと、4人の軍人の内の1人、ウェブリーは扉を閉めた。
「やりましょう」
ウェブリーは銃を地面に捨てる。
「何をしているの?」
「銃つまらない。拳をぶつけましょうか」
その時、扉の向こうから鈍い音がした。
「聞こえましたよね。こちらでも初めましょうか。右側、左側、貴方がたの後ろ側、そしてここ。それぞれに1人居ます。タイマンでいきましょう。面白く」
「何故―」
マルコがゾラキのその言葉を止める。
「いいぜ。そろそろ良い頃かと思ったんだ」
扉の前はすでにウェブリーだけになっていた。
「行きな。お前さん達、俺はやつとやる」
「分かりました。貴方に従います」
ハンセインは後ろの部屋に入る。
「正気なのか?」
「ああ」
カービンは左の部屋に入る。
「いいわ、それでも構わないわ」
ベレッタはドアを開け、右の部屋に入る。
やはりそこには男が1人居た。
マスクもゴーグルもしたままだった。
「あなたが私の相手?」
「そうだ。いつでもいいぜ」
男は握り、ベレッタは握らずに拳を構えた。
35kiです。
外出る気温じゃねえ。
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タイトルは『エターナルダークネスー招かれた13人ー』より




