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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
114/162

114 規格外な人。

試合はファイブ・ラブ。

ースッパーン。

ースパ!

ーパン。

ースパ!

「ん〜ドライブで攻めるのは定石なのかな?」

ーパン。

「っく。」

ースパ!

「ほっ!」

ーパシュ!

「シックス・ラブ。」


『最後のドライブは高いしギリギリ返した感じじゃな。』

『ルニアラを左右に動かして、返球も高く上げすぎていないから打ち返すのは辛そうね。』

『見た所スマッシュ警戒してロブやクリア上げないの。さてどう攻めるのじゃ?』


ースッパーン。

ースポーン。

「っお。」

ーピン。

ーピン。

ーピン。

ーピン、がさ。

「セブン・ラブ。」


『攻めの姿勢は忘れておらんの。いい打ち手じゃな。』

『ですがワカさんの方が一枚上手に感じますね。ルニアラが攻めきれてないわ。』

『わしも本格的な試合を観るのは初めてじゃが。和歌にはなかなかに隙がないの。』

『一球を大切に返して流れを持っていきたいところですね。』


ースッパーン。

ースパ!

ースパ!

ーパーン。

ーズパァン!

「っく!」

ーパン。

ーズパァン!

「エイト・ラブ。」


『今度は触れましたが、きっちり打ち込みましたね。』

『ルニアラ殿の反応は悪くないの。スマッシュをしっかり返す事が出来れば攻め方も変わるじゃろう。』

『それを打ち返す事が出来れば…ですけど。』


ースッパーン。

ースパン!

ーパン。

ースパン!

ーパン。

ースパン!

ースパ!

「む!?」

ースパ!

ーパシュ!

「ナイン・ラブ。」


『スマッシュの返しもしっかりしてますね。』

『うむ。返しのドライブも厳しいコースじゃった。』

『流れを変える何かがあればいいのですが。』


ースッパーン。

ーパーン。

ーズパァン!

ーパン。

ーズパァン!

ーパン。

ーズパァン!

「テン・ラブ。」


『どれもよく追いつくの。クリアにロブも上手く左右に振っているんじゃがな。』

『スッテップも綺麗ですし、スマッシュの軸もしっかりしていますね。』


試合も1ゲームの半分になるとへばっていた2人が復活してきた。


「和歌はよくあれだけ動けるわね。」

「和歌先輩は体力に魔力と桁外れですから。」

「桁外れって言うより…あれは規格外って思うのよ。」

(そら)が思うのも分かるよ。外であれだけ走ってすぐ試合な上に一切疲れの色が見えませんからね。」

「和歌先輩は普通の女子高生だと思いますが。」

「そう思っているのはあなたぐらいよ。」


先輩は体力と魔力は規格外であっても普通の女子高生だけどな。

俺の感覚がおかしいのか?


ーズパァン!

「イレブン・ラブ。」


「それにさっきから見てて思ったのだけど。和歌強すぎない?」

「あ、それは俺も思ってた。あのスマッシュ速すぎる。」

「和歌先輩は感覚で打ってくるから、左右どっちにくるから判断難しいですよね。」

「それ以前に見えるかってところなんだけど。翔さんは返せますか?」

「あれなら大丈夫ですね。」

「あれならってもっと速いの打つのかしら?」

「相手として見てませんが、一昨日ダブルスの時に打ったスマッシュは返せる自信ないですね。」

「あれより速いのとか。やっぱり規格外ね。」


ーパシュ!

「トゥエルブ・ラブ。」


「ヘアピンやドライブなんかでも、ネットから少しでも高いとプッシュで打ち込まれますね。」

「ルニアラ自体はそんな悪い返球ダブルスも無いんだけどね。」

「和歌先輩には打ち込める高さなんですよ。」


ーズパァン!

「サーティーン・ラブ。」


ーズパァン!

「フォーティーン・ラブ。」


ーズパァン!

「フィフティーン・ラブ。」


「本当にどれも綺麗なフォームね。」

「落下点まで動く速さとフットワークも上手だね。」


ーズパァン!

「シックスティーン・ラブ。」


ーズパァン!

「セブンティーン・ラブ。」


「ん?ルニアラさん、さっきからクリアやロブを上げるようになりましたね。」

「あぁ〜髭面でおおらかに見えるけど、内面ものすっごい負けず嫌いだから。このゲームを逆転するよりスマッシュ攻略に力注いでるのよ。」

「後は左右に振ってるし和歌さんに魔力を使わせるって事も考えてるかな。」

「それで無理にでも上げているのか。でも和歌先輩には…。」


ーズパァン!

「エイティーン・ラブ。」


「和歌は容赦ないわね。」

「ルニアラの動か見ていいコースに打ち込みますしね。」

「いや、和歌先輩はそんな難しい事考えませんよ。ただ思いっきり打ち込むだけですから。」


ーズパァン!

「ナインティーン・ラブ。」


ーズパァン!

「トゥエンティ・ラブ・ゲームポイント。」


「ここまで綺麗にスマッシュ決まると、清々しいわね。」

「ルニアラも楽しそうではありますね。」

「次もスマッシュで決めれば9連続スマッシュのポイントですね。」


ふと先輩見ると目が合った。

首を傾げて何か許可を求める感じに…あ、あれするのか?

そう思うと先輩が頷き、再び首を傾げる。

そんな可愛い顔で…いやいや、無邪気な顔で!ん?


…俺は頷くことしかできなかった。

もうなるようにしかならないでしょう!


ースッパーン。

ーパーン。

ーヒュン…ズパァン!


「…え?」

「…ゲーム。」


『……今何をしたんでしょうか?』

『スマッシュ…かの?軌道が全然見えんかったの。』


ローランドさんとリコさんの試合でやったスマッシュで最後を決めた先輩。

会場は暫く静寂になった。


「…奏人。あれって有りなの?」

「ネットの高さより飛んじゃダメって聞いた事は無いし…そもそも跳ぶ前例を見た事ない。」

「ははは…。」


とりあえず1ゲーム目は先輩の先取。

静寂が続く中、俺にVサインを出して満足そうな先輩。

とりあえずVサインで返事をしておく。


さて次のゲームですよ、皆さん気持ち切り替えていきましょう!

心の中で思うのは、俺だけじゃないだろう。



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