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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
136/162

136話 軽い気持ちでした。


河の終わり、海に出た俺たちは目の前の光景に息を飲んだ。


「こ、これはまた…。」

「綺麗だね〜水平線に沈む夕陽と夜が混ざり合う感じ。」

「おっと、あまり景色をゆっくり見てる場合ではなかったか。さて学園か町に行きたいな。」


景色を見て驚く。

学園は海の真ん中に見えるのがそうだろうと話し合う。

町の様子も気になるから、町を突っ切って状況確認しつつ学園に向かう事にした。



地上を走る俺とアムール。


『ここは町だよな?人っ子一人居ないな。』

「海王種って言うのが出たから避難でもしてんじゃないか?」

『そう言えば姉ちゃん2人が着いて来てないけど。』

「あぁ、2人なら…あれだ。」


屋根を飛び交う2つの影。


『俺はもう突っ込まねえぞ。屋根走ってるのに何故か俺達よりも前にいる事とか。』

「そのうち慣れるって。俺も慣れたし。」

『言っておくが、そこに翔も含まれるからな。』

「俺もか!?」

『どうして含まれてないと思った?』


アムールと屋根を飛び交うあの2人は異常だっと話す、何故かそこに俺がカウントされていた。

地面をちゃんと走ってるんだけどな。


走りながら町の様子を確認する。

家の明かりは付いているが、道に人が出ていないからか静かだ。

試合後15時に出て、途中アムールと合流して15時半。

そこから走り始めて今は…18時か。


「夕食の時間か。」

『飯時だから人が居ないとかじゃ無いからな。』

「そんなのは分かっている…。」

『ならいいが。なんか気になるのか?』

「…海鮮料理食べれるかなっと。」

『……。』


改めて時間見て思う。

馬車で4時間の距離で80キロはあった道のり。

初めから全力出せば2時間切ったかもしれない。

2時間半なら妥当か。


『まさかとは思うが、途中急いだのは飯時に間に合うようにか?』

「流石に当初の目的を忘れたりはしないさ。頑張れば2時間切れたかなっと思ってな。」

『馬車で4時間の道のりを2時間半に短縮、しかも走ってだから異常だかんな。』

「そうか?80キロを2時間半なら、時速32キロって感じじゃないか?」

『翔の言うジソクって何か知らないけど、2時間半休みなしで走れるものなのか?』

「いや、現に3人は走ったぞ?」

『まぁそうだけど。あれ?俺がおかしいのか?』

「深い事気にするな。ん?」


真っ直ぐ走っていると、海を遮る大きい何かと人の声がする。


「翔!はっきり確認は出来んが海王種らしき影が見えた。」

「逆光でよく見えないけど…ハサミのシルエットが見えたから多分大きい蟹さんだと思う。

「でかい蟹ですか。何れにしても人の声がしますし、突撃するしかないですね。」


2人が飛び降りてきて屋根から見た状況を教えてくれる。

声はするし行けば分かると俺達は走り出す。



「耐えろ!夜になれば奴は海に帰るはずだ!」

「学園長達が来るまで町を守れ!」


はっきり声が聞こえる。

倒れている人も何人か見えるから状況はあまり良さそうじゃない。


「チェストぉぉーー!!」

『!!!!!』


―バキ!ドーン。


一気に加速した先輩の飛び蹴りが蟹に炸裂。

何かが割れた様な音に、蟹が仰向け?に倒れた。


「せい!」

『!!!!!』

―バキ!ドゴーン。


倒れた蟹にかなーり高く跳んだきりんさんはそのままかかと落とし。

またも嫌な音に地面にめり込む蟹。


「翔!」

「翔くん!」

「あ、はい。」


2人に呼ばれ止まっていた時間を戻し、地面に埋まりもがく蟹に…。


「あ、ちょっと高すぎた。まぁいいか。」


自分でも驚く高さを跳んだが、気にせず拳を打ち込む。


―バキィ!!

『キィィィィ……。』


完全に動きを止めた蟹。

あまりにも突然の状況に誰もついてこれず静まりかえる。

殻を完全に突き破り、蟹の返り血を被り見た目は…。


「これが地獄絵図か〜」


暗くなり月明かりが照らす中。

天河海で1つの伝説?が語り継がれる事を俺は後で知る事になる。



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