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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
131/162

131話 夢からの脱出?

―パーン。

―パーン。

―スポーン。

―パン。

―パーン。

―パーン。


規則正しい音が響く。


『翔くん、翔くん。喉乾いた。』

『今試合中ですから、この試合が終わったら買いに行きましょう。』

『終わったら…。』


試合の解説は同じ事の繰り返しでいつの間にか静かになっている。


―パーン。

―パーン。

―スポーン。

―パン。

―パーン。

―パーン。


『翔くん、翔くん。眠たくなってきた。』

『お昼食べた後、ここでじっとしてますもんね。』

『はぁ〜動きたいなぁ…。』


打ち合いしている4人は規則的な動きは心地よい音程。

先輩はふらふらしてきた。


―パーン。

―パーン。

―スポーン。

―パン。

―パーン。

―パーン。


『翔くん、翔くん……。』

『はい?何でしょう?』

『ん、あぁ…なんでもない。』


話す事も無くなり静かになる先輩。

いつもは騒が…元気だから、こんな姿を見るのはレアだ。

ばれない様にこっそり見守る。


試合はクリアからのドロップ、ロブでリセットしてまた初めに戻る。

クールに見えるヘレンさんにも疲れが…見えないけど、どうなんだろうか。

その他3人は疲れているのが目に見えている。


『……。』

『クリアが少し下がったかな、魔力はもうすぐ限界なのかもしれないな。』

『そうですわね。』

『…。』


―すぱん!

眠っているテトラ学園長の頭を引っ叩くルフィス学園長。


『ふがっ!?お昼かの?』

『食べたでしょう。』

『そうか!おやつの時間じゃな!』


―すぱん!

寝ぼけたテトラ学園長に追撃が入る。


『痛いのじゃ。』

『あなたは学園のトップだと自覚をなさい!』

『皆しっかりしておるし、大丈夫じゃよ。』

『まったく。しっかり見ておかないと、色んなものを見失いますよ。翔さんもそう思いますよね?』

『え?あ、まぁ。でもテトラ学園長はこれでいいのかなって思います。』

『翔さんが言うのであればいいですが。』

『……すぅ。』


静かだと思った先輩は寝ている。机に突っ伏して寝ている先輩は可愛い。

ふと視線を感じた先を見ると、さっきまで寝ぼけていたテトラ学園長がにやにやした顔で見られている。


『そのにやにやは止めて頂きたいです。』

『可愛い生徒を見守らんとのぉ~。』

『それは見守るとは違うと思います。しかし和歌さんを見る目はとても優しいですわね。』


先輩が寝ていてくれて良かった。学園長2人に茶化されて顔が赤い気がする。

まったく、まだ試合をしていると言うのにこの人達は。


ビクッ!!

『はにゃ!あ~びっくりした。階段踏み外して12段も飛び越えたよ。』

『うわ!びっくりした。階段12段ってほぼスタートで踏み外したんですね。』

『びっくりだね。んーすっきりした。』


落ちる夢にびっくりして起きた先輩はいつも通りの反応だった。


『ところで和歌さん突然お目覚めになられてどうされました?』

『ん?おやつの時間かなって。』

『和歌先輩。そのネタはさっき…ん?』

『あと、試合が終わる気がして。』


ルフィス学園長のいう事に対して、テトラ学園長と同じネタを話す。

それはさっきやりましたよって、あれ?先輩寝ていたよな?

あ、いや。そんな事よりもだ。


『試合が終わるってどうい言う事ですか?』

『魔力の流れが変わったんだよ。まぁ見てみなよ。』

『『……。』』


慌てた2人の学園長が試合に目を向ける。

そして俺も目を向ける。


―すかっ…こつん。


魔力を維持するラケットのネットを通過して球が床に落ちる。

そう、長い打ち合いが終わりを告げた瞬間だった。


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