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結構マジでやってます。  作者: みけな
第三章 旅の終着とその先。
153/162

153話 力を示せって違う?

白くてそびえ立つそれは正に灯台。

夜になって灯りでも着くのかと思ったけど、今は使われていないのか暗いままだった。


「おかえりなさい、和歌先輩ときりんさん。」

「ぐるっと見たけど何もなかったよ。」

「窓なども無いから、入る場所はここだけなのかもな。」

「そうなると正面から行くしか無いですね。」


休憩中暇だった先輩が周りを見て来たいって言って来たので、1人だと心配なのできりんさんと一緒にいったきてもらった。

特に走らず回って来たみたいで、10分くらいで戻って来たことから建物的に大きいわけだは無いみたいだ。

入口もここの一箇所って事になるんだけど…。


「何か気になる事でもあるの?」

「いや…まぁ…和歌先輩、これ何て書いてるか分かります?」

「む。これくらいの漢字くらい読めるよ。『勧誘お断り』でしょ。」

「そうなんですよ…。」

「それがどうかしたの?きっとこっちの世界でもしつこい人が居たんだね。」

「…そうですね。あれ?俺が気にし過ぎなのか?」


灯台の扉の横にはインターホンらしきボタンがあり、すぐ下に『勧誘お断り』の札がぶら下がっている。

念の為きりんさんに聞いてみたが、勧誘って文字が読めず意味も分からないみたいだ。

漢字で書いてる時点で、ここに居た人は日本人である可能性が高い。


ふと思ったけど、この世界の言葉が日本語なのはどうしてだろう?

言葉も通じたし、食堂のメニューも読めたな…。

異世界だからってご都合で解釈していた、初めは疑問に思っていた…ような気がするんだけど。


「翔くん。難しい顔してどうしたの?」

「あぁ…疑問がまた増えたなって考え事しててまして。」

「よく分からないけど、言ってみてよ。皆んながいれば分かる事もあるよ。」

「そ、そうですね…」


俺はさっき考えていた事を皆んなに話してみた。

それぞれ言われてみればと言う反応で、いつからそうだったかよく覚えていない。


「成る程、私は全然気にしてなかったよ。確かに学園長が始めに英語喋ってたら困ったね。」

「和歌はそんな感じがするわ。私も気にして無いわね。奏人がいたからって事もあるけど。」

「僕もそれは気になった事があったけど、調べるうちに違う事に興味がいってね。」

「ふむ。ちなみにきりんさんはどうですか?」

「ん?私は幼い頃から兄と過ごしてきたからな。これが当たり前なんだと理解している。」

「そうですよね。」

「外の世界には興味があったが、兄が頑なに連れて行くを拒んでな。」

「分かる〜アメリさんって物凄く過保護だよね。きりんちゃんはこんなに強いのに。」

「父も母もいないからな。兄は色々背負い込み過ぎなんだよ。だからか私も無理は言えなくてな。」


皆んなの話を聞いて言葉の部分は分からなかったけど、意識を操作されるみたいな事は無いようだ。

興味が別に行くのは人間の差がとも行くる事だしな。

結局どの世界でもどこに疑問の着地点を置くかで話は変わってくる。

産まれや育った環境に人との付き合いなんかでも変わるだろう。


この考えは忘れずにゆっくり考えていくことにしよう。

さて2人も回復してきたから行動を開始しますか。


「まずは…ポチッと。」

「ちょっと!?……何にも起こらない?」

「天は驚き過ぎだよ〜。ただピンポン押すだけだよ?」

「普通ならそうなんだけどね…はぁ、なんかもういいわ。慣れるしか無いわね。」


扉の横にあるインターホンを、何の躊躇いも無く押しちゃうあたりは予想の範囲内だ。

何が起きてもいいように構える。


『……。』

「何も無いね。どうしようか。」

「誰もいないと考えるか、出るまでに時間がかかるとか?」


インターホンって鳴らしてから出るまですぐとは限らないだろうって事で待ってみる。


『勧誘お断りだよ!もしそれでも僕に会いたいのであれば……えっと、力を示せ?』


何故に疑問系なんだ?それに今考えた的なフレーズだったし。


―ドガーーン!!


「「「「へ???」」」」

「ん?」


何してるの先輩?いや、そりゃ力を示せとは言ってたけどね。


「和歌…力を示せってそうじゃ無いと思うのよ。」

「和歌先輩、流石にそれは家主さんに怒られますよ。」

「…わ、私もそう思うぞ!」

「そっと後ろに右手を隠しても俺には見えてますよ?…きりんさんも同じ事しようとしましたね。」

「ち、違うぞ翔!私はもう一度これを押そうとな!」

「そうですね。」

「そ、その笑顔はやめて…ほ、欲しい…です。」


頭を使えって頭突きをする人も少なからずいるでしょうけど。

坂俣さんが言う通りそれでは無いと思う。

相場は門番みたいな何かが来て……。


「何も来ないわね。」

「門番来るパターンだと思ったけど違うみたいだね。」

「天も奏人くんも構え過ぎだよ〜。」

「疑問系だったし言ってみたかっただけとか?」

「そ、そうなんでしょうか。」

「翔くんもきりんちゃんも前向きに考えて、扉開いたよ?」

「「「「ソウデスネ。」」」」


こうなれば出たとこ勝負。

インターホンからの返答も無いし、陽も落ちて辺りが暗くなって来たし入るしか無いか。

半ば無理矢理こじ開けた扉を俺達は進む事に決めたのだった。


それしか選択肢ないしね。


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