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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
129/162

129話 ノーミスは最強の攻め?

―スッパーン。

―パーン。

―スポーン。

「っく。」

―ピン。

―パン。

「あ…」


ドロップをヘアピンで返してネット前で勝負になると考えていた坂俣さん。

ロブを上げられて少し動きが遅れてしまった。


「(これじゃ間に合わない…いや!まだ!)」


後ろに一歩踏み出したところで坂俣さんは止まった。


(ソラ)ぁ!ステイ!」


―パーン。

―パーン。

―パーン。


それを拾った奏人さんはエンドラインのギリギリを狙ったクリアを打ち続ける。


「(はっ!ステイってなんなのよ。私は犬じゃないわ。)」


―パーン。

―パーン。

―パーン。


すっすす…。

クリアを打ったタイミングを見て手話でサインを出す。

…前に…。

相手が見ているかの確認はしていない。


―スポーン。

―ピン。


奏人は私をいつも見てくれる!


「せぃ!」

―パシュ!


「サービスオーバー、ツー・ファイブ。」


『おぉ〜っと!ここでサービス権を取り戻した天&奏人くんペア!』

『今のは自然でいい動きでしたわ。』

『硬さも少し抜けたかの?』

『さてどうでしょう。でも彼が声をかけて動いてから変わったのは間違いないですね。』


「奏人、あの…。」

「しっ。」

すっすす、すす。


「ヘレンはどう思う?」

「…長くいく。」

「やっぱそうなるよね。でもなぁ…。」

「…。」


―スッパーン。

―パーン。

―パーン。

―パーン。

―パーン。


「さすがになぁ。」

「……。」


クリアの打ち合いで出方を窺う。

この流れをあまりよく思っていないルカさんと、ヘレンさんは何かを…分かんないけど。


―パーン。

―パーン。

―パーン。

―パーン。


「いち、に、さん!!」

「うーん。」


クリアの打ち合いで出方を窺う。

返球に全力で打ち返す坂俣さんと、奏人さんは何か考えている。


―パーン。

―パーン。

―パーン。

―パーン。


『どうしよう。たいk…むぐっ。』

『和歌先輩。それは言ってはいけませんよ。』

『ふぐっぐ。』

『でも、これは…。』

『『退屈ですわね(じゃ)。』』

『学園長…。』


先輩の口を塞ぎ言わせないようにしたんだけど。

それを揃って口に出した学園長2人。


―スポーン。

―パン。

―スポーン。

―パン。


それを聞いてなのか先に動いたのはヘレンさんだ。

ロブで返ってきてもドロップを打ち続ける。


そのドロップに対してヘアピンではなく、ロブで返す坂俣さんと奏人さん達。

ネット際の勝負は避けているのか、勝負には出ないで打ち返す2人。


『攻めているのはヘレンさん達だよね?意外だよね。』

『そうですね。もう少しリスクの低い戦い方すると思いましたけど。』

『ヘレンは元々ああじゃぞ?』

『大人しく見えますのに。』


―スポーン。

―パン。

―スパ!

―パン。

―スポーン。

―パン。

―スパ!

―パン。


ドロップで前に落とすヘレンさん。

ドライブで隙間を塗って打ち込むルカさん。

それに対してロブで安全重視、もしくはどっかで攻めてくるのか。


―スポーン。

―パン。

―スポーン。

―パン。

―スポーン。

―パン。

―スパ!

―パン。


「ん~相手も慎重だね。」

「…このまま。」

「ん、了解。」


静かな2人は動きを変えずにそのまま動く。


「とぉあ!」

「これはこれで、だけどやばいかもな。」


吹っ切れた坂俣さんは変わらず元気に打ち返す。

そんな彼女をみて、少し渋い顔の奏人さん。


ミスが起こらない限りポイントを取りにくいこの状況。

恐ろしいまでの集中力でミスらしいミスもしていないヘレンさん達。


正確でミスの無い返球、拾わなければ相手にポイントを取られる。

この緊張感の中、打ち合いはまだまだ続くのであった。



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