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結構マジでやってます。  作者: みけな
第一章 終わらない始まり。
14/162

14話 バドであってバドじゃない。

やっとバドミントンやったよ。

ルカ先生の講座でいろんな事が分かった。

まずラケットを作ったのはなんとルカさんだった。発明が趣味で何やら他にもいろいろ作ってるみたいだ。

講座は、主に作るのに何度も試行錯誤した話。皆であれこれ意見を出し合って楽しかった事。

簡単に言うと、ラケットに力を込める。水や風を身に纏いそれをラケットに追おうイメージらしい。

おかげ様で?俺と先輩は維持が少し出来るようになった。と言っても気を抜くと消えるけど。


とりあえず、ガットの生成さえ出来ればスタート地点らしい。

ルカさんの試合の流れは見たほうが早いと、4人で訓練してるコートを見る。


「きりんとローランドがやってるのね。これはいいタイミングね。」

「コートやネットはそのままなんですねー。」

「ホントですね。網野さんのサーブですね。」


―スッパーン。ズバァァン!!ポン。ポン。パーン。ズバァァン!!!パーン。


「13-0」


ルカさんがタイミングがいいと言ったが、網野さんとローランドさんが試合形式でやっているみたいだ。

先輩の言うとおり。コートやネットは俺の知ってるバドミントンのコート。

網野さんのサーブで始まったが少し変だ。いや、だいぶおかしい。


「和歌先輩…今のスマッシュ見えました?」

「んー見えるような、見えないような。たぶん取れないかも。」

「ローランドはパワータイプだからねー。あれが武器なのよ。それもきりんにはあまり通用しないみたいだけど。」


網野さんのサーブはいいとしよう。

だがあのスマッシュはなんだ!?羽が出すようなスピードじゃないし!!

それを平然と拾う網野さんもすごい。てか変だ。結果的に二人とも。

そしてまた打ち合う2人。


―スッパーン。ズバァァン!!パーン。ズバァァン!!ポン。パーン。スパン!


「サーブ。スマッシュ。クリア。スマッシュ。ヘアピン。クリア。スマッシュ。って網野さんのスマッシュも速い!」

「マッチポイント。14-0。」

「きりんちゃんのは見えるけど。コースが綺麗だね。あれは取れないわ。」

「そうね。きりんはよく拾うし、コースが厳しいのよ。ローランドのスマッシュ拾う方が凄いと思うわ。」


とりあえず、何を打ってるかは辛うじて俺でも見える…かな?

先輩は見えてるみたいだ。しかしあれを拾うのか。ルカさんが言うとおり網野さん凄いな。


「今のはいい打ち込みだ。だが、着地から次の動作までの挙動が安定していないぞ。ふー。ラストだ決めさせてもらう。」

「まだまだ!どぎついの打ち込んでやりますよ!」


ローランドさんのスマッシュを返すだけじゃなく、相手の動きを指摘する網野さん。

指摘を受けて構えるローランドさん。目が燃えている。


―スッパーン。


「ぐ!セイヤー!!」


ローランドさんの気合が入るスマッシュが網野さん目掛けて飛んでいく。

―ズバァァン!!!スパ!


「あのスマッシュにドライブで返すとか…」

「…完全に見えてる。しかもローランドさんの正面。あれも取りずらいなー」


俺と先輩は食い入るように見ながら言葉が思わず漏れる。

―パーン。

正面に迫るドライブを左後ろにクリア。


「悪くないコース。だが甘いぞ!」


―スパーン!!

中央に戻っていた網野さんはスマッシュでローランドさんのいない角に打ち込む。


「ゲーム。ワン・バイきりん。お疲れさまー」


リコさんのコールでゲームが終わる。15点1ゲームでやっていたみたいだ。

中身は俺の知っているバドミントンだが、これはバドであってバドじゃない。

そんな気がした。


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