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ゾンビCITY2〜彼の自由の求め方〜  作者: 35ki
第1節「遺跡」
23/42

21「終わらない冒険と失われた宝」

前回までのあらすじ

遺跡に着いたマイケル達、先に進むと最奥部にスタイヤーが。スタイヤーは床を爆破する。

 床は崩れ、マイケル達はその下の宝があるはずの部屋に落ちる。

 だが、その部屋の床も衝撃により崩れてしまった。

 マイケル達は更に下のマルコ達が居る部屋に着地した。

 多くがその場に倒れてしまう中、2人だけその綺麗に着地していた。

 エルドとスタイヤーだ。

 

 だが、肝心の宝は降って来なかった。

 穴が空いているのか、光が差し込んでいた。

 「マイケル!何があったんだ!」

 「聞こえただろ!爆発だ!スタイヤーが仕掛けた!」

 エルドは槍を右手に持ち、スタイヤーを向いている。

 『おめえはサーイの掟に逆らった』

 「掟だと?そんなものはどこにも無かった!」

 『これは文にして書き出すものじゃない!語り、受け継ぐものだ!掟に逆らった者はどうなるか分かるな?』

 エルドはそう言って槍を構える。

 「それは死刑ということだな」

 『そうだ』

 「ここで死なん!必ず宝を手に入れる!」

 スタイヤーはハンドガンを取り出した。

 

 スタイヤーが銃を構えようとするが、それより先にエルドは槍でその銃をはたき落とした。

 そしてそのまま突く。

 スタイヤーは体をひねり、避けようとするが、槍はスタイヤーの右腕をかすった。

 スタイヤーは左腕でエルドの腹を殴る。

 腹の中央にそれを食らったエルドは、槍を横に振り、スタイヤーを吹き飛ばす。

 2人は立ち上がる。

 エルドは槍を構え、スタイヤーに向かって全力疾走する。

 『うおおおおお!』

 スタイヤーは槍を蹴り上げ、飛ばそうとする。

 しかし、槍は飛ばず。

 代わりに血が飛び散った。

 槍はスタイヤーの腹のど真ん中に刺さる。

 スタイヤーは声も出せずにその場に倒れた。

 槍を抜き、今度は頭に突き刺して抜く。

 エルドはその槍を地面に置くと、ゆっくりと手を合わせ、数十秒目を閉じた。

 『向こうでは改め、幸多からんことを』

 最後にそう言い、目を開ける。

 

 マイケル達は、エルドに駆け寄る。

 「エルド。こいつはどうゆう掟に逆らった?」

 『祖先を思うこと。自分の利益を1に考えないこと。その2つだ』

 「その2つでか」

 『それが己等、サーイ族だ。こいつは言った、自分はサーイ族だと』

 「掟なら仕方ない、それに。スタイヤーは素行が悪かったらしい」

 「まあ、それはいいでしょう。それより、宝はどうでしょうか?」

 マイケル達はあたりを見回す。

 「なさそうだけど、どうします?」

 「ここにも、あっちにもない。まさか…」

 「心当たりがあるようね」

 「ええ、サーイ族は外敵から宝を隠した。それがここ、だけど宝はなかった。どこの文献にも、ここから宝を取ったという記録はなかった。でも1つだけ、気になる文献があった。簡単に言うと、この地から出港した船が行方不明になったということ」

 「その船を今度は探すと」

 「そうなるね、ほら、そこにとても元からあったようには思えない穴があるだろう」

 アンが指差す方向には、丸い穴が空いていた。

 「あそこから奪っていったのね」

 「そんなことよりも、早く出よう。腹も減った」

 「それじゃあ、そうしよう」

 マイケル達は壁を登り、その穴から外へ出た。

 

 出た先は海岸、砂浜だった。

 「これからアンはどうするんだ?」

 「一回戻ることにする。そして装備を整えて、その船を探すよ。ポイントはある程度しかない」

 「それじゃあ、ヘリを呼ぶ」

 マイケルは端末を操作した。

 数分後、ヘリが西の空から来て、マイケル達が指定したポイントに着陸した。

 「それじゃあ、何ヶ月後にはあたしの名が世界に出ることを祈るよ」

 「最後に聞きたい、お前は何故宝を求めてる?」

 「富と名誉、そして何より、冒険してるときの興奮よ。私はその時、真に自由になれる」

 「…そうか。ありがとう。頑張ってくれ」

 「そっちこそ頑張って」

 マイケルとアンは握手をした。

 扉を締めると、ヘリは来た方向へ飛び立っていった。

35kiです。

クリスマスですね、皆様どうお過ごしでしょうか。

私は家から出たくないです。

Twitter→@35ki_1

タイトルは「バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海」より

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