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結構マジでやってます。  作者: みけな
第二章 夏から始まる冒険。
104/162

104話 普通なんだよ。

ここまで色々やってきたが、流れはまだ俺と先輩にある。

俺はサービスの準備前に先輩には4本のロブで合図を忘れない。


ースパーン。


「きた!うりゃぁぁ!!」

ーズパァァン!!


「…ほい。」

ーパン。


「まだまだ!うりゃぁぁ!!」

ーズパァァン!!

ーパン。


「はは!おもしれぇ!うりゃぁぁ!!」

ーズパァァン!!


繰り返し同じ所にロブで返す先輩。

本来ならそこで切り返しをしてくる方が良いんだけど。

ローランドさんは相変わらず真っ向勝負。

前に落とせばリコさんが反応出来るようにしているのだろう。


ーズパァァン!!

ーパン。

ーズパァァン!!

ーパン。


決め球も先輩には通じない。

そもそも真っ直ぐにしか飛んでこないから、拾うのもそんな難しくは無い。

正確に同じ所に来る事に慣れてきたか、ローランドさんのフットワークも怪しくなる。

そんな様子に先輩も気づいて、逆サイドにロブを上げる。


ーパン。


「っと。」

ーパーン。


ローランドさんはスマッシュは打たずにクリアで返してきた。

そんな送球に俺は2本のクリアを合図。

それと同時に先輩と逆サイドに下がる。


ーパーン。


俺が下がったのを見て先輩は逆サイドの後方に下がる。

そうなると当然前が空く事になる。

ドロップを誘う動きだったが…。


「ん?っく!?」

ーパン。


俺と先輩の中間に返ってきた。


「翔くん。」

「はい。」

ーズパァン!


それをスマッシュで相手のコートに沈める。


「フォー・ラブ。」


ーぱん!


先輩とハイタッチを交わす。


「ふぅ…凄いな。」

「ん〜言葉を越えた何かを感じるよぉ〜」

「ホントだな。でも、なんかカッケーな。」


「なんか視線が気になりますね。」

「そう?別に気にしなければいいよ〜それより、そろそろいい?」

「ここまで我慢出来た事が奇跡か。」

「ん?なにかな。」

「いえ、こっち事です……では暴れますか。」

「そうこなくっちゃ!試したい事あるんだよね!」

「では、ショートからいきますよ。決めて下さいね。」

「まっかせなさい!」


目の色を変えて構える先輩。

これからの俺達は誰にも止められない。


ースッパン。

ーパン。

ーヒュン…ズパァン!


「「っえ?」」

「……あ、ファイブ・ラブ。」

「うん。いけそう。」

「出鱈目っすね。音が遅れて聞こえるとか。」

「おいおい、今何したんだ?」

「スマッシュしただけだよ?」

「だけって事は無いだろうよ。」

「それはですね…。」


俺は疑問にしている2人に説明をした。

ショートサービスでリコさんに打った。

それをロブで上げた所までは普通だった。

だけどその後がローランドさんが言うだけじゃ無い事。


本来のバドミントンは打った球の下に入り打ち返すのが普通だ。

それは何故か?答えは簡単だ。

届く高さまでジャンプ出来ないから。


ならば届いたらどうなるのか?


試合前に俺は先輩にある事を聞かれた。

ネットを越えた後、打ったら反則かな?

ルール上問題ない事を伝えるとやってみたいって言われていた。

後半の切り札として温存しておく話になっていた。


「ね?スマッシュしただけでしょ?普通なんだよ。」

「いや、和歌の中の普通ってなんなんだよ。」

「ははは。でもそれにも対応していかないと。俺達には勝てませんよ。」

「何ぉ!まだ5点目だよ。やってやるよロー!!」

「お、おう!!」


「話は終わったか?再開してもらいたいんだが?」

「あ。きりんさん、すいません。」


前に向き直り俺達は試合を再開した。



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