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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
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138話 作戦会議。

翌朝ルフィス学園長が来るであろう正午までやる事がないと町の外周を走る3人と1匹。


「何周かしてるが何も無いな。」

「確かに!何かモンスター的な何かが来てもいいのに。ねぇー翔くん。」

「救援要請あるくらいですから何か出てもおかしく無いですが、無いならそれでいいと思いますけど?」


きりんさんが何も無いと言うように救援要請が嘘のように静かである。

この町は前に行った南の森果町シンカチョウとは違って、南側は外周に簡単な柵と木材等を加工する広場ある。海側は市場のようになっていて、それらに挟まれた形で煉瓦造りの家が建ち並ぶ。


外周して時間を潰していると森の方から来る馬車の一団に出会った。

馬車から降りてきたルフィス学園長とセイルさん。


「3名ともお怪我は無さそうですね……。」

「皆様は会う時いつも走っていますね。ん?」


2人の視線が俺の横に?あぁ、アムールが気になるのか。

なんて説明するかなぁ…警戒はしてるみたいだけど。


「ル、ルフィス学園長にセイルさん。随分早い到着ですね。」

「え?あ、はい。3人に先行して頂いたとは言え私達の学園ですから。」

「色々伺いたい事もありますし、状況の説明聞きつつ海へ向かってもよろしいでしょうか?」

「それでしたらきりんさんお願いします。俺と和歌先輩は町に行って、天河海の人に声をかけて海に向かいます。行くぞアムール。」

「了解した。頼んだぞ翔。」

『うげ、まだ走るのか…。』


きりんさんにアムールの件含めて任せた方が話も早いだろう。

そう思い俺はこの場を去る事にした。

走り続けて疲れたアムールが何か言ってるけど、もう少し頑張って走ってもらう。



町に行き学園長が到着して、そのまま海に向かうという事を話し天河海の人達と海に来た。


「学園長!せっかくの遠征を急ぎお戻り頂き申し訳ありません。」

「よい。お前達もよくぞ無事でいてくれた。こちらの網野殿から話は聞いている。援護到着まで町を守ってくれた事感謝するぞ。」

「あ、ありがとうございます!」

「さて、後はあの獲物をどう地上に引っ張り出すかですね。」


天河海の人はルフィス学園長と話をしている。

とてもかしこまった感じがするけど、学園のトップだから普通はこうなのか?

うちの学園長とはなんか違うんだろう。


さて話を進めよう。

結果的にあの海王種をなんとかする事が目標である。

その為に武器等を準備したいが、武器自体は学園にあるという話。

橋を壊され地上から学園に行く事が出来ない現状。

方法は2つ、船を使い学園の下まで行き中に入る事と…。


「これだけ助走つけられれば越えられないかな?」

「ふむ、見た感じ30メートルくらい離れていそうだな。行けるか?」

「和歌先輩やきりんさんなら出来そうですね。でも危なく無いですか?」

「「え?」」

「ん?」

「やるのは翔くんだよ?きりんちゃんもそのつもりだよね?」

「そうだな。スピードに最期の爆発力は翔が1番だろうな。」

「でも、まだやるって決まった訳では無いですし。そんな事はやらないでしょうけど…。」


いつもみたいな流れで無茶苦茶な話が出てくる。

今回はこれだけ沢山の人がいるんだし無茶苦茶な事はしないだろう。

それに万が一跳んでいる時に海王種に食べられる可能性だってある。

あれ?ルフィス学園長がこちらを見ながら考え込んでるけど。


「翔さん。それって私を背負って出来ますか?」

「まず1人なら跳べると言う前提を否定したいです。」

「そうですよね。学園まで私が行ければあの海王種もなんとか出来るんですが…。」

「なんとか出来るんですか?ならやるしかないでしょ翔くん。」

「いや、そうは言いましても…。」

「なら、別の方法にする?」

「え?和歌先輩何か案があるんですか?」


よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの満面の笑み。

そして怪しい微笑みを残したまま語られる作戦とは…。


「まず1つ目はあの魚を釣る。砂浜にさえ打ち上げられれば後はフルボッコだよ。餌はそこの蟹でいいかな。」

「まぁ釣れればですが、まだ現実味がありますね。」

「2つ目は水面を駆け抜ける!右足が沈む前に左足を出して走って学園の下まで行く。」

「あ、はい。出来ると良いですね〜。」

「その笑顔ムカつくよ〜。別に今の私達なら出来そうじゃない?」

「そう言われると否定しきれませんけど。周りの人達は…」


周りを見て首を傾げるきりんさん。

学園長も首振ってるし、天河海の人達が揃って首を振るって事は試したんだろうか?

それは今度自分達で試してみよう。


「まぁ2つ目はいいや。ではでは最後の1つはこれだ!」


どこからか取ってきた石を高らかと掲げる。


「その石がどうかしましたか?」

「まぁ見てて、多分予想どうりなら〜…セイ!」

―ヒュン………ズバァァァァ!


「「「……。」」」

「あ、あれが何かに当たるとどうなるのでしょうか?」

「ん?当てたこと無いから分からないです。遠距離の攻撃ってなると何か投げるしか無いかなって。」

「何かに当ててもらいたいな…そこの小さい蟹の魔物に当ててみるか。」

「あ、和歌先輩。そのままそこからじゃなくて、町を背後に海に向かって蟹に当てて下さい。」

「?よく分からないけど了解。」


―ヒュン、チュゥゥン…ズバァァ!!


「「「……。」」」

「翔さんが海に向かっての意味が分かりました。」

「貫通して町にって考えたら洒落になりませんから。」


言葉が出ない方々が何人かいますが、そのうち慣れますよってと温かい気持ちで見守ることにした。

さて作戦会議もこれくらいにして誰かが纏めないとだな。

その辺はきりんさんがしてくれるだろう、俺はその成り行きに身を任せるだけだ…。

考え込むきりんさんと目が合い、嫌な汗が止まらないのは気のせいだと思いたい今日この頃です。


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