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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
141/162

141話 終わりよければ?

奏人さんと異世界のあれこれ話してたら周りが静かになっていた。

ルフィス学園長の猛攻も終わったみたいだ。


「あの海王種は倒されたんでしょうか?」

「そこら辺に残骸が浮いてるから、討伐出来たんじゃないかな。」

「何事も無く終わって良かったですね。」

「橋も一緒に無くなりましたけどね〜。」


町に被害は無く、天河海の人々も大きい怪我等も無かった。

海に散らばる残骸に木片などは皆んなで拾いましたけどね!




「皆、お疲れ様でした。特に天河森の3名は昨日から色々と助かりました。」

「いえ。町も無事ですし、大きい被害が無くて何よりです。」

「ご飯美味しいから全然オッケ〜。」

「そ、そうです。こ、困った時はお互い様です。」

「そう言って貰えると助かります。今日はゆっくりお休み下さい。」


天河海学園から戻ってきた学園長と今は町の宿に来ている。

食事は海に投げた蟹を回収したものと蜂の巣にされた魚料理が並ぶ。

残骸とは言え、あの大きさの魚は辛うじて食べられる所が残っていた。


天河海の生徒達は船で学園に戻ったが、話足りない奏人さんと一緒に坂俣さんだけが着いて来た。

学園長は挨拶をして忙しそうに学園に戻って行った。


「ルフィスさんも一緒に食べていけばいいのにね。」

「あんなんでも学園のトップだし、今回の遠征も半ば無理やり着いてきたから仕事が残ってるみたいよ。」

「天…あんなんでもって。学園長なんだよ?」

「奏人はもっと砕けてもいいと思うけど。まぁお世話には凄くなってるんだけど。どうにもいつもの姿見てるとねぇ…。」

「その気持ちは分からなくもないけど。」

「遠征に来た時から凄くしっかりしたイメージで、凛とした感じが大人だなって思っていたけど。いつもは違うんだ。」

「それはそうよ。拡声器で声は聞いたでしょう?あれがあの人の素と言えば分かるかしら?」

「「「あぁ〜…。」」」


海王種の戦闘での声を聞く限り何となく納得出来る説明を坂俣さんにされて、声を揃えて俺達は妙に納得できた。


「凛としたとは違うけど、聡明な感じはテトラ学園長の方がありそうだと思うけど?」

「「いやいやいや。」」

「ふ、2人とも。が、学園長ですよ。」

「そうは言ってもきりんちゃん。テトラさんこそ暴れん坊さんだよ。」

「和歌先輩、それは言い過ぎですよ。テトラ学園長は天真爛漫って言うんですよ。」

「はは。結局のところ、どっちもどっちなんですね。」

「ま、まぁ否定は。で、出来ませんけど。」


お互いの学園長の事や学園での過ごし方などを話しながら食事はとても楽しく進んだ。

夜も深まって来てそろそろ寝る話になった。


「2人は部屋どうするの〜?」

「あ、そう言えば何も決めてないわ。和歌のとこに留めて貰おうかしら。」

「ん。大きめの部屋だし5人くらい大丈夫だよ。」

「それは助かる…わ?あれ、5人って?」

「私ときりんちゃんと翔くん。それに天と奏人さんの5人だけど?」

「は?え?一緒の部屋なの?あれ、でも昨日も泊まったわよね?」

「うん。泊まったけど?ねぇ?」

「そ、そうですね。」


先輩の泊まる話から一緒の部屋に寝泊まりしてる事に物凄く驚かれた。

学園では先輩と同室だし、森果町の時も部屋は違えど同じ家だった。

この町では宿を借りて、別々に払うより安いからって同じ部屋にしたなぁ。

慣れて来たからか何にも気にして無かったけど、言われてみればまずい気もして来た。


「まぁいいじゃないか。合宿みたいで皆んなで泊まる方が楽しいよ。」

「か、奏人は何言ってるのよ!男女同じ部屋なんて…。」

「でも翔くんとは学園で同じ部屋だよ?」

「え?貴方達…もしかして…。」


合宿気分で楽しいよって、そもそも学校行事は基本別々なんだけど奏人さん。

そしてそれに異を唱える坂俣さんは俺と先輩、きりんさんを順番に目を追って俺にもどってくる。


「坂俣さんが何を考えているか予想が出来ますが、俺達3人は何にもないよ。」

「あ。ソウナノ〜可哀想(ガンバレ)!」

「何だか分からないけど、そのガンバレに悪意を感じます。」

「ソンナ事ハ無イ。」


疑いの目を向けた後、何かに気がついた様に目を伏せて…哀れみの視線を向けて来た。

なんだその目は、えー全然意識されてませんよ!それがどうした!…うぅ。


「はは。よく分からないけど一緒で問題ないでしょう。」

「奏人さん…ちらっ。」

「その目は何よ?」

「坂俣さんも大変そうですね。だって…むぐっ。」

「言えばこの場で息を止める。」

「(コクコク)じっ。」


お返しに反撃の言葉を投げたら、力で止められた。

言ったら怒りそうだし、そこまで俺も無粋では無い。

そっと哀れみの目で見つめ…ぐふっ!?


「翔くん大丈夫〜?」

「これくらい、なんの、その!」

「元気だね〜でも夜だから静かにね。」

「うい。」


あの人は危ない、口から手が出るまでが早すぎる。

悩みは同じ匂いを感じるから心の中では同士と思っておこう。

対応は慎重に…出なければさっきの食事が出てきてしまう。




その後も話は続いた。

こういう時の話は、恋バナと相場が決まっている。


だがしかし!その話題は持っていかない様に坂俣さんと協力して、話を逸らすのが大変だったとだけ言っておこう。

結局俺達が寝たのは日が昇り始めた明け方だった。

特に急ぐ事も無いから、今日はゆっくり眠るとしよう。


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