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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
106/162

106話 変わる瞬間。

ーズパァァン!!

ースパ!

ースパ!

ーパン。

ーズパァァン!!

ースパ!

ースパ!


イレブン・ラブで迎えたこのゲーム。

俺は前で屈んで背中に左手で合図を出すのみ。

クリアとロブを警戒して上げてこない。

正直に言うと決定打に欠けている。

それは相手もそうだが、俺と先輩にも言えた事である。


ローランドさんにロブを上げてスマッシュを確実に拾う先輩。

リコさんにドライブで返してまたローランドさんにロブを上げる。

俺はその動きを見て隙を伺う。


「そろそろかな。」


指3本でドロップを合図。

とは言えクリアがこない状況では前に落とす合図になる。


ースパ!

ースポーン。


「「あー!?」」

ーすとん。


「トゥエルブ・ラブ。」


ロブかドライブでくると思っていた2人は切り替え出来ずそのまま決まった。

んーなんか相手の集中力が切れてきてるな。

次も同じく先輩に動いてもらい。


ースパ!

ースパ!

ーパシュ!


「サーティーン・ラブ。」


ドライブの打ち合いに、同じ起動で返してくるものに俺はプッシュでねじ込む。

その後も相手は同じ様にスマッシュとドライブを打ってくる。


ーズパァァン!!

ーパシュ!


「フォーティーン・ラブ…。」


スマッシュだろうがドライブだろうと、返ってくる方向が分かればどちらも一緒だ。

ちらっときりんさんが俺を見てきた。

何だろう?とりあえず今は試合中だから後で聞いてみるか。


ースパ!

ーピン。

「せっ!」

ーピン。

ーピン。

「よっ。」

ーピン。

ーピン。


試合でリコさんのヘアピン上手くなったなぁ。

ただ反対にヘアピンで振ると…。


ーピン。

「にゃ!」

ーパン。

ーヒュン…ズパァァン!!


「フィフティーン・ラブ。」


つい力が入っちゃうみたいだ。

上がったロブを待ち望んでいたかの様に先輩は思い切り打ち込む。

さっきよりまた速くなってる気がする。

苦手な球は力が入るのであればローランドさんなら。


ースッパン。

「おっと!?」

ーパーン。


「ちょっとロー!」

「よいしょ!」

ーヒュン…ズパァァン!!


「スィックスティーン・ラブ」

「ちょっとロー油断しすぎだよ!」

「す、すまんリコ。」

「んーすっきり!」

「和歌先輩楽しそうっすね。次いきますよー」


ースッパーン。

ースパ!

ーパシュ!


「そのルートは計算済みです。」

「セブンティーン・ラブ。」

「んーこうなったら、私は何もできないかな。さて2人はどうかな?」


ースッパーン。

ーズパァァン!!

ーパシュ!


「エイティーン・ラブ。」


ースッパーン。

ースパ!

ーピン。

ーピン。

ーパシュ!


「ナインティーン・ラブ。」


ースッパーン。

ーズパァァン!!

ーピン。

ーピン。

ーパシュ!


「トゥエンティー・ラブ・マッチポイント。」

「くっそ。どうするリコ?」

「翔に全て見透かされてる感じだねぇ…違う事してみるしか?」


ん。だからその相談も声を落とした方がいいと思いますよ。


「ふふ。丸聞こえだね。」

「そうですね。ここで変われますかね。」

「どうだろう。追い込まれたら人は何するか分からないよ。」

「では、油断せずいきましょう。和歌先輩お願いしますね。」

「うん!まっかせなさ~い!」

「リコさんいきますよ。」

「いつでも来い!」


ースッパーン。

「やぁ!」

ースポーン。

「あ、こっち来た。」

ーパン。

「は!」

ースパ!

「…。」

ーパン。

「てやぁ!」

ースパン!


さっきとは違う打ち方だがコースは少し甘いな。

クリアとロブも打ってこないのは変わらない。

この感じは…。


「翔くん!」

「はい?」

「ちょっと付き合おうよ。見てみたい!」

「和歌先輩…しょうがないですね。」


俺達は2人が変わる瞬間を暫く様子をみる事にした。

このゲームは長くなりそうだ。


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