33話 一体どこまで、いけるんだろうか?
―ズパァン!
―パーン。
―パーン。
―ズパァン!
―パーン。
―パーン。
―ズパァン!
「てか、どれだけ打ち合うんですか!」
「…2人ともよく拾うな。」
―ズパァン!
「サービスオーバー、イレブン・テン」
「やった!決まった。」
「くっ。まだまだこれからよ!」
「和歌先輩…可愛い。」
「…ん?翔、何か言ったか?」
「なんでもないですよ。」
「ふふ。まぁいいだろう。」
スマッシュ合戦が一息ついた。
つい心の声が漏れたが、網野さんにばれたかもしれない。
ヘレンさんも網野さんも変に広めないだろうけど。
気をつけないと、いずれ全員にばれそうだ。
―スッパン。
―スパ!
「お。負けないよ!」
―スパ!
「こっちだって。」
―スパ!
―スパ!
―スパ!
「…これは、球種固定なんですかね?」
「さぁな。2人の間に何かあるんだろうな。」
今度はショートサーブからドライブの打ち合いになった。
どうやら2人の中では譲れない何かがあるのか。
やたらと打ち合う。
―スパ!
―スパ!
―スパ!
「2人ともよく拾うし、これ終わりますかね?」
「ドライブだからな、一瞬の駆け引きではルカの方が有利だと思うがな。」
「ルカさんは駆け引き得意とか?」
「一瞬の駆け引きはルカが得意だと思うのだ。和歌は直感で見てから動く感じがするからな。」
「あぁ。難しい事は考えるの苦手ですね。」
―スパ!
―スパ!
「サービスオーバー、イレブン・オール」
「くぅ。あっちだったか。」
「ふふ。和歌は素直ね。」
2人の中でいろいろな駆け引きがあるみたいだ。
今回のドライブはルカさんに軍配が上がった。
―スッパーン。
―パーン。
―パーン。
「今度はクリア対決ですかね。」
「これも左右に振っているが、これは動ける方が有利だろうな。」
―パーン。
―パーン。
―パーン。
「サービスオーバー、トゥエルブ・イレブン」
「ふぅ。和歌は、よく動くわね。まだいけるかしら?」
「ありがとー。うん。まだいけるよ。」
「そう来なくちゃ。来なさい。」
「うん!」
2人ともあれだけ動いているけど、これ第1ゲームだよな。
先輩の魔力はどれだけあるんだろうか。
「和歌先輩とルカさんの魔力の量で言ったら、ルカさんの方が上ですかね?」
「魔力の消費具合は同じ感じに見えるが。ルカの方が高いと思う。多分な。」
そう言ってる間にヘアピン合戦が始まってる。これも長いな。
今の所、均衡してるから。このまま行けば先輩が先に魔力が無くなると思うけど。
俺が少なすぎるのか。
―ピン。
―ピン。
―ピン。
―ピン。
「このヘアピン終わるのか?」
先輩の魔力は底なしなのか?一体どこまで、いけるんだろうか?