東方翠漆紫 10
「僕に用?」
廊下で姿を変えて早苗に顔をあわせる。すると、早苗は辛そうな顔のまま言葉を紡いだ。
「ごめんなさい!!!」
俺は吃驚した。
「あの時……引っ越したのは
「分かるよ。」
早苗の話を一気に断ち切るように答えた俺はそのまま続ける。
「ここなんだろ?怪我やらなんやらの治りの早さはあの世界から向こうで、永琳から貰った薬のおかげなんだろ?」
早苗は黙る。
「でも、そんなもので俺の思いは変わらねぇよ。」
「…………うん。」
俺は一気に顔に近付き、交わした。
「迷いが有るなら新たな道で突き進むのみ。そうすれば楽になるだろ?」
「ふ、ふふふ。」
早苗の手が、温もりが身体に伝わる。
「ありがとう…凌ちゃん。」
「ただいま…これからもね。早苗。」
「おお、熱々ね。」
出てきたのは藍色の髪をしている。
「か、か、神奈子様?!」「おいおい、神奈子」
「未来の夫婦ね。」
それを聞いて俺と早苗が意地悪に
「諏訪子様に制裁を…」「霊夢に封印を頼もうか…」
それぞれに残虐な事を言いかけると
「やっぱり熱々ね。」
と暈しながら挑発にのっていた。
「凌…ちゃん?」
俺はわざと氷塊を生み出して投げつけた。
「っつ!?」
「ご主人様の命令なのでね。遠慮させてもらいはしますけど…」
そういって私は水を凍らせてそれを早苗と一緒神奈子の服と肌の間に流し込んだ。神奈子は声にならない声を出していた。
「ふっ、ふふふ」「ふっ、ははは」
いつしか、笑顔だった。
「再開……ね。」
霊夢はまた嫌なことを思い出していた。
「心配になるのか?」
魔理沙が気にかけているが本人は更に凹んだ。
「母さん……」
霊夢は手にしていた酒を飲もうとして止めた。波紋が広がっている。そのまま霊夢は持ちながら奥の方へと消えていった。
「魔理沙、適当にね。」
その意味が解らず、魔理沙は突っ立った。
そのまま霊夢は夜空の中、神社から脱け出した。そして誰もいない森の中へ消えていった。
その不穏な感じを何故か感じた凌雅は立ち上がった。それにつられるように魔理沙も席を外した。
「嫌な予感しか無いな、魔理沙。」
「あぁ、そうとしかないな。」
その時、叫声が聞こえた。しかし、他の皆は聞こえていないようだ。
「西の方の森か?!」
霊夢が抜けたのも西だった。
「追いましょう!」
「凌ちゃん?凌ちゃんは?」
早苗はどんちゃん騒ぎの中、凌雅の姿を探していた。しかし、居なかった。それに魔理沙も居らず、霊夢も居なかった。
「胸騒ぎが絶えない…。」
その時、叫声が聞こえた。今度は早苗にだ。
「だったら行くまでよ!」
早苗はスッと立ち上がった。
八卦炉を持ってマスパ撃ちたいですか?
A. もちろんさぁ