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結構マジでやってます。  作者: みけな
第一章 終わらない始まり。
24/162

24話 勝利は命がけ。

「はぁ…はぁ…。」


もう何本走っただろうか。

走りながら見てきたけど、網野さんは魔力の使い方が断然うまい。

リコさんとローランドさんは魔力自体が多いから出来る使い方だ。

俺ももう魔力が残り少ないと思う。一度は勝ちたい。仕掛けるなら…

クラウチングスタートで…。手足に魔力を…。


「…ふぅ。しっ。」

「…ほぉ。」

「ん?ヘレンどうしたの?」

「…次。」

「次がどうかした?」

「…来るぞ。」


ここで行かないと後がない気がする。

網野さんの魔力の流れ、瞬発力の振り分けをぶっつけでやる!


「次いくよー。よーい。どん!」

「…いけ。」

「っし!」


まずはスタートダッシュ成功だ、次の着地に合わせて魔力を噴出すイメージ。ここだ!!


「…!」

「うそ。きりんと競ってる。何あの速さ。」


網野さんがこっちに一瞬だけど、気を逸らせた!行ける!このまま駆け抜ける!


「翔くん!!」


先輩の声に気づいた時には壁が目の前に。ドン!


「…無茶をする。」

「ヘ、ヘレンさん?あ、すいません。助かりました。」

「あれ?ヘレンいつの間に。」


前に行く事しか考えてなくて、壁まで失速無しで突っ込むところだった。

ヘレンさんが先回りしてくれて、激突は免れた。


「翔よ。今のはいい走りだったぞ。後先を考えないのは頂けないが。」

「あ、はい。すいません。どうしても一度は勝ちたくて…。」

「もう!だめだよ翔くん!心配するでしょ!」

「わ、和歌先輩。ごめんなさい。」

「確かに無茶したねー。でもきりんに勝てたの翔が初めてだよ。」

「え?俺、勝てたんですか?」


先輩に怒られた。けど得たものはあった。次は人に迷惑かけないようにしないとな。

でも、ヘレンさんが助けてくれなければ壁に激突だったのか。

網野さんが100メートルを6秒くらいで走っていたから、時速60キロくらいで壁に突っ込んだら…。

確かにこれは怒られるかもな。


「でも翔はすごいな!俺はあんな速さ出せないぜ!がはは!」

「にゃはは。なんならリコが教えてあげよーかー?」

「がはは。それはいらん!とりあえず筋肉が足りないな。鍛えるぜ!」


ローランドさんはあれだけ走ってもまだまだ元気だ。魔力どれだけあるんだ。

リコさんが教えるとか言っているけど、脚力を鍛える。

筋肉つけすぎると遅くなるって聞いたことあるけど。


「とにかくだ。午前はこれで終わろうと思う。み、皆。お、お疲れ様です。」

「あ、元に戻った。きりんちゃん面白いねー。なでなで。」

「網野さんの切り替えが速いのって魔力に関係が?」

「…ない。」


網野さんが通常モードになって、訓練は終わったみたいだ。

先輩が網野さんを愛でてる。隊長さんですよ?先輩。

切り替えが早いのは魔力に関係がない。ヘレンさんが言うからこれは個性なんだろう。


「にしても腹減ったな!学食行こうぜ。」

「いこいこー。リコもペコペコー。」

「そうね。食事しながら午後の事は決めましょうか。」

「い、行きましょう。」

「…。」

「翔くん、翔くん。」

「はい?なんですか和歌先輩。」

「後でさっきの教えてね。次は負けないから!」

「はは。和歌先輩は負けず嫌いですね。勝てたのあの1度だけですよ。」


俺達は朝食べた学食に皆で向かう。

いろいろあったが、ふと思うことがある。


「あれ?これバドミントンの練習じゃないのか?」


打ち合いから始まり、地獄の100メートル走を終えてみて濃い午前中だったなと思った。


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