オムニバス
メインストーリーやソロストーリーではなく、オムニバスとして。
『昔話』
昔々、森の奥に少女がおりました。
少女はある日死にかけていた少年を保護し、面倒を見ました。少女と少年が2人で住むようになりました。
そんな少年も人間です。成長し、立派な青年になりました。
すると少女は新たな少年を連れてきました。その新たな少年と青年を同じ部屋に置きました。
青年は少女を愛していた。だが、少年との恋に落ちてしまった。それに少女は気づいていたが特に咎める事なく見守っていた。
しばらくすると彼女は青年から成人になるのを恐れていました。
少女は思った
「大人になんかなって欲しくない。いつまでも、綺麗な姿であってほしい」
その夜少年を呼び、同室である青年に一日少しずつ水を運んで欲しい、というお願いをした。少年もまた少女に洗脳されているため絶対服従であった。その日から青年を部屋を百合がたくさん咲いている部屋へと移動させた。
そこで毎日少年は青年へ水を運び続けた。鈴蘭を生けた水だと知らずに。
百合と鈴蘭の水によって段々と弱っていく青年。
そして青年は眠るように百合に囲まれながら息を引き取った。
少女は歌を歌いながら死んだ青年に化粧を施し、青年の体を解体していく。
翌朝から食事が少し豪華になっていた。そして少年は少女に
「あの人は何処に行ったの?」
「此処にいるわよ」
少年は意味を理解する事はしなかった。それは洗脳されているからか、それとも自分の意思によって理解をしたくなかったのか。少年は口いっぱいに頬張った。それを見て少女は笑っていた。一瞬哀しそうな顔をしていたのを少年は知っていた。
少年が青年になる頃、再び少女が新たな少年を連れてきた。再び始まる物語。
しかし、この物語には続きがある。
この悪夢のような“失楽園”のループが続いた時、1人の青年が解放された。
そしてその青年は少女に魔法をかけた。
こうして少年は青年の手によって連れ去られ、ここには彼女1人ぼっちになってしまった。
また一人ぼっちになってしまったのだ。あの時のように。
そして鐘の音が鳴り響く時、彼女の目が開かれる。歯車は再び狂う様に動き出す
物語は終わらない
めでたしめでたし