表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
楽園  作者: 茄子
楽園*オムニバス*
1/38

楽園#0

『はじまり』

 “森の奥には何かがある”そう誰かが呟き、草を踏みしめると共にアニスの花が揺れる。

そこには確かに何かがあるはずなのに何もない。

まるで、目を欺かれている様に。

森の奥に佇む1人の女性の目の前に、今までなかったはずの門が現れる。いや、正確には門は元々あったのかもしれない。

「ただいま」

閉じていた門が開き、彼女は静かに一本道を歩き始めた。

少し歩くとアーチ状の草木の道に入り、草木の間の微かな光が差し込み彼女の紅いフードに模様を写す。宝石のように光る道を歩くと大きな家が現れる。階段を上がり、扉に手をかけると静かに扉が開いた。

「おかえり“姉さん”荷物持つよ」

「ただいま。ありがとう、助かるわ」

扉を開け、声をかけてきたのは胡桃色をした眼の青年だった。

ここには彼を合わせて何人かの少年たちが住んでいる。彼らは全員悲惨な境遇を辿ってきた者達である。そしてまた彼女は“姉さん”と呼ばれているが、本当の姉ではない。

自由や愛を与えてこられなかった者へ、彼女はそれらを与える。それが彼女の役割であり、彼女自身である。この場所を彼女や彼らは「楽園」と呼んだ。

それが偽りの楽園であろうとも、それがいつかの夢であろうとも、彼女らにとっては楽園である。

世間から遮断されたように佇む大きな館の花たち

ほんの小さな歯車を見つけるのは誰か

狂っているのは誰か

それを知るのは青い薔薇だけ

はたまた、白紙のキャンパスに絵の具を垂らし、その絵の具が広がるのを見届ける者か

最後まで絵本が完成するまで見届ける者か

様々な者たちの色がぶつかり合い、絡み合う。

誰も結末を知らず、誰も結末を望まない。

永遠に続く絵の中で“自由”と“愛”を食らうだけ。

重く鐘が鳴り響く時、アニスの花が全てを欺くかの如く揺れる。



これは誰かの物語。

趣味で作品を残したいな、と思い立ったため文章能力は皆無に等しいです。

閲覧ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ