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ゴンザは言った。
「コイツを倒そう」
「で、でも… 希少種よ?大丈夫なの?」
「大丈夫だろ。結局はオオトカゲだ。
いつもの戦法でやるが一発では
仕留められないだろう」
僕は不安を覚えた。
「なら、どーするんです?
失敗したら僕達は死にますよ?」
「俺がアイツを引き付ける。その隙に
2人でありったけのスキルを叩き込め」
「…」
「そうね、私たちなら出来るはずよね」
「ああ、そうだ。やるぞ!」
「分かりました」
そして僕達は行動を決行した。
ゴンザは茂みから出てオオトカゲ希少種を
挑発し突進をさせた。
僕達はゴンザが受け止めた所を頭を狙い
スキルを発動させる算段だ。
ボス以外のモンスターは身体の何処かに
急所がある。そこを攻撃すると即死に至る。
僕達もそうだ。心臓と頭を攻撃され
突き刺さるとそのまま死亡してしまう。
オオトカゲ希少種がゴンザに向かい突進。
ゴンザは大剣で防御に入るが…
勢いのまま吹き飛ばされた。
「ゴンザ!」
僕はそう叫んだ。
エリは心配そうな顔をするものの
自分の仕事をこなそうとした。
「ラッシュ!」
エリのスキルでオオトカゲ希少種に攻撃するが…
オオトカゲのHPゲージを1割しか削れてない。
そしてオオトカゲ希少種の反撃。
尻尾を大きく振り回し僕達を襲った。
エリと僕は防御に成功したものの吹き飛ばされた。
防御したのにも関わらず僕の
HPゲージは3割削られていた。
そして、吹き飛ばされた影響で
身体中に痛みを感じていた。
そう。ダメージを受けると痛みを感じるのだ。
腕を切られるとそれ相応の痛みを伴う。
オオトカゲ希少種の不意を突いて
ゴンザが大剣で振りかぶったが
尻尾で吹き飛ばされてしまう。
痛みで気絶しているエリ、
残りHPゲージがないゴンザ、
恐怖で動けない僕。
そう、まさに絶望的な状況だった。