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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
92/162

92話 意外な才能。

俺は木で出来た剣を持っている。

そして周りの人は邪魔にならない距離まで離れている。


「俺からは攻撃は一切しない。一本でも撃ち込めれば貴様の勝ちとしよう。」

「…わ、分かりました。」


平和な世界に武器なんて無いし、漫画やゲームでしか見た事無い。

ふと後ろを確認するも、止めてくれそうな網野さんは学園長が止めてるし。

先輩に至っては…。


「翔くん!ここまで来たらやるしか無いよ!頑張れ〜」


この状況をどう思っているか分からないけど、先輩が言うように選択肢は無さそうだ。

後は考えても仕方がない。


ーブン!ブン!

大振りしても当たらないだろうし…


ーヒュン!ヒュン!

ふむ。

ラケットと同じ感覚で、剣に魔力込めたらどうなるかな?


ーシュン!シュン!


「ほぉ…。準備はいいか?」

「あ、はい。すいません。いけます。」

「では…どこからでもかかって来い!!」


俺は地を蹴って相手に飛び込む。


「素早さはあるようだが、正面からと…」

ーヒュン!

「む!」

ーカン!

「後ろに回り込むのはいい判断だ。」

「軽く止めてそう言われても。」


俺は一気に距離を詰めて、一度フェイントを入れて背後から剣を振った。

簡単に剣で受けられて、俺は一先ず距離を取る。

とにかく撃ち込まなきゃ勝てないし、難しく考えるのはやめるか。


「…は!」

ーカン!カン!カン!

「…せぁ!」

ービュン!

「おっと。蹴りの動作がバレバレだぞ。」

ーカン!カン!ビュン!

「…ん、こうかな。」

ーカン!カン!カン!カン!ヒュッ、ビュン!


撃ち込んでも軽々避けるし、この人凄くないか?

魔物と違って人と戦うのって難しいな。

俺が戦い慣れてないって言うのもあるだろうけど。


「和歌よ。翔は何か武術経験あるのかの?」

「ん〜やってたとか聞いた事ないよ。」

「それであの動きが出来るのは凄いの。」

「いっぱい避けられてるし、剣も受けられてるけど凄いの?」

「動きも単調って訳もなく、フェイントやおまけに緩急も…素直に凄いと思うぞ。」

「へ〜。それだけ色々やってるなら、もうすぐ終わるかな。」

「終わるとは?」

「前に翔くんから聞いたんだけど、どんな相手も色々やってくるって印象をさせるようにするって。」

「まぁあの動きを見るに十分じゃの。それと終わるっと関係があるのかの?」

「うん。翔くんならもう仕掛けるはずだよ。それで…勝つよ。」

「ほぅ。それは目が離せんの。」


ーカン!カン!カン!ビュン!ビュン!ピタ。

「む?」

「ここ!!」


今まで右足に溜めた魔力を上に蹴り上げる。

武器を受けさせるつもりで構えた相手の武器目掛けて。


ーバキ!

「なっ!?」

「はぁ!!」


その勢いを殺さないよう回転の力に変え、全力で剣を横薙ぎにする。

今までよりも1番早く。


ーガ、バキ!

「…これって一撃になりますか?」


全力で振った剣は相手の小手に当たって折れてしまった。


「ふふふ…見事だ!この勝負翔の勝ちだ。」

「ふぃ〜…きっつい。」

「あれが実戦で剣が本物であれば、俺の腕は吹っ飛んでたな。」

「いや。色んなハンデがあったからですよ。本当なら俺は先にやられてますよ。」

「翔は謙遜だな。しかし実力は見せてもらった…テトラ!」

「な、なんじゃ。」

「翔が居たなら、美女2人くらい護れるだろう。」

「おぉ!そうじゃろ。翔達は凄いんじゃて。ははは!」

「そちらの黒髪美少女とも手合わせ願いたいな。」

「ん?あ〜それ私?私は和歌だよ。」

「そうか。失礼した。和歌。で、一戦…」

「に、兄様!」

「「にいさま?」」

「ん?あ、まだ名乗ってなかったか。騎士部隊長している網野(あみの)アメリだ。アメリと呼んでくれ。」

「網野って事は…。」

「わ、私の兄です。に、兄様まずは話を聞いて欲しいの。」

「なんだい?何でも言ってごらん。」


勢いで始まった戦いも無事終わり、網野さんが無理やり話を戻す。

聞く体制になった網野さんのお兄さん。

そしてここに来た経緯をやっと話し始めるのであった。


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