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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
78/162

78話 負けられない。

さっきまで周りの声援やらで、少し騒がしかった。

今はすごく静かだ。

誰しも息を飲む感じが伝わってくる。

魔力もまだ余裕があるし、ここで勝っておきたい。


「5ポイントマッチとは言え、今日こそ勝たせてもらいますよ。」

「ん?何か言ったか?」

「いえ。いきますよ。」

「あぁ。全力で来い。」


ースッパーン。


「こちらも全力でいく!」


ーズパァァン!!


「今度は止めます!」


ーパン。


「しっかり対応してくるのは流石だが…」


ーズパァァン!!


「っく!?」


ーパン。

ーズパァァン!!

ーごつん。


「ふぅ。」

「速すぎる…やっぱ返すので精一杯だな。」

「あ。サービスオーバー・スリー・フォー」


やっぱり網野さんは凄いわ。

あのスマッシュ3回は受け切れない。

手前に落としたいが、そんな余裕ないから中途半端なロブになるだろうし。

次の向こうのサービスで決めるしかない。

…俺はもう少しサービス練習が必要だな。


「さぁ次行くぞ。」

「はい!お願いします。」


ースッパン。


やっぱりショートサービスか。

ロングサービスなら、スマッシュやドロップって手があったけど…!


ースパ!

ースパ!

ーピン。

ーピン。

ーピン。

ーピン。


ネットギリギリに打ってるんだが、ヘアピンも難なく返してくるな。


ーピン。ッス。


あ。これはまずい。


ーパン。

ーパシュ!

ーこつん。


「ポイント・フォーオール」

「ネットすまない。」

「いえ。大丈夫っす。」


ギリギリ攻めてれば、ネットに触る事もあるだろうけど。

網野さんの場合狙ってそれができそうだな。

ミスの可能性もあるのに攻めてくるな。

さて、5ポイント先取だからどうなってもこれで終わるのか。

ショートか、ロングくるか…。


ースッパーン。


ロング!


ーズパァァン!


「ほぉ…なかなか。」


ーパン。


「セァ!」


ーズパァァン!!

ースパ!


「な!?」


ースパ!

ーピン。

ーピン。

ーパン。

ーパーン。


「これで…!!」


ーズパァァン!!

ーごつん。


「ゲ、ゲーム。ワンバイ網野……師匠。」

「…はぁはぁ。くぅーまた負けた。ありがとうございました。」

「ふぅ。まだ負けられないさ。だが良い試合だった、ありがとう。」


渾身のスマッシュもドライブで崩された。

あー勝ちたい!もっともっと練習必要だな。


「すっげー試合でした師匠!」

「あ、あぁ。ところでその師匠なんだが…。」

「網野師匠!俺達も練習すれば、こんな試合出来ますか?」

「ん?まぁ練習や訓練していけば。で、その師匠なんだが…。」

「よっしゃー!頑張ります!師匠!」

「…あ、あぁ。」


網野さんは師匠と呼ばれるのを直したいみたいだが、男子は皆で師匠と定着してしまっている。


「網野さん。もう師匠でいいじゃないですか?」

「はぁ。まぁ様付けよりはマシか。」

「……。」

「兵頭様!お疲れ様です!タオルどうぞ!」

「兵頭様!飲み物もありますよ!」

「…あ、ありがとうございます。」


何故か俺は様付けが定着してしまった。

差があり過ぎて諦められるよりマシか?

でもなぁ…。


「あのさ、様付けなんだけど…。」

「はい!兵頭様!何かご用ですか?」


ぽんっと網野さんに肩を叩かれる。


「翔よ。諦めよう。」

「…その目は辞めて下さい。」


私も師匠と呼ばれているんだ諦めろ。

諭すように目で訴えてきた。

こうして短いようで長い試合が終わった。


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