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結構マジでやってます。  作者: みけな
第三章 旅の終着とその先。
157/162

157話 安全第一で均衡?

システムさんと色々話しをしていたが、話が尽きる様子が一向に無い。

途中で灯台の話が出てきたタイミングで抜けるなら今だと思い抜けてきた。

俺に便乗して奏人さん、おまり喋らないきりんさんを連れて上に登って行く。


「灯りの部屋から光が漏れてますね。」

「灯台って光ってる時に部屋入っていいのかな?」

「どういう意味でですか?」

「眩しくないのかな〜っと思いまして。」

「あぁ、太陽の光程では無いと思いますよ。通常の灯台の灯りだったらですけど。」


奏人さんの話では元々灯台は道しるべ的な意味合いで、あまり光が強すぎると船乗り達が眩しいからと光は調整されてるだろうとの事。

どのくらいの距離まで届かせるつもりか不明な点と、異世界って事が不安ではあるみたいだけど。


「ま、眩しい。」

「海の方見ても何も見えませんね。」

「てか、外こんなに暗くなってたんだ。」


ゆっくりとした感じで光が回っている。

森の方見ると学園でも見えるかと思ったけど、よく分からないくらいく外が暗い。

下でどれだけ喋っていたんだろう。


「ん?今森の方に何か影が…。」

「ん?ん〜…あ、本当だ。何でしょうね?」

「!!翔、奏人伏せろ!」


きりんさんの声に驚き降りて達は咄嗟にしゃがんだ。


―ダン!

―バリン!!


「っく!?何かぶつかったぞ!」

「きりんさんがハキハキ喋るという事は魔物!?」

「その判別の仕方はどうかと思いますが、この灯台に何かくっついてますね。」


森の方から何かがこの灯台にぶつかった。

暗くて見えないけど…灯りがその何かを照らす。


「ひっ!!」

「きりんさん大丈夫ですか!?」

「今の声は私じゃないぞ?」

「え?」


かん高い声がしたんだが、隣を見ると奏人さんが足にしがみついていた。


「む、虫!お、俺ダメなんですよー!!」


灯台の光が回りまたその虫?を照らす。


「ひぃぃぃ!!!」

「奏人さん、落ち着きましょう。くっつかれると追い返すことも出来ません。」

「そ、そうだ…!ね!」

「コレは使えんな。奏人下へ行って和歌達を外に呼んできてくれ。」

「はいぃぃ!!」


今までで1番俊敏と言ってもいいくらいすぐに降りて行った奏人さん。


―ギギギギ!


暗闇に偶に照らされる顔だけ見てるとビクッとするが、奏人さんを見た後なのでどこか冷静になれた。

さてこれからどうするか…


―バキン!


「ばきん?」

「ん?」


音のする方を見ると、外に出る為の扉を持ってるきりんさんと目が合う。

まさかとは思いますが、それ何に…


「はぁぁ!てりゃ!!」


―ビュン、ガン!………ドシーン。


「とりあえず落としたぞ。さて外に行こうか。」

「あ、はい。」


壁にへばりついた魔物の脳天に扉を投げつけて落ちて行った虫。

そのまま俺ときりんさんは外に出る。


―ギギィィ!


痛い!と聞こえる気がするけど気のせいだろう…。


「さて、とっとと片付けるぞ翔。」

「こんなでっかいカブトムシどう闘うんです?」

「森から来る時は飛んでいたからな、空に行く前に倒したい。」


―バッサァ!


目の前で大きな翅を広げた特大カブトムシ。


「させん…たぁ!」


―ガン!

―ギギ!ビュン!!


「きりんさん!」


きりんさんが飛ぼうとしたカブトムシを跳び蹴りで阻止。

ガンっと鈍い音がしたが、カブトムシは反撃で大きな角で横になぎ払ってきた。

着地前に狙ってきた角が当たる前に、空中にいたきりんさんを回収。


「す、す、すまん。助かった…そ、それで、お姫様だっ…」


―ビュン、ビュン、ビュン。

―ヒュン、ヒュン、ヒュン。


「危ないですよ…ほっ、よっ、と。」


連続で角で攻撃してくるのをきりんさんを抱えたまま避ける。


「一度距離を取りましょう。」

「あぁうぅ。」


腕の中にいるきりんさんは大人しいな、さっき蹴った時足でも怪我したのかな?

距離を取り地面にきりんさんを降ろして聞いてみたが怪我はないらしい。

カブトムシを見ると翅を拡げて飛ぶ所だった。


「そぉい!」

―ビュン!バリ!


「またデタラメな速度で投げるのね…あんたは高校球児か何かだったの?」

「ん?バドミントン部だよ?」


入口から先輩と坂俣さんが出てきていた。

さっきの音はどうやら先輩が何か投げて翅を貫通したらしい。

カブトムシが飛び立てず、地面に戻される。


「和歌先輩!坂俣さん!角気をつけて!」

「お、そこにいるのは翔くんときりんちゃん!」

「近づかなきゃいいんでしょー?石でも投げてるわー。」


―ヒュン、ガツン!


「普通に硬い?あんまり効いてなさそうだわ。」

「そうなの?とぉりゃぁ!」


―ビュン!カ…チュン。


「って!!…こっち弾かれてきたんですけど!!」

「え〜?聞こえないよ〜な〜に〜??」

「きりんさん和歌先輩の方に行きましょう。」

「そうだな、あんなの当たったら……考えたくもない。」


カブトムシの魔物は硬いからか、もしかしたら弾きやすい表面なのかもで遠隔攻撃が弾かれる。

本当は挟み撃ちの方が色々いい気もするけど、魔物の攻撃より先輩の攻撃を気にするとなると正面に構える方がいいだろう。

きりんさんが言って考えるのを止めたけど、あの石の威力は海王種の魚で見ている。


しばらく戦闘は進み。


「っほ、せい!ん〜。」


―ヒュン、ビュン!ガ、チュン。


攻撃を避けて石を投げて牽制する先輩。

やはり弾かれて、また攻撃を避けつつ石を投げる。


「大きめなのなら…せぁ!」


―ビュン、ガゴン。


きりんさんは出来る範囲で試しつつ戦っている。

大きい石での攻撃については、速度が足りず今一つ効いてなさそう。

ちなみに飛び蹴りのような隙が大きいアクションは控えてもらっている。


「これはどうしたものかしら。」

「こ、昆虫なら、やはり火かな?」

「それも一つ考えたんだけどね。でも魔法みたいな事出来ないから、火を起こしても焚き火程度なのよ。」

「お、俺らもここから石投げる?」

「和歌が投げて弾かれてるし、それにあそこの3人に混ざるのはまだ無理ね。」

「そ、そうだね。速すぎて偶に見失うしね。」


坂俣さんと、奏人さんは灯台の入口前で待機中。

虫の戦闘では使い物にならないと言うきりんさんの意見から奏人さんは見学。

坂俣さんは石での牽制と奏人さんの面ど……おもり?…あ、護衛をお願いしている。



「角はこうか…脚は使わないのか?ここと、ここと、ここは……どこも硬いな。」


―ヒュン、ッサ、ガ、ガ、ガ。


角の攻撃を避けて、距離を取りつつ各部位に軽く攻撃をしてみるけど硬いな。

考えも無くは無いんだけど、あまりやりたく無いんだよな…。


「翔くん!っと。どうしようか、ネタ切れだよっと。」

「こちらもだ。」

「無くはないんですけど。グロいと言いますか、気持ち悪いような。」

「ペシャンコも貫通もやった翔に怖いものなんてないよ。」

「言うだけ言ってみろ。後は私らでも考えるから。」

「そうですか…先ずは甲羅を剥いで、脚を一本ずつ…」

「「グロい!!!」」


後ろの方の見学組2人から抗議があった。

俺もそう思ってたから、あまり言いたくなかったんだけど。


「後は角を折って、森に帰ってくれるかな〜ぐらいですかね。」

「自信喪失させるって感じだね。」

「武器破壊か。だがそれをするにも、あの攻撃を止めないとだな。」


何かないかと考えつつ戦闘は続く。

安全第一だから大胆な行動に出にくく、負けないけどどうしても均衡した感じになってしまう。

異世界なんだから、なんでも切れる伝説の武器とか魔法があればなっと今更考えてしまう。


「おや?お困りですか?」

「「え?」」


突然灯台の中から声がして1人の少年が出てきた。

灯台の中から?でも誰も居なかったはずとか考えていたが、今はそれどころじゃ無いな。


「すいませんが、決め手がなく助けて頂きたいです。」

「あぁ了解だ。」


二つ返事で了承してくれる謎の少年。

この後はまさかこんな事になるとは…っと今の俺達は誰も想像していなかった。


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